15/17
第14話「脱出、そして」
トンネルの崩落が一気に進む。
瓦礫が02を襲う。
途中何度も鈍い音が聞こえた。
怖くなったが、有村はそれでもアクセルを踏み込み続けた。
視界が晴れる。
「脱出した…」
出口側には救急隊が展開しており、02を迎えてくれた。
「大丈夫ですか?」救急隊の隊員が聞いてくる。
「だ…大丈夫です…」
有村とジェシカの2人は正直生きていることが信じられなかった。
02から傷病者を降ろし、救急隊に引き継ぐ。
「後はお願いします。」
「戻ろっか、ジェシカ。」
「そうですね。」
瓦礫を切り抜けた02に乗り込む。
「あれ?エンジンかからない…」
「うそー!やっぱさっきの崩落がダメだったんだー」
「でも、私たちを守って力尽きたんだもん。かっこいいよ。やっぱ私の02。」
その時無線が入る。
『こちら旗野、HET01のメンバーは華、こはねと合流して救助活動を実施。その後無事全傷病者を搬送完了。今回の出動、犠牲者は…ゼロです!!』
「やったぁ!」
「やった!」
有村とジェシカはハグする。




