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空っぽのひとりごと。

ああ、今日も同じ朝だ。

目覚まし時計のけたたましい音に起こされて、夢と現実の境目で数秒もがく。

薄暗い部屋の天井を見上げて、また一日が始まるのかと思うと、どうにも重たい。


なぜこんなにも疲れているのだろう。

寝たはずなのに、頭がぼんやりしている。

これが、心の疲れってやつなのか?

だとしたら、いつになったら治るのだろう。


「頑張れ」って言葉が嫌いだ。

その響きは優しいふりをして、時に鋭く刺さる。

それを言う人たちには悪気がないのはわかっている。

でも、何をどう頑張ればいいのかわからない日もあるんだ。


朝から晩まで仕事をして、疲れ果てて帰ってきても、

家の中には「誰もいない」が、ただ待っているだけ。

冷蔵庫を開けても、食材は乏しいし、料理する気力もない。

結局、インスタント食品に手を伸ばして、自分の体に負ける。

栄養も心も足りないまま、ただ生きているだけ。


街を歩くとき、ふと人混みの中に紛れてみたくなる。

自分がここにいる証拠が、誰の目にも映らなくなる瞬間を探している。

「誰か気づいて」と願う自分と、「誰にも気づかれたくない」と思う自分が、

ずっと喧嘩してるみたいだ。


周りの人たちはどうして、こんなに堂々と歩けるんだろう。

何かを成し遂げたわけでもなく、ただ日常をこなしているだけなのに、

彼らの背中はどうしてこんなにも強く見えるんだろう。

それとも、みんな心の中では同じように不安を抱えているのだろうか?


もし、「大丈夫?」って誰かに聞かれたら、

私はきっと「大丈夫」って答えるだろう。

それが一番簡単だし、それ以上話を広げたくないから。

でも、本当は言いたいことがたくさんある。

ただ、その言葉を見つけるのが怖いだけだ。

自分でも整理できていないこの気持ちを、

誰かに晒してしまったら、もっと傷つくかもしれない。


窓を開けると、冷たい風が頬を撫でていく。

空は曇っているけれど、どこか遠くに青空が隠れている気がする。

見えないだけで、きっとそこにある。

そう信じていれば、少しだけ救われる気がするんだ。


今日も特別なことは何もない一日だ。

でも、それでいいのかもしれない。

平凡な毎日を積み重ねる中で、

いつかこの重たい心が少し軽くなる日が来るかもしれないから。


そして、その日が来るまでは、

こうして一人で、ひとりごとを紡ぎ続けるしかない。

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