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スレ主がダンジョンアタックする話  作者: ゲスト047562


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136/158

第136話 終末点ターミナル駅・3駅目

三駅目に到着する前には、既に敵は俺を待っている様子が確認出来る。


“デッッk”

“は?”

“山みたいな人影がいるんですけど”

“巨人?”

“ヒエ”

“あの。巨大な影がホーム見下ろしてるんですけど”


「オモカゲっていうコアモンスターです。実物を見るとデカいですねー」


先程までのコアモンスター達は、向こうの景色が薄く見える程度だったのが、オモカゲは全然見えない。真っ黒な影が滅茶苦茶に集まって、巨大な人の上半身の形をしている。

さっき戦ったシャドウミストスライムが可愛く見えるぐらいデカいな。遠近感がおかしくなる……。


「……ん?」


人の口がある筈の所から光が……。


「──!?」


咄嗟に伏せた瞬間、紫電が奏でる轟音と共に電車の屋根が消し飛んだ。

鉄が焼ける臭いと熱が、俺を包む。


「【レーザー】!?というかこの距離でもう狙ってくるのかよ!!」


“ぎゃああああああああ”

“車内が吹き飛んだ!?”

“え?”

“アカーーーーーン!!!”

“殺意ヤバすぎやろ”

“電車止まった?”

“撃墜しようとしてる!?”


「マナドローン!望遠モード!」


急いでマナドローンを俺から離れさせる。

ちょっと今はコメント欄を見る余裕が無い。急いで奴の元に行かなきゃ、この狭い足場じゃ逃げ道も無いな。


「……え?電車…」


あれ?さっきまでちゃんと上に向かって動いてたよな?

何か、段々下に……というか落ちていってる感じが……。


「……ゃぁぁぁあああばあああああああいッッ!!!?」


間違いない!落ちてる!落ちてる!!

踏み締める度に心許なくなっていく車両を、先頭に向かい全力でダッシュ。その間にも、【レーザー】が俺目掛けて放たれ、後続の車両がどんどん撃沈していく。


「急げええええええええええ!!!」


“やべええええええええ”

“やばいやばいやばい”

“スイッチがここまで必死なの珍しいな”

“まあ落ちたら=4ですし”

“早よホーム行け!”

“ドローンに望遠モードなんてあるんだ”

“電車落ちてる!!?”

“急げ急げ!”


助走十分で先頭車両に着き、そのままホームに向けてジャンプ。

それを待ち構えていた様に、【レーザー】が空中にいる俺を狙ってきた。


“あ”

“おわ”

“え?”






「【飛刃・破竜槌】!!」


逆V字の刃が光を縦に切り裂き、オモカゲの上半身を両断した。


“うおおおおおおおおお”

“しゅ、しゅげえええええええ”

“脳汁やばいだろこれww”

“今破竜槌って言ったか!?”

“序盤からずっと活躍してくれてる飛刃さん!!”

“破竜槌!?”


よし!障害は消えた!これで後はホームに行くだけ!


「手が届、く…!」


スカッ


「あ」


僅かな。ほんの少しだけ、ホームの端に手が届かなかった。

眼下に並ぶ廃墟達が、俺を引き摺り込もうとするかの様に、身体が落下する。


「ああああああああああああああウィィイイイイイイイイッッップ!!!?」


ポーチから取り出したオーバードウェポン、鞭にマナを送り、ホームに向けてガムシャラに振るう。

鞭の先端はぐんぐん伸びてホームの底に突き刺さる。落下の勢いが横へ変動し、ターザンロープみたいにホームの下を潜っていく。


“うるせえ!”

“タマヒュンした”

“急に煩いわボケナス!!”

“鼓膜壊れた”

“絶叫系配信者?”

“落下ガチで怖い”

“ミュートしました”


「せいっ!」


勢いを加速させ、何とかホームに着地。

せ、セーフ!!オモカゲがまだ再生中で良かった。あそこで狙われてたら、もっと危なかった……。

チラリと背後を見れば、電車の姿はもう無かった。後一瞬遅かったらと思うとゾッとするな。


「やってくれたなクソが……」


“お口が悪くってよ”

“破竜槌って何ぞ”

“急に◯意バキバキじゃん…”

“対モンスターモードのスイッチはガチだからな”

“初見だがこんな怖いのかこの人。大丈夫か?”

“スイッチはモンスターと戦う時は大体こんなのだぞ”

“まんまの意味やで”

“破竜槌は個人が使った最大火力兵器だよ。羽場童剛が使って、一週間休養取るレベルにはぶっ壊れ兵器”

“簡単に言えばGWが最初に作ったお馬鹿兵器。竜の頭を打ち抜いた事から付けられた。まあそれでも竜を◯せなかったんですが”

“草。いや草じゃないが”

“やっぱダンジョンやべえわ”


え?あの技そんな逸話あったの?俺数多さんにジャブ感覚で打たれたんですけど。

オモカゲが再生を完了し、巨大な腕を振り下ろしてくる。

巨大な質量の塊が降ってくる様は圧巻。まるで空から暗闇が押し寄せるかのようだ。

だが、《《それだけ》》だ。


「ふんっ……!」


巨大な手を片手で受け止める。ズシリと重い感触と共に、自分の立っている地面が凹む。

押し合いを続けようと更に圧力をかけるオモカゲに対し、俺は静かに【纏魔気鱗】を纏った。


「【吸魔】」


オモカゲの身体が一気に薄くなり、マナで構成された手を掴む。

そして、その腕を力付くで捥ぐ。


「──ッ!!?」


声にならない咆哮と共に、オモカゲが巨体をぐらつかせる。

うーん、口も無いのに何で叫んだり出来るんだ?そもそも、モンスターに神経とか内臓は無い筈なんだけどな。こういう痛がるリアクションは反射的にやってるのか?幻肢痛みたいな。


“うおおおおおおおお”

“腕がもげたwww”

“オモカゲって三つ星モンスターなんですけど……”

“いや今更三つ星モンスターが相手になるレベルじゃないだろ”

“何度も言うがオークキングを倒してる奴だぞ”

“パワーでゴリラに対抗しようとする方が悪い”

“レーザーを遠距離から連射してれば勝てたのに…”

“勝ててねえじゃねえか”

“正論ロボット負けてて草”

“どんな正論も圧倒的な暴の前じゃ無力よ”

“暴力讃歌やめーや”

“嫌なら抗えばいいのに…”

“暴論ロボット?”

“ロボット?贅沢な名前だね!あんたは今からbotだよ!”

“草”


「さあ、そろそろ反撃させろよ。俺の新スキルの実験台になってもらうからな」

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