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スレ主がダンジョンアタックする話  作者: ゲスト047562


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第47話 続・吸魔の墓B1

「とりあえず、わたしが良しと言うまでマジックスキルと纏魔気鱗、極光星鎧の使用は禁止。普通のコモンスキルのみで戦ってもらう。そもそも吸魔の墓の特性上、マジックスキルの連打は控えるべきだけどね」


「素の身体能力だけで戦うって事ですかね」


「その通り。正直、君にこのダンジョンは役不足だ。だが、練習台としてなら丁度良い。コアモンスターも豊富にいるからね」


“三つ星ダンジョンが練習台って”

“改めてやべえなこの戦力”

“たった2人でトップパーティの座を掴んでいた不動の立場が…w”

“鬼に金棒じゃなくてユグドラシル持たせてる”

“草”


「それに、さっきは誰もいなかったから良かったものの、近くに人がいれば巻き込んでしまう恐れもあるからね」


「あ、そうですね。分かりました」


言われてみればそうだ。俺達以外のダンジョンアタッカーだって、まだこの層を探索してる可能性も考慮すべきだよな。迷宮型は、他の人が近くにいる事も考えて動かないと駄目だな。

気持ちを新たに、装備の感触を確かめながら進んでいく。すると、前方から気が飛んでくる。


「ふっ……!」


飛んできた物体をしゃがんでかわし、一足で近付く。待ち構えていたフォグマミーの右胸付近にあるコアを、鉄槌で鎖骨から尾てい骨まで一気に叩き壊す。


“ファッ?!”

“何や!?”

“何か飛んできたと思ったらフォグマミーがバラバラにされてんだが……”

“スロー再生しなきゃ…”


第二射をガントレットで防ぐ。軽い音と共に、飛んできた物体が地面に落ちる。


「……針か。って事は…」


「ポイズンスティングだね。暗がりから毒針を連射してくるから気を付けるんだ。小柄で俊敏だから、普通のダンジョンアタッカーなら苦労するだろうね」


「ありがとうございます先輩」


“サンキュー先輩”

“サンキュー先輩!”

“このダンジョン毒攻撃ばっかで嫌い”


続けて針がライトの届かない暗がりの向こうから飛んでくる。一気に近付こうにも、先程の様にフォグマミーが待ち構えている。苛立ちでマジックスキルを連発すれば、吸魔の墓のせいでマナの枯渇を早めてしまうことになる。


なるほど、確かに嫌なダンジョンだ。コアモンスターしか出ないから、というだけじゃない。不用意にマジックスキルを撃てず、向こうは遠距離から引き撃ちし続ける。こちらはマジックスキル以外の遠距離への対処法を持たないと、ジリ貧になって負けるしかない。三つ星ダンジョンに指定されるだけの事はあるな。


「コレをスキル無しでかぁ」


「難しいかな?」


「いえ、楽しくなってきました」


“イカれてる奴は言うことが違うぜ”

“まあOWあるしいけるやろ”

“OWって何だよww”

“オーバードウェポン、略してOWか”


再びダッシュ。今度は壁を蹴り、フォグマミーの上を抜ける。すれ違いざまに、コアは無いが頭を蹴り砕き、攻撃出来なくしておく。


「スイッチ君、余裕があればオーバードウェポンにマナを流してくれ」


「マナを…?分かりました!」


障害物を越えた先に、子犬程の大きさのコウモリの翼を持った蜂ーーポイズンスティングを見つける。

先輩に言われるがまま、空中でガントレットにマナを流すと、ガントレットの前腕から何かが飛び出した。


「!?これ……」


「放てッ」


咄嗟に、ガントレットを横殴りに振るう。飛び出した得物……マナで構成されたワイヤードナイフが、経路上の壁と敵を斬り捨てた。ポイズンスティングのコアも、その軌道上で切り裂かれる。


“うおおおおおおおお!!!”

“カッケエエエエエ”

“その隠し武器はエッッ過ぎやろ”

“スイッチ は 飛び道具 を 手に入れた!”


「おおおおおおお!!カッコいいいいいいいい!!」


「どうだい?マジックスキルを基盤に開発した、マナウェポンは」


「最高です!!」


“ママー僕もあれほしー”

“それじゃあ五つ星ダンジョンアタッカーになろうねー”

“ハードル高過ぎで草生える”

“良いなー俺も使いたい”


凄い。先輩凄い。興奮し過ぎて、それ以上の言葉が出てこない。こんな武器まで開発出来るなんて、やっぱり天才なんだなぁ。

そりゃそうか。将来ガーランドウェポンズを継ぐか、副社長くらいになるような人だ。格というか……俺とじゃ、住む世界が違うってハッキリ分かる。


「あ、先輩。このダンジョンだと、マナウェポンは使いにくいですね。壁を斬った時に、やっぱり吸われちゃいました」


「それも踏まえての試験であり、特訓だからね。やはり、マナウェポンでも吸魔の墓で吸われる対象になるのか。これは要対処だね。それと、これまでと今の戦いを見て思ったのだが、君はまだマジックスキルを撃ち慣れていないね?」


「え?」


“え?”

“は?”

“あの飛刃が、撃ち慣れてない……?”

“まだ進化出来るの?!”


マジックスキルを……?どういう事だ?マジックスキルはマナと気を使って放つスキルで、マナと気を上手く融合させる事で強くなる…っていうのが、俺の流気眼で視た結論なんだけど…。


「マジックスキルは、マナを集めて放つだけじゃまだ半分なんだ」


「えっと……どういう事でしょうか?」


「マナを集めた後に『どういった形で』放つのか。これが出来て、初めてマジックスキルを扱うジョブは一流と言われるんだ」


“へー”

“知らんかったわ”

“嘘だろ俺半人前だったのかよ…”


「そうなんですか……」


話していると、再生の終わったフォグマミー、それと様々な武器を持った骨だけのコアモンスター、スケルトンが大量に湧き出してきた。


「丁度良い。私がアドバイザーとして実演してみせたいんだが、構わないかな?」


「えっ!良いんですか!?」


“伽藍堂叶の戦い見れんの!?”

“ワクワク”

“伽藍堂シスターが戦う所なんて初めて見るわ”

“めっちゃレアだぞこの配信”

“凄えええ!!先輩そこまでしてくれるのかよ!”

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