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07.空虚な部屋にて

 意識を取り戻してはまた妙な匂いのする布を当てられ続け、何度目か意識を取り戻した時にはぐったりと体が重い。 


頭痛すらも遠くに感じながら、ぼやけた視界に目を凝らす。


ワンダと共に住むアパートメントの部屋よりも何もない部屋が明かりの色と共に徐々に輪郭を露わにした。


 少し体を動かしてみればあの忌々しい拘束は外されていて、だが足元でジャラリと音がする。


ぐっと重圧に耐えながら頭ごと動かしてそれを見れば、赤茶色の鎖がとぐろを巻き、マリアの片足首に嵌められた金属の輪とその先のパイプに繋がっていた。


つまり、拘束はまだされている。


 マリアは再び頭を戻し、視線だけを動かして部屋を見渡す。


自分が横たわっているのはベッドらしきもので薄い枕とシーツが一枚あるだけだ、木の床とそれに繋がる壁にはマリアの掌ほどの小さな小窓があり、大きな扉と小さな扉が二つ。


 大きく深呼吸を繰り返し、ずっしりとした体を持ち上げて小窓の方へふらつきながら歩み寄ると、案の定窓は白く濁って外が見えない。


異常なほど静かな部屋の中、今度は隅の大きな扉の方へと歩くが再び耳障りな音がして片方の足が後ろに引っ張られ、扉へは這って手を伸ばそうとも指一本さえ届かなかった。


鎖を持って引っ張ってみるが、ベッド自体の足元が固定されていてびくともしない。


辛うじて鎖が届く範囲のもう一つの扉は手を掛ければすぐに開いたが、中はトイレで天井に排気用の小さな穴が開いている切りだ。


 どさりとベッドに腰を下ろしたマリアはむかむかとせり上がって来た気持ちのまま、掴んだ枕を扉へと投げ付けた。


とたん大きな頭痛と吐き気が襲ってばたりとベッドに倒れ込む。


痛む頭を押さえながら少しでも身構える体勢をとり、じっと扉を見詰める。


確かに体に傷は付いていないのだろうが、こんなところに閉じ込められてそれについて安心出来る状況ではない。


マリアは漸くあの痩せた男の言葉を思い出してぐっと眉根を寄せた。


 しかし幾ら考えてもさっぱり意味はわからない。


身売りするならさっさと売ってしまわなければそれだけ足がつく、すでに売り飛ばされた後だとしてもどうも状況がおかしい。


考えれば考えるほどわからなくなって、マリアは奥歯を噛み締める。


 ――どうして私がこんな目に遭わなきゃならないのよ!


一体自分が何をしたというのだ、裕福とはいえない自分が誰かに恨みを買っているとも思えない。


それとも知らずに底知れぬ恨みを買っていたというのだろうか?


安住の地も失い、家族とも離れ、愛する人さえもなくした自分に、どんな恨みが?


 マリアはまんじりともせず部屋の外の気配にじっと神経を尖らせた。


すぐ殺す事はしないようだが、これから甚振られる可能性もある。


否、どんな可能性もあるだろう、ただ――恐らく救いはないというだけだ。


 五月蝿過ぎるほどの安い時計の音が恋しくなったのはこれが初めてだった。


個人的な何かだけならまだいい、弟妹にまで危険が及んでいたら最悪だ。


唇を噛み締め、マリアはただひたすら扉が開くのを待つ。


恐ろしく長い時間だった。









 マリアは幼い頃の夢を見ている、途切れ途切れの映像。


家を飛び出しいつもなら一人では怖くて入れない森の中でじっと膝を抱えていた幼い日だ。


すっかり忘れてしまっていたが、マリアは自分の膝を抱える小さな手を見ながら思い出した。


 何事かで母と喧嘩した、いつもは優しい母が悲鳴を上げるように怒鳴りつけて来たのに驚いたのと怖かったのとで、思わず家を飛び出したのだ。


これは今でもわからないが、マリアは当時何かしらの孤独感を抱えていた。


友達がいなかった訳でも暗い子供だった訳でもない、ただ一人取り残されているような疎外感を思い出す。


それは両親の間にいてさえもだった。


 やがて自分を探して現れたダグラスにマリアは駆け寄る。


彼にだけは全てを曝け出せた、理解するより心がそうしていいと感じていた。


 そして母の泣きそうで心配そうな顔、ダグラスの手から渡された時強く抱き締めてくれた温かい腕。









 気を失うようにいつの間にか眠っていた事にマリアは気付き、瞬間見ていた夢は消え去った。


この静か過ぎる空間の中、小さな靴音でさえも大きく響く。


それに反応してびくりと体を弾かせ、知らず眠っていた自分を叱咤しながら、扉から距離を取ろうとベッドから降り掛けた瞬間前触れもなく扉が開かれる。


 入って来たのはまた男が二人、マリアを連れ去った男達は特徴がないほど普通の格好をしていたが、この二人は上質そうなシャツにベストを着込み「いい身なり」をしていると言えた。


二人共鷲色の髪にくすんだ青の瞳で、五十代くらいだろう中年と何やら荷物を抱えた二十代だろう青年だ。


 マリアがこれ以上なく警戒しているにも関わらず、二人は――特に中年の男の方は実に何気ない仕草で扉を閉め傍の壁に凭れた。


「ご気分は如何かな?――×××」


 異国の風情はない見掛け通り、男はマリアの知る言葉で話す。


しかしその後の単語のような言葉は聞き取れなかった。


正確にはその発音がマリアには全くわからなかったのだ。


「今の言葉は何?外国語?……貴方達は一体誰なの、私をどうするつもりなのっ」


 キリキリと神経が尖っていくのを感じながらマリアは男達を睨み付ける。


もし近付いて来たのならと、足に繋がれた鎖を後ろ手にそっと握った。


「ああ、君は……マリア、と呼ばれているんだったね」


 落ち着いたその表情で奇妙な事を言う男にマリアは体に寒気を覚える。


 それが自分の名なのだからそう呼ばれていて当然だ、その言い方ではまるで他の名前が存在するようではないか。


しかしマリアには誰の名前も付けられてはいない、少なくとも「マリア」と呼ばれる以外の名前は。


混乱しそうになるのをぐっと堪え、男の奇妙な言動に流されまいとする。


「数日間も旅をして、すっかり汚れてしまっただろう。お湯を持って来た、使いなさい。それから着替えも」


 男がそう言うとその傍らにいた青年が持っていた荷物を床に下ろす。


たらいと湯気が立つお湯差し、そして見た事もない上質な絹で出来たドレス。


 目を見開いて視線を上に上げると、男はただ形だけ笑った。


「心配しなくとも私達は出て行くよ」


「待って、質問に答えていないわ!旅ってどういう事……ここは外国なの?」


「それは後でだ。食事を持って来させるからね、早く支度を済ませなさい」


 二人が再び去って行こうとするのを慌ててマリアが追い掛けるが、またしても足が引っ張られその間に扉は閉められる。


近くに転がっていた先程投げ付けた枕をもう一度扉に叩き付けて、マリアは下の物を見下ろした。


確かに髪や体がじっとりと汗ばんで気分が悪い、しかし到底この「贈り物」に感謝する気にはなれなかった。


 お湯を張ったたらいに掛けてあった布を湿らせ出来る限り急いで体や髪を拭い、再び着ていた服を身に着ける。


恐る恐る手に取って広げてみたドレスは、ダグラスの未来の婚約者が着ていた物より上等かもしれなかった。


ドレスに散りばめてある宝石は言うに及ばず、靴やコルセットなども漠然と高そうだとわかる。


マリアは思わず身震いしてドレスやらを脇に押し退けると、再びベッドの上でじっと膝を抱えた。


 逃げるにしても鎖が邪魔だ、そしてまだここがどこかもわからない。


最早自分がどういった理由で連れて来られたのかはどうでもよかった。


帰りたい――ただそう思う。


その場所がどこかも、マリアには考え付かなかったが。


 今度は起きている内にノックされた扉が開かれ、先程の青年が顔を見せる。


一見温厚そうだがどこか威圧的な目のあの男でなくて、マリアは僅かにほっとした。


むしろこの青年からは怯えにも似たおどおどとした空気しか感じないのだ。


もし彼がマリアに僅かにでも個人的な興味を持つ目をしていたのなら、こうして部屋に二人切りなど一秒も耐えられなかっただろう。


「まだ着替えてなかったのか。まあ、先にどうぞ。一週間もマトモに食べてないんだ、お腹が空いただろう」


「一週間ですって?」


「そう、君は眠っていて、時々起きて水とパンを食べた。覚えてない?」


 マリアの手が届く範囲に食事が乗ったトレイを押し出され、しかしマリアはそれに手を伸ばさず青年を見た。


声に聞き覚えがある。


「貴方、あの時私を連れ去った人ね?」


 よく見れば服装こそ良くなって印象は違うものの、その痩せた体格にも見覚えがあった。


慎重にそう言ったマリアに、だが青年はやはり何事もなく頷く。


「一緒にいたのは僕の兄だ。さっきのは伯父」


「ここはどこなの?私を帰してくれるんでしょうね」


「食べたら質問に答えるよ。ああ、毒は入ってない……と言っても信用ならないか」


 当然だとマリアが頷くと、青年はパンを避けた皿に具のないスープの入っていた皿を傾け少し流し、それを自分の口で飲み込む。


少し間を置いてからマリアに向かって「何でもない」と手をひらひら振って見せた。


だが動かないマリアに肩を竦めて、今度はパンも一口千切って食べる。


「ほら、毒なんか入っていやしないよ。頼むから食べてくれ。そうでないと、君は自分で餓死する」


「食べたら本当に答えてくれるんでしょうね」


「僕が知っている事ならね。そう多くはないけど、君の当面の疑問には答えが出せるだろう」


 そしてその場に座り込んだ青年にマリアも頷いてベッドに座ったままスープだけは飲み切り、パンには手を付けなかった。


それを見て青年は何か言いたげにマリアを見たが、しかしそれには口を噤んで再び口を開いた。


「ここは旧ハーサリェルスト帝国の領地だ」


「ハーサ……聞いた事ないわ」


「そうだろう。当時の通称は『地図にない国』だったから。表立った歴史にも残ってはいない」


 突然突拍子もない事を言われ、どこか遠い先を見詰める青年の横顔をマリアは唖然と見下ろす。


地図にないと言うのに領地だと言う、全く訳がわからない。


 青年は何かに思いを馳せてでもいるのか、右手でそっと胸の上辺りを押さえた。


「それで、もう一つの質問の答えだけど。簡潔に言えば『否』だ」


「どうして!」


 弾けるように叫んだマリアを青年が表情を変えずに見上げる。


「帝国を復活させるのには君が必要だからだよ」


「意味がわからないわ」


 その何とかと言う国を知らなかったばかりか、何の関わりもない。


言葉は確かに通じているのにマリアは目の前の青年が本当に人間か疑わしくさえ思った。


 自分の言っている事に平然とした様子で青年はマリアに目をやる。


その中に僅かな憐憫を感じ取り、マリアはその理不尽さに思わずかっと頭に血を上らせた。


「まあそれも仕方がないだろうな。君が帝国から連れ去られたのは、まだ言葉を話したての子供だったんだから」


 マリアの頭に浮かんだ様々な疑問や思考がぐしゃぐしゃに絡まり破裂しそうな気分に陥る。


だが思うよりも早く何度も首を振った。


「人違いだわっ!」


 震えた声を搾り出して叫ぶも青年の様子に変わりはなく、マリアは全身が得体の知れないものに襲われて大きく震えた。


「間違いはないよ。可哀想に、何も覚えていないなんて」


 咄嗟にマリアは耳を塞ぎベッドの上に蹲って衝撃に耐える。


 否、衝撃を受ける必要がどこにある?この男の言っている事は全て何の根拠もない出鱈目だ。


何らかの理由で攫って来た自分にこんな突拍子もない事を聞かせて混乱させ何かに利用しようとしているだけだ。


 信用するに値しない、――「私」は、「マリア」だ。


 勢いよく顔を上げマリアは脇に置いていたスープの皿を青年に向かって投げ付ける。


様々な感情が体の中で暴れ回って抑え切れない。


 投げられた皿を腕で防いだ青年は、まるで子供の癇癪を宥めるように言う。


「これから知っていけばいい。君は必ず思い出すだろう、自分の中の血がどんなものかを」


 言うなりさっとトレイと皿を持って立ち上がった青年にマリアは飛び掛ってしがみ付いた。


「帰して!お願いだから、私を帰して!!」


 すると青年は足で鎖を引き、マリアの体制が崩れたところであっさりとしがみ付かれた手を解く。


慌ててマリアが再び手を伸ばすが、すでに開いた扉の向こう側にいた青年には届かなかった。


「君が帰る場所はここだよ」


「違うっ!」


「違わない。ハーサリェルスト帝王の、たった一人の末裔――それが君だ」


 再び叫ぼうとひゅっと息を吸い込んだ瞬間ガチャリと重い音がして扉が閉まる。


力任せにマリアは扉に向かって手足を伸ばし何度も宙を掻くと、足首に嵌められた輪を外そうと掻き毟った。


爪や金属の話が擦れた部分からじわりと血が滲んで、とたんマリアはそこから手を勢いよく引く。


 裸足に流れて行く紅い血。


これが一体どういうものだと彼は言った?


 マリアは脇に置いたままだったドレスを掴み、足首の上に被せ押さえ付け目を背ける。


信じてはいけない、あんな御伽噺のような話がある訳がない。


それでも今は自分の血の色を見る気にはならなかった。


 マリアには母がいた、父もいた、弟妹もいる――家族は全て失われてはいない。


身寄りのなかった母はともかく、父には遠いが親族はいる。


自分だけが彼の言う得体の知れない血を継いでいる訳がないのだ。


もし母がその血縁だったとしても、だとしたら弟妹はどうなる。


たった一人などという事は有り得ない、少なくとも自分を調べて連れ去って来たのなら弟妹の存在はすぐに知れたはずだ。


 だったら何故そんな気味の悪い嘘を吐く必要があるのだろう?


そんな嘘を吹き込み、こんなドレスまで用意して、挙句こんな部屋に閉じ込める――まるで全てが矛盾していた。


「クリスティアン、キャサリン……」


 マリアは両手を組んでそれを強く額に押し当てる。


これだけは神に願う事しか出来ない、……どうか二人が無事でありますようにと。


「ぅ……っ」


 徐々に強くなった眩暈と吐き気にマリアは浅い呼吸を繰り返す。


その場に蹲りながら、どうにかしてここから逃げなくてはとそればかりを繰り返した。


例え今は無事でもいつ弟妹にも危険が及ぶかわからないのだ。


 たった三人きりの家族、これ以上壊す事も無くす事も、もう絶対に出来ない。


マリアは強く奥歯を噛み締め襲い来る苦痛に耐え、しかし正気を失わないよう爪が食い込むのも構わず拳を握り続けた。















 ――これは記憶の彼方、昔の話。


 少女は困惑していた、何故母がそんな事を言うのかわからなかったからだ。


どうしていいかわからず、悲しくなってその場から駆け出す。


大声を上げた母への戸惑いと恐怖を振り切るようにひたすら走り続けた。


「どうしてママは……」


 はあはあと荒く呼吸を繰り返し、茂る木々の中に座り込んでぎゅっと膝を抱える。


何度も息を吸い込み吐き出しながら、少女は言葉にして唇を噛み締めた。


 ――どうしてママは怒ったんだろう。


あんなに怒ったママは初めてだった、怖かった。


 更に大きく息を吐き出すと、とたん熱くなった目からぼろりと涙が零れる。


「ママ……」


 呼びかけるように呟くが森はしんと静まり返っていて、別の恐怖が少女を襲い始めた。


恐怖を忘れようと、再び頭に疑問が浮かぶ。


 ――もう私の名前は違うのかしら。


でも私の名前は違っていたのに、どうして違ってしまったのかしら。


ママはどうしてあんなに怒ったの、どうしてあんなに怖かったの。


どうしてあの名前を呼んじゃいけないと言ったの、私の名前だったのに。


新しい名前が嫌なんじゃない、ただ……ずっと呼ばれていない私の名前が可哀想だっただけなのに。


 少女は自分を抱き締めてただ何度も反芻する。


しかしそこに聞き慣れた声がして、少女はぱっと顔を上げた。


「マリア!……マリー!」


「ダグッ!!」


 暗い木の影から顔を出した少年に少女は駆け寄って抱き付く。


 少年は少女にとって特別な存在だった。


少女がまだ村に来たばかりの頃、周囲の子供達とは時折違う言葉を話し意味が通じない自分自身に作っていた壁を、他人では少年だけがありのままに受け入れてくれた。


少女の言う事を理解しようと努力してみせ、訳のわからない言葉を話しても決して一瞬たりとも少女を奇異な目では見なかった。


そうした少年に少女も全ての心を曝け出し、ある意味では家族以上の存在だったのだ。


 一生懸命に新しい言葉を教える母や父に全てを話せずにいた少女は、故に知らなかった。


教えてくれる言葉以外を外で話したと知った母がどう思うかは。


 だから無邪気にも言ってしまったのだ、ふと思い出したように。


つい一年ほど前まで呼ばれていた自分の、名を。


「心配したよ、マリー。一人で森に来ちゃダメじゃないか。キャスリンも心配してるよ」


 少女はそれにふるふると首を振った。


「ママは怒ってるもの」


「本当だよ、僕の言う事が信じられない?」


 また少女は首を振り、少年は少女を抱き上げてにっこりと笑った。


「ねえ、ダグ。私は『マリア』なの?」


「違うの?」


「わからない。ダグは、どう思う?」


「マリアはマリアだよ。僕の可愛い小さなマリー」


「そう。ならそれでいいわ。……私、ママに謝らなくちゃ」


 少年は頷いてその小さな体を腕から下ろすと、少女としっかり手を繋ぎ森を出て行く。


 入り口で待っていた母親はその姿を見るなり少女に駆け寄って抱き締めた。


「ごめんなさい、ママ」


「いいの、いいのよ」


「ママ、私はマリアよ。そうでしょう?」


「……ええ、そうよ、貴女は私の大事な娘、マリア」


 少年に向けたのと同じ、満足そうな微笑みを少女は母親にも向けた。





 そう、私はマリア。





 ――もう×××じゃなくなったの。







 そして少女は記憶と共に、自分の名をどこかへ閉じ込めた。


固く固く鍵を閉めて、遠い遠いどこかへ。


母を二度と、悲しませない為に。





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