第142話 【DAG】収益化記念!ワイの料理の腕前見せたるwww【料理】
「やっほーです、スレ民の皆さん。スイッチです」
“収益化おめ!”
“おめー!”
“おめでとう”
“収益化おめでとう御座います!”
“おっすおっす”
「ありがとうございまーす。遂にmoveでの収益化が通ったので、今回はいつものダンジョンアタックじゃなくて、料理をしていこうと思います」
今は休日の昼間。
料理配信をするなら、それをそのまま昼食にすれば良いじゃない。そんな気持ちでこの時間に始めたが、意外と来てくれてるな。嬉しい限りだ。
「そしてスレで相談した通り、今日はゲストを呼んでおります!じゃあはい、お願いします」
「伽藍堂叶だ。よろしく」
「あまにゃんです!今日はよろしくお願いします!」
「ありがとうございます。なんと、先輩とあまにゃんさんに来てもらいました。パチパチー」
“い、いえーい”
“888888”
“知 っ て た”
“い つ も の”
“準レギュラー先輩”
“自分をゲストだと思っている一般通過先輩”
“美女が野獣”
“何か書いとけ”
先輩とあまにゃんさんが、笑顔で画面に入ってくる。
前回仲の悪さが露呈したこの二人だが、今回はくれぐれも喧嘩しない様に念押ししている。
ぶっちゃけ不安しかなかったが、配信が始まる前から親しげに話してたんだよな……仲直りでもしたのか?だったら良いんだけど。
「今回はこの三人で料理を作っていこうと思うので、よろしくお願いします。因みに、二人は料理とかは?」
「アタシは偶におか……親の手伝い程度には」
“スイッチの手料理!”
“私も欲しい”
“切って焼いて煮てだけしか出来ないとみた”
“一緒に飯食う配信か”
“そういやスイッチの勉強以外の能力は知らんな”
“あまにゃん!手料理!”
“親の手伝いできて偉い!”
「私は専属の管理栄養士が毎日作ってくれていたね。だがモンスターも食材も、切り刻むのに差は無いだろう?」
「あ、経験無いって事ですねー。全部の食材の微塵切りは勘弁して下さい」
専属のシェフがいるのは初耳なんですけど。先輩ってやっぱり金持ちなんだなぁ。あまりに現実味が無さすぎて、ちょっとリアクションに困る。
“先輩はそうやろなっていう”
“もうアカン気がするw”
“ねえ包丁持たせて大丈夫?強度足りる?”
“まな板どころか台所を真っ二つにしそう”
“洒落にならねえからやめろ”
“先輩ちょっと刃物持つの止めてもらっていいですかね”
うん、スレ民も先輩の危険な匂いに気付いてるな。分かってる、俺も先輩に包丁持たせたくないもん。
「はい!今日作っていくのは、野菜の肉と豆腐詰めです!食材をカットするのは俺とあまにゃんさんでやるので、先輩はタネを作ってもらって良いですか?」
「はい!分かりました」
「うん」
「ありがとうございます。それじゃあレーッツ、クッキング!」
“銅鑼の音が聞こえる”
“先輩のうん可愛い”
“うん!?可愛すぎやろ”
“もう今の先輩で満足した”
“お腹いっぱい”
“今日は平和やね”
“いやー楽しかった。解散!”
「おい帰るな。始まったばかりだぞ」
さて、配信前は爆薬の様な扱いを考えてた二人だが、意外と素直に言葉が通じている。
「あまにゃんさん、上手いですね」
「アハハ、ありがとうございます。スイッチさんこそ、凄い手慣れてますね」
“めっちゃ手慣れてるやん”
“スイッチ微塵切りうんま!”
“え、スイッチ凄いやん”
“あまにゃん家庭的だなぁ”
“良いなぁあまにゃんの作ったハンバーグ”
“↑通報した”
“特定した”
“理不尽で草”
“料理中無言になるの分かるわ”
“ファンも普通にいるんかい!w”
玉ねぎと人参、それに大葉を微塵切りにする。あまにゃんさんの手際が思った以上に良くて、つい無心で作業してしまう。
凄いな。簡単な指示と材料だけで、ここまで察して動けるなんて。お陰でスムーズに進んでいる
先輩も自信がありそうだけど、どれくらい出来るんだ?この後実際に見せてもらうので、とりあえず穴が空くほど俺達を見つめないでもらって良いですかね。
「水気を切った豆腐に玉ねぎ、人参、大葉、それとパン粉に合い挽き肉。これ全部を一緒のボウルにシューッ!調味料もここで入れちゃいます。あ、野菜は全部微塵切りにはしないので、少し残しておいて下さい」
「分かりました」
「それじゃあ先輩、いよいよこれを混ぜて野菜に詰めるタネにしていく作業をしていきましょうか」
「分かった。任せたまえ」
“さあある意味一番のお楽しみ”
“大丈夫かな”
“スイッチの手でもコネコネして欲しいの”
“叡智ね…”
“分かる”
“叡智ネキニキもよう見とる”
…………い、意外だぁ。あまにゃんさんに対抗して「自分も包丁くらい扱えるが?全て木っ端微塵に出来るが?」くらい言いそうな先輩が!さっきまで体を貫通しそうな程怖い視線飛ばしてた先輩が!ここまで出しゃばらずに指示に従ってくれるなんて!?
それだけでもう凄い驚きなんですけど。俺の知らない間に何かありました?そのまま仲良くしてて下さいね。
その思いを込めて、先輩にタネの作り方をレクチャーする。
「こうやって全体を混ぜていって……混ざったなーと思ったら、かき混ぜる様に練っていきます。それでこうやって、一口大の大きさのタネを作ります」
「ふむ、なるほど。分かった」
「はい、お願いします。それじゃあ先輩がタネを作ってくれてる間に、じゃん!さっき残しておいたピーマン、玉ねぎ、キャベツです。これにハンバーグを包んで、ロールキャベツみたいにしていくので、その準備しまーす」
“普通に美味そうやん”
“野菜結構使うな”
“まるでふうh…今背筋が凍った”
“玉ねぎをサンドイッチみたいにする奴は何か見た事あるな”
“腹減ってきた……”
“仲良いnゾワっと来た。何だこれ”
“ハンバーグが嫌いな人類なんていません!”
“しっかり野菜を摂ろうという創意工夫を感じる”
“野菜苦手やねん。野菜だけ抜いてくれや”
“↑お前は船降りろ”
「これ俺の家で作ってたメニューなんですよ。野菜もそうだけど、肉が少なくてもボリュームある様に感じるでしょ?これに濃いめのソースで味付けすれば、すぐお腹いっぱいになれる凄い料理なんです」
“お、おう…”
“また闇が溢れてる”
“スイッチの家庭って結構貧乏だったのか?”
“無自覚なんだろうけど重いわ”
“米欄も沈んでて草”
“無邪気かよwww”
“お前もしかして苦労人か?”
「え?苦労……重いですかこの話?家の事情で苦労とかは全然した事無かったですけど、まあ確かに貧乏でしたねー。父さんと母さんは共働きでしたし」
「スイッチ君」
「あ、はい。どうしました先輩」
「炭が出来たんだが」
「何で???」




