うさぎは寂しいと死んじゃう?【ギャルとオタクくん】
昼休みの教室。
窓の外では雪が今にも振り出しそうな雲が空を覆い、道行く人が白い息を吐いていた。
金髪にピンクメッシュを入れたギャルが机に突っ伏し、大げさなため息を吐く。
「ねー、あーしってさ。うさぎだから、寂しくなったら死んじゃうっしょ」
「それな〜」
隣のギャル友が笑いながらスマホを操作する。
そのとき、教室の後ろで本を読んでいたオタクくんが、眼鏡を押し上げながらすっと顔を上げた。
「迷信でござるよ。諸説あるでござるが、1980年代ごろのペットブームで“うさぎは寂しがり屋だから、いっぱい構ってあげましょう”と紹介されたのが発端と言われているでござる」
突然の解説に、教室のあちこちからクスクスと笑い声が漏れる。
オタクくんはその反応に気付くことなく、さらに真剣な表情で続けた。
「要するに、“同事”でござるな。同じ立場に立ち、寄り添うことが大切でござる。男児たるもの、女性に“寂しくて死んじゃう”などと言わせぬよう努めるべきでござるよ」
「それな〜」
ギャルが茶化すように笑う。
「女心、案外わかってるじゃん?」
するとオタクくんは胸を張り、誇らしげに答える。
「当然でござる」
その自信満々な様子に、教室はさらに笑いに包まれた。
すると、スマホをいじっていたギャル友がふと顔を上げ、意味深な笑みを浮かべながら小さく呟く。
「……ほんとに、わかってるかな〜?」
お読みいただきありがとうございました(*'ω'*)




