蚊って耳元に来るのなんでなん?【ギャルとオタクくん】
ギャルオタシリーズ連続投稿2本目です。お楽しみください。
「あーし、疑問に思ってることあるんだけど」
金髪にピンクのメッシュを入れたギャルが、机に突っ伏しながらぽつりとつぶやく。
「なーにー?」
ギャル友がスマホをいじりながら顔を上げる。
「なんで蚊って夜寝るときにだけ耳元くるの?」
「マジわかるー。あのブーンって音、マジでうるさい」
「それなー」
前の席から真面目な声が響いた。
「蚊が耳元に来るのは、二酸化炭素や体温に反応して顔周りに引き寄せられるからでござるよ。」
「ござるくん、マジ博識~!」
ギャルが茶化すように笑う。
「でもマジ蚊とかうざくない?全滅すればいい」
ギャル友がリップを直しながら吐き捨てる。
オタクくんは少し間を置いてから、静かに言った。
「一切衆生悉有仏性でござる。大きな命も小さな命も、仏性を持ち、価値に差はないでござるよ」
ギャルは一瞬きょとんとした顔をして、すぐに笑った。
「ござるくんマジ優しー」
「そうでござるか」
照れたように赤らむオタクくん。
けれど、すぐにもう一人のギャルが茶化すように肩をすくめた。
「でもさ、蚊も殺せない男はちょっとパスかなー」
「それもあるー」
軽い笑い声が教室に弾ける。
オタクくんは笑顔のまま、静かに立ち上がった。
何も言わずに教室を出ていく。
その背中が少しだけ寂しそうに見えたのは、気のせいだろうか。
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