第一話 いつもの休日と邂逅
俺、西方拓海は田舎の工場で働く25歳のサラリーマンだ。
趣味はインターネットとアニメとカラオケ。ほかにもなんかいろいろと趣味を探したりしてたけどあまり長く続かなかった。俺自身の性格と田舎ということ相まって、あまり友達も多くない。というか友達は割と都会に行ってたりする。
今日は休みで何するか考えていたんだけど、特に予定がなかったので、車を走らせているところだ。
「ひまだ~。ふふふん…」
男一人のドライブだしこんなこと言ってても誰も怒らないだろう。
「どこいくかな・・・」
特に行く場所を決めているわけでもない。ただ何となく家で引きこもっているのが嫌だったから外にドライブに出ているだけだ。
「あ、そういや春物の服で新作出てたな・・・見にだけ行くか・・・」
休日はいつもこんな風に思い付きで行動して少しお金を使ってストレスを発散している。仕事自体はきつ過ぎるわけでもないがそれでも溜まるものは溜まる。
何となく行き先が決まったので進路をそちらの方に変える。行き先は県外の大き目のショッピングモールだ。そこに行けば大体のものは揃う。
「っつっても大体行く場所はそこになりがちなんだけどな」
お気に入りの曲を集めたプレイリストをBGMとして流しているが何となく違う気がしたから次の曲に変える。
そんなこんなで一時間程ひとりごとを言ったり、考え事をしたり、曲を聴いたりして目的地に到着する。
「やっぱ人多いな・・・」
比較的車が少ない駐車場に車を駐車しエントランスを潜り、少し人よりも速いペースで歩きショッピングモールのマップの前まで行く。
「さてっと、フニャクロはどこかしらっと」
大手ファッションブランドを探し当て、そこに向けて歩を進める。到着した店には人が多く、何となく入る気も無くすが、ここに来る目的でドライブしてきたので入らないのはどうか、と店内に入る。
「んーーー・・・・普通・・・・・」
店内を回りながらサラッと売れ筋の商品や新作を見ていくが、取り立てて欲しい商品がない。
「・・・まぁ、そんなもんか」
特に何も買わず店内を出てモール内を歩いていると映画館を見つける。張り出されているポスターには見覚えのあるキャラクターが大きくプリントされていた。
「あーー。そういや新作出てたな」
昔、映画を趣味にしようとして見漁っていた頃に面白いなと思った作品の新作を見つけた。映画館に入り上映時間を見ると、上映まで少し時間があるが昼食を取っていたらいい時間になるだろうと考え、席の予約をし映画館を出る。
「ま、喫茶店でいいか」
昼食は何でもよかったから、モールの中にある喫茶店に入りオムライスを頼む。
まぁまぁかな
物凄く失礼なことを考えながら食べ終え、上映時間までスマホを見て時間を潰す。
「そろそろかー」
上映時間の五分前になったので、重い腰を上げ会計を済ませて店内を出て映画館に向かう。コーラを買い券を渡してシアターに入り映画の世界に入り込む。
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上映が終わり、見ていた客がシアターから出ていく流れに乗ってシアターから出る。友達と鑑賞していた人たちが口々に感想を言い合う姿を横目に、一人つぶやく。
「うん。面白かった」
時間を確認すると夕方ごろだったから夕飯を食べて帰るか。と考えながら駐車場に向かう。
趣味の合う友達がいたら誘ってたかもなーーー。
先程の映画のシーンを思い出しながら一人考え事をしながら歩く。今いる友達に不満があるわけではない。ただ学生時代からの友達であるから趣味がすごく合うとかではなかった。さっきの友達同士で見ていた人のように趣味の共有したり語ったりしたいと思ったことも一度や二度じゃない。
まぁ完全に合わないわけじゃないけどさ・・・・
エントランスを出て、駐めてある車を目指すして歩く。歩いていると駐車場の端の木が植えてある辺りから、ガサッという音が聞こえた。
ん?なんか落ちた?
いつもなら気にも留めないようなことだが、音が大きかったこともあり、気になってしまったから音がした辺りの木に近づいてみる。
たぶんこの辺りだと思うけど・・・・猫かなんかかな?
音の正体を探し、駐車場のアスファルトから出て、定期的に整備されていそうな芝の上を木に向かって歩いていく。そして見つけた
「・・・え?」
思わず声を上げてしまった。そこまで大きな声でないにしろ、周りに人がいれば振り返られていただろう。端っこの方で助かった。
「んぅ・・・な・ん・・・です・・・??」
俺を驚かせた正体がむくりと体を起こし始める。
それは白だった。
白い修道服。ベールからは白っぽい銀色の髪。絹のように真っ白な肌。顔立ちが整っておりアイドルかコスプレイヤーかと思わされるような少女だった。
外見でいうと見た目はおそらく16~19くらいだろう。なぜそのような少女が、こんなところで先程まで横たわっていたかは不明だが、何かしらの理由がありそうだ。事情を聴くべきか?それとも釈明をするべきだろうか。こんなかわいい子と一対一なら何かしら疑われてもおかしくはない。というか声をかけていいのかこれ?そもそも日本人かすら怪しい。髪を染めそうなタイプにも見えにくいし日常的にコスプレをしているタイプにも見えない。言葉通じるかな??え、これどうすれ
「あ・・あの~・・・・・?」
「ひっ!?」
少女からおずおずと尋ねてくる。そこで初めて俺は少女と目を合わせてしまった。びびりながら。
これが俺と聖女との出会いだった。
はじめまして。作者です。
初投稿なのですが、もともと国語とか文系の成績はくっそ悪かったんですけど小説とか読むのは好きだったので、なんかぼーっとしてた時に降りてきたネタを書いてみようかなって思って投稿させていただきました。
よろしければ温かい目で見守ってやってほしいです。よろしくおねがいします。
書くのって楽しいけど難しいね。