第17話。リアラ国。ダンジョン内、地図。
地べたに這いつくばり、1人の男が筆でメモしていた。
横には大きな紙が置かれていた…。
新国リアラ国。リアラ王女様へ。
ダンジョンの見取り図を制作を致しました。
ウルフ市長より。
これを地図として残しておこう。私は元ンア国の市長である。
そして新国リアラ国の市長に抜擢された者だ。
リアラ王女は偉大なお方だ。
私には何も取り柄がない。だが、こんな私を。
いかん、いかん!そんな話しではない!。
このダンジョン内の地図を制作する事にした。
何せ、これは初の試みだろう。ダンジョンに『国』なのだから。
ひとまず私が把握している、地図を軽く制作した。
始めにダンジョン入り口にある通路に4つの部屋が分かれている。
結構な広さだ。20人は生活出来るだろう。
そして通路を進んだ先には岐路だ。
通路が二筋道(2つ道)になっている。
右の通路は迷路だ。そこから4つもの分かれ道だ。
一つは宝物部屋だが、必要無いからと綺麗に掃除された。
二つは魔物トラップなのだが、魔物が全然いない。
3つは普通の部屋であった。そこも生活出来るか。
4つは二筋道と繋がっていた。当たり前か。
次は左の通路だ。これは長い通路を行く。50メートルぐらいはあるはずだ。
10メートルから途中で広がる通路だ。
幅も広い30人分の肩を並べられる。ここで店を開いても楽しいであろうな。
そして通路30メートルを越えた先に大きな門がある。
この門の先に第一層、上層のボスが待ち。いる訳がない。どこに行ったのだ!?。
さすがはボス部屋だ、普通に1000人は暮らしていける面積がある。
そして第一層のボス部屋をぬけたら、また長い通路だ。先程よりは短い通路だ。20メートルぐらいか?。
そこに休憩場所があった。休憩場所の先に中層に下りる通路がある。
下りるだけでも100メートルはある。上がりは年寄りには大変だろう。
第二層に到着すると第二層の門がある。門を開くとホール並みの広さだ。ここに200人が暮らせそうだ。
そして奥に進むと通路になる。通路にも4つの部屋がそれぞれある。
どれも第一層の入り口にあった4つの部屋と同じ構造だ。
この第二層は単純な構造だ。子供でも迷子にならないだろう。なぜなら、ほぼ一直線だ。
だが、距離が半端ない。200メートルだ。
幅もとんだ広さだ、壁に部屋を並べたら住めるだろう。
そして、その先に第二層のボス部屋だ。
第二層のボス部屋は部屋と言うよりは。
中央に巨大な空洞になってる。石を落として見たが、音が聞こえてこない。
深さは70メートルはあるのか?。
第二層のボス部屋は実に面白い。円になってるからだ。
まぁ中央に空洞になってるから、そうなるか…。
つまり、我々は円をぐると回り第三層のラスボス部屋まで行く事になる。
進むと下りる通路がある。そこから第三層への通路だ。
もう距離を測るのも面倒くさいのだ。
後は若者衆にやらせよう。
下りた先には第一層と第二層の門よりも遥かに大きい門がある。
ここから第三層で最後だ。門を開けると。
我々は驚いた、そこは『庭』になっていた。
広さは測れるものではない。そうだな…3000人は住める広さだ。
その庭はもはやダンジョンとは言い難い。
草木が生え。なぜか『蝶』さえもいる。
中央には巨大な樹木がある。これの伐採を提案したが、なぜか…却下された。
莫大な丸太が手に入るチャンスではないか。
女性陣が特に大喜びだ。ピクニック気分だ。
はて?。私が小さな頃は。今はそんな話しどうでも良いか。
そして庭を越えると、いよいよラスボスに繋がる通路だ。
確か、その通路の奥で水源を見つけたらしいな。
井戸はどうなったのだ?上層まで大変だろうに。
ラスボス部屋は相当な広さだった。
語るのは難しい事だろう。ならば。
うむ、4000人が暮らせる広さだ。
大型の魔物が住んでいたのか?。
さてと…目が痛むから休憩をするか。
このダンジョンはスタンピード以来10年間も誰もが入った事がない。いや2人いたな?。
確か、名前が〜エマ?、マヤ?。弟はマド?、エド?。
うむ!マヤとエド君だったな!メモしとこう…。
するとリアラ民の声が聞こえてくる。
ようやく!上層で部屋が出来たらしい。
次は井戸の開発かしら!少しは楽になるわね。
ウルフ市長は立ち上がり。上層に移動する。
こうしてリアラ国。初の『国ダンジョン地図』が完成した。
次回へ続くよ♪。守り神はマヤに怒られて岩カモフラージュになっていた。
第18話。自給自足を始めましょう。