じいちゃんの教え
「僕お肉はいいや」
夕飯で大好きなお肉を残した。
お母さんは食べなさいと言ったが無視して部屋に籠った。
お肉はもう一生食べられないかもしれない。
次の日、大好きなじいちゃんの家に行った。
じいちゃんはよく来たな笑うと縁側に座った。
じいちゃんの隣にいつものように座る。
そしたらいつも通りじいちゃんが「どうかしたのか?」と聞いてくれた。
僕は学校でのことを話す。
学校で動画を観たことを。牛や豚が出荷され殺される動画。
「じいちゃん、牛や豚は年を取ったらお肉にされちゃうんだ。」
僕はじいちゃんがもしお肉にされてしまったら悲しい。
それを思うともうお肉が食べられないとじいちゃんにいった。
「学校ではどう習ったんだ?」
「感謝をしなさいって、命に感謝して食べなさいって。でも、僕思うんだ食べない方がいいんじゃないかって。可哀想だよ…。」
俯きながらいうとじいちゃんは優しく頭を撫でてくれた。
じいちゃんが空を見上げる。
釣られて僕も空を見上げる。青空がなんだが目に痛い。
「人間というものはな。」
ぶっきらぼうだけど優しいじいちゃんが静かにいう。
「空の青さに感動しながら虫を踏むんだ。」
「だから感謝しかやれることはないんだよ」
その声は優しく耳によく残った。
「感謝しかないの?」
「それが人間ってもんだ。昔の言葉でこういうものがある『万物一如』。」
「すべての存在は表面上は別々に見えても、根本では一体であるという考えだ。自然・生き物・人・出来事などを切り離して『自分だけ』で生きるのではなく、世界そのものと調和し、共に生きろという意味だ。つまりなんだ。自分の命は自分以外の全てのもので支えられて成り立っているということだ。」
「だから感謝を忘れてはいけないんだ。そして往々にしてできることは感謝くらいしかないんだ。」
じいちゃんの言ったことが難しかったけど感謝が大事だということはわかった。
「うん、感謝する。」
「まあじいちゃんはそう思うが、別の答えを出してもいい。」
じいちゃんは僕の目を覗くと優しくいった。
「別の答え?」
「そうだ。食べながら考えればいい。すぐに答えを出す必要はない。」
「問いと共に生きる。なんだろうな?と考えながら生き続ける。いつか納得のいく答えに出会うさ。人生とはそんなもんだ。」
「出会うかな?」
「出会えるさ。人生は厳しいが時に優しい。」
「うん!」
僕はその日じいちゃんの家でお肉を食べた。美味しかった。
「ごちそうさまでした。」
感謝をしよう。なんで牛さんたちを食べていいのか。僕は僕なりの答えを見つけよう。いつの日か見つけたらじいちゃんに話すんだ。答えが見つかったよって。
お読みいただきありがとうございます(*'ω'*)




