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禅語何それ美味しいの?  作者: 夕暮れの家


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6/66

世の中に希望なんてないんだよ

とある場所で人知れずデスゲームが開催されていた。


「あはははは!また死んだ!ほら見ろ、まただ!」


モニターに映るのは焼け焦げた肉の塊。

私の手元で、カウントが一つ減る。

これで残り3人。さあ、あと少しで“理想の真実”に到達する。


「希望?仲間?信頼?くだらん……!この世にあるのは絶望だけだ!」


私はモニターに向かって嘲笑する。


「私も昔は希望を信じていた!しかし、そんなものはまやかしだ!」


「“夜半無明火”などとぬかす輩もいるが、夜半は闇、無明は混沌、火など灯らぬ!この世界は闇だ!絶望に染まれえええええぇッ!!」


高笑いが部屋に響く。誰も止められない。

この瞬間こそ至福。人間の本質が暴かれる瞬間。


「さあ、もっとだ。もっと死ね、壊れろ、狂え……!」


そのとき、爆発音。

天井が揺れ、一部のモニターが砂嵐になった。


「……何だ?」


苛立ちとともに通信を入れる。


「状況を報告しろ。貴様ら、何をしている?」


返答はない。

代わりに開いた監視室の扉。

現れたのは、モニターで死んだはずの参加者の一人。


私は唇を震わせた。


「お前……死んだはず……ッ!」


男は静かに微笑んだ。


「フェイクだ。仲間が途中で映像を切り替えたんだよ。」


「見せたかったんだよ、あんたに“絶望の中にある希望”を」


「ふざけるなああああッ!!!」


私は叫ぶ。後退る。


「人間は裏切る!壊れる!死にたがるんだよ!それが真実だ!それだけが真実なんだよおおおおッ!!」


だが、次々と現れる“死んだはず”の者たち。

その眼に、怯えも絶望もなかった。

火のような光が、確かに宿っていた。


私は膝をつき、笑いながら泣いた。


「なぜだ……なぜ火が……闇に……」


 


静かに歩み寄る男たちを見て、

私は叫んだ。


 


「美しい……美しい……ッ!なんと美しいことか……!

夜半無明火ッ!絶望の底に、火が……火が灯ったああああッ!!」


 


そう言い残して、私は闇の中に沈んだ。

そして気づいた。

私はずっと、その火を……

ずっと……欲しかったのかもしれない。



【禅語解説】

夜半無明火、深い迷いや暗闇の中で、かすかな覚醒や希望の光が見えること。

お読みいただきありがとうございます(*'ω'*)

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