楽しい文化祭【ギャルとオタクくん】
ギャルオタ連続投稿ラストです。お楽しみください。
「一年三組の文化祭の出し物は――コスプレ喫茶に決まりました。」
委員長の声と同時に、ぱちぱちと拍手が教室に広がった。
「コスプレ楽しみっしょ!」
「それなー」
ギャルとギャル友が顔を見合わせて笑う。
「そうでござるな」
オタクくんも、どこか誇らしげにうなずいた。
――そして文化祭当日。
「皆、今日はじゃんじゃん売って、売上一位を目指すぞー!」
クラス代表の掛け声に「おー!」と声が揃う。
「ござるくん、その茶葉取ってっしょ。なるはやー」
「こ、これでござるな」
オタクくんはオレンジ色の熊の着ぐるみに身を包み、ぎこちなく茶葉の入った缶を取り出す。顔は隠れているはずなのに、なぜか照れ臭さがにじみ出ていた。
カウンターに立つギャルは、バニー服に燕尾服を羽織った独特のスタイル。隣のギャル友は鮮やかなチャイナドレスで、笑顔を振りまきながら接客していた。
その姿に来場者は目を輝かせ、開店直後から店は途切れることなく賑わいを見せていた。
この文化祭は地域にも開放されており、外部からの客も大勢訪れる。親子連れ、老人、他校の生徒らしき姿まで、多種多様なお客でごった返していた。
そんな中で――事件は起きた。
「美穂~、この後一緒に回ろうよ~。」
席に座り、しつこく声をかけてくる男がいた。耳にピアスを光らせ、金髪を派手に逆立てた風貌。どこか遊び人めいた雰囲気を漂わせている。
「だから友達と回るって言ってっしょ!」
ギャルは眉をひそめ、明らかに不快そうに返す。
「おい、あれやばくないか。」
「誰か止めろよ。」
バックヤードで控えていたクラスメイトたちがざわつき始める。
「だから嫌って言ってるっしょ」
ギャルの悲鳴が聞こえた。そのときだった。
「大死一番、大死一番でござる。」
低くつぶやいたオタクくんが、熊の着ぐるみのまま教室に飛び出した。
男がギャルの腕に手を伸ばそうとしたその瞬間、オタクくんの手が素早く伸び、その腕を掴む。
「お客様、無理強いはよくないでござるよ。――なんだったら拙者と一緒に回るでござるか?」
満面の笑みを浮かべながら、接客口調で言い放つオタクくん。
「はあ?誰だよお前。」
男が眉をひそめる。
「ギャル殿の友達でござるよ。」
オタクくんは微動だにせず答える。その瞳には迷いがなかった。
「友達風情が調子乗りやがって、俺はな――。」
男の口調が険しさを増した、そのとき。
「お兄、マジうざいしー!」
ギャルが恥ずかしそうに声を張り上げる。
「美穂~……。」
振り返った男は、眉尻を下げ、情けない顔をした。
「お、お兄さんでござったか!」
オタクくんはその場で固まり、次の瞬間、慌てて頭を下げる。
「失礼つかまつった。拙者、これにてドロン!」
勢いよく教室を飛び出していくオタクくん。その背中を見送りながら、教室には一拍の沈黙が落ち、すぐに笑いが広がった。
「お兄さんだったの?ナンパかと思ったわ。」
バックヤードにいたクラスメイトが首をかしげる。
その傍らで、ギャルはそっと視線を落とした。
――あーしのこと、守ってくれたんだ。
気づけば、口元が自然とほころんでいた。
自分の顔に浮かぶ笑みを、本人だけがまだ知らなかった。
お読みいただきありがとうございます(*'ω'*)
ギャルオタシリーズは気に入ってるのでまだ少し続きます。
次は間に他の話を入れてから投稿する予定です。
ブックマークして次を待っていただけると嬉しいです!
それと1か月毎日投稿チャレンジ本日がラストでした。無事走り切れました。感謝です。
以降はどこまで続くかわかりませんが毎日投稿を続けていきます。
恐らくどこかで息切れして不定期投稿になるかと思いますが、よろしくお願いします。




