表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最上くんは3周目  作者: 伊福部ゴラス
9/37

第9話 最上くんは新しいことがやりたい

がみくん、大丈夫?」


 日が延びて、午後五時をすぎても日差しはまだ強かった。


 あしフミカは日焼け止めクリームを塗りたくっていたが、連日の部活練習のため肌は小麦色に焼けていた。


「……大丈夫……だよ……なんで?」


 フミカの隣で自転車を押しながら歩く最上ガモンは、げっそりとして辛そうだ。


「なんか、具合悪そうだよ」


「夏バテ気味で……暑いのがちょっと苦手なんだ」


「そう。気をつけてね」


 最上の顔色は、フミカとは対照的に、青白かった。


「そういえば最上くんって部活、入らないの?」


「ああ……まだ検討中」


(検討中って……もうすぐ夏休みになっちゃうけど)フミカはおもった。


「小さいときとか中学生のとき、なんかやってなかったの」


「えーと、いろいろとやったよ。たとえば──野球、サッカー、バスケ、剣道、柔道、ボクシング、相撲、水泳、書道、そろばん、ピアノ、絵画、手芸、フラワーアレンジメント……うーん、あとなんだろ? ちょっといま思い出せないけど、それ以外にもいろいろ」


「そ、そうなんだ。すごいね」


「なにか新しいことやりたいんだけど、なかなかなくて」


「……だろうね」


 ──最上くんはやっぱり人生三周目なのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ