第5話「救助」
HET01はβのコンテナを牽引しながら、事故現場を進んでいく。
「どんだけ玉突きしたんだよ…」
事故で大破した車の横を通過していく。
遠くの方で発煙筒を焚いているのが見えた。
「あそこが現場かな…」
「赤城さーん!ここですー!」HET02に乗る有村が01を誘導する。
「状況は?」赤城が車両を降りる。
「車のフレームが歪んで、要救助者の足が挟まれ、取り残されています!」
「了解、フレームを強制的に広げて救助する」
「了解」
コンテナから必要な機材が一気に降ろされる。
「こんにちは、HETの赤城ですー!聞こえますかー?」
「どこか、痛むところはありますか?」
男性が震える手で足を指差す。
「よし、鎮痛剤を投与しながら、スプレッダーを使ってフレームを広げる。」
「ジェシカ、鎮痛剤を投与、彼の容態を細かくチェックするんだ」
「わかりました」
「お兄さん、名前言えますかー?」
「た…巧で…です…」
「巧さんですねー?痛いところはありますかー?」
「あ…足…」
「足ですねー?」
「よし…鎮痛剤投与。巧さん、チクッとしますよ?」
腕に針が刺さる。
「鎮痛剤投与開始。」
「これで症状落ち着くと思います!」
「OK!じゃあスプレッダーで開けるぞ!」
「動かしますよー」
スプレッダーが歪んだフレームを広げ始める。
「鎮痛剤は?」
「現在200mg!」
「OK」
鉄の軋む音とともにフレームが開き始める。
「OK、これくらい開けば大丈夫だ」
「巧さん、動きますよー」
「華、こはね、一緒に引っ張るよ!」
「「了解」」
「せーの」
大破した自動車から要救助者が出される。
「OK、救出終了。旗野チーフ、そちらはどうですか?」
『こちらも救助活動完了、帰投しましょう』
HETの初任務が終了した。




