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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

あらすじだけ企画参加作品

悪役令嬢は『いいね』が欲しい! ~炎上アカウントの中の人だと誤解を受けて婚約破棄された令嬢が、平民のフォロワーと二人三脚でインフルエンサーになるまで~(短編化)

作者: 三羽高明

 この小説はとびらの様の『あらすじだけ企画』参加作品です。本文にはあらすじしか書いておりませんので、ご注意ください。

 念写した風景にコメントを添えて他者と共有できる魔導書を使ったMNSマジカル・ネットワーク・サービスが大流行する王国。特に貴族の間ではMNSでの人気、つまりフォロワー数や投稿についた『いいね』の数がステータスの一種となっていた。


 ある日、貴族令嬢リタはふとした事で『悪役令嬢R』という炎上アカウントを裏で運用している疑惑をかけられる。それは誤解だったが、流言が飛び交い、悪評が立ったリタは婚約破棄される。


 リタは噂はデタラメだと主張し、元婚約者のロジャーに抗議した。彼はそれに対し、リタが新しいアカウントで一万いいねを取れば関係を修復し、かつ悪役令嬢RがリタではないとMNS上でコメントしてやろうと言い放つ。


 端から無理だと決めてかかるようなロジャーの傲慢な態度にリタは不快感を覚えるが、MNSでの知名度が高い彼の発言力以外に今は頼れるものがなかったため、渋々その提案を受け入れる。


 だが、MNSでの投稿内容が不人気分野のハンドメイド作品ばかりのために貴族でありながら一度もバズった事のないリタには、どうすれば一万いいねを取れるのか全く分からなかった。


 途方に暮れる中、やって来たのはリタの数少ないフォロワーの一人、平民のケントだった。


 ケントはリタを心配しており、彼の優しさにリタは好感を覚える。


 ケントはリタの事情を知ると、一万いいね獲得に自分も協力すると言い出した。いつもリタの投稿に元気を貰っているから、その恩返しがしたいそうなのだ。


 ケントの勧めで、リタはインフルエンサーである教会に仕える聖女、レジーナの元へ赴き、彼女からいいねを獲得するコツを聞き出す。


 アドバイスを受けたリタは、過去の流行りを調べたり、次の流行を探してケントと出かけたりする日々を送るようになる。


 だが、悪役令嬢Rと見なされているリタは行く先々で白眼視され、嫌がらせをされる事に。


 そんなリタをケントは庇ってくれ、リタは次第に好感以上の感情を彼に抱くようになる。


 一方のケントも、逆境にもめげないリタの逞しさに惹かれていくのだった。


 そんな中、二人は遂に次の流行が星形のコースターつきの虹色のジュースだと結論付けた。飯屋の息子のケントと手先が器用なリタはそれぞれの得意分野を生かし、バズるジュースの開発を始める。


 そうして出来たものを新しく作ったMNSのアカウントに載せ、ユーザーの反応を観察し、改良点をレジーナから聞いて試行錯誤を繰り返す事で、投稿につくいいねは確実に増えていった。


 その間にも二人の距離は縮まるが、身分差やリタとロジャーが元鞘に収まる事を考えて、特にケントの方が決定的な仲になる事を拒んでいた。


 そうしている内に、投稿が遂に一万いいね獲得目前となる。次回には目標に届きそうな数値だ。


 だが、その後に来る別れを考えて二人は複雑な気分になる。

 

 そんな折、二人がいつも使用している厨房が荒らされる事件が起きる。


 それだけではなく、悪役令嬢RがMNSに、二人が作った虹色ジュースには禁制品の薬品が使われているとコメントしているのを発見してしまう。そのせいで、二人のアカウントは大炎上した。


 悪役令嬢Rの虚偽の発言に憤るリタだったが、ケントは落ち着いていた。彼は悪役令嬢Rの投稿内容から、その正体を見抜いていたのだ。


 それに加えて、厨房に置きっぱなしになっていた、時間差で風景を写し取る事しかできないケントの旧版の魔導書には、ある念写が残されていた。レジーナが厨房を荒らしている光景だ。


 また、彼女が悪役令嬢RとしてMNSに投稿をしている様子も記録されていた。


 二人はそれらの念写をMNSに載せる。ちょうど二人のアカウントが注目されていた事もあり、それは瞬く間に拡散し、あっという間に一万いいねを超えた。


 後に判明した事実によると、レジーナが悪役令嬢Rの裏アカウントを作ったのは、インフルエンサーとしての人気を保つ事へのストレスからだったらしい。


 リタたちに手を貸したのは、援助を断ると自分の評判が落ちるかもしれないと判断したためだった。


 だが、二人の投稿が徐々に耳目を集めていく様に、いつか自らの地位が脅かされるかもしれないと感じ、今回の凶行に及んだのだった。


 全てが明らかとなった後、レジーナはMNSのアカウントを削除し、教会からも破門され、表舞台から消え去った。


 騒動が収まった後、インフルエンサーの裏の顔を暴いたとしてリタは一躍時の人に。ロジャーから再婚約の打診も来た。


 だがリタは、MNSで自分より多くのいいねを取ればその話を受けてやろうと意趣返しして彼を拒絶し、ケントに愛を告白。リタを諦めきれていなかったケントは、驚きつつも喜んでそれを受け入れた。


 娘の汚名を雪ぐのに協力してくれたケントとの恋をリタの両親も認め、二人は正式に婚約を結ぶ。


 その後、MNSに投稿された二人の結婚式の様子は何万ものいいねがつき、王国では貴族と平民が結婚する事が新たな流行となったのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルからしてドロドロゴタゴタが予想されて、これ絶対面白いやつやと思いました。 リアルだと「いいね!」だけを求める姿勢ってひたすらに不毛なのですけれど、創作物として読むには面白いですね。…
[良い点] タイトルからすでにキャッチーで、絶対に話題になりそうな作品でした。リアルの動きと掲示板的なデジタルテキストとが混在しながら進行するストーリーは、展開こそ王道というか想定通りといったかんじで…
[良い点] 人の関心を集めるべく、華やかなものを追いかける明るくかわいい話がたくさん出てくることになるのかな~ 魔法のある世界なら登場するバズり狙いのアイテムはかなり目を引くものが登場しそう。 ~ち…
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