夢の始まり
どうもお久しぶりです。狛太郎です。
今回の本文は少ない上に、内容が薄いと思います。最近サボり気味だったうえに、色々用事がありまして…。ですが、いい感じに投稿はしたいなぁとか思ってる自分がいたので、ちょっと少なめで今回投稿しました。…これからは、頑張ってやります…。
そうだ!あと、ツイッター始めたんですよ!https://twitter.com/GTA6RRVZDqqMsWC
このURLで大丈夫か正直分からんのですけども、多分大丈夫だと思います。自由気ままに投稿してるんで、フォローしてくれたらうれしいです!
では本編どうぞ~
「それじゃあ行ってくるわね。なるべく早く帰ってくるから。」
「はい。お待ちしています。姫様の部屋には誰も通さないよう言っておきます。」
ルシルス、遊楽、優華はミルと別れとうとうルシルスの夢を開始した。
「そういえば、どこから出るの?」
「思い切って正面玄関から。」
「でも、それでは見つかってしまいませんか?」
「こういうのはこそこそしてる方が見つかりやすいってものです。」
「そうでしたか。私はまだまだ未熟ですね」
ルシルスはポケットから小さいメモのような冊子を取り出し、今の言葉を書き込んだ。かなり勉強熱心なようだ。この世界にも学校はあるらしいが、ルシルスの場合は教師を呼んで授業を受けているらしい。本人としては通学して授業を受けたいらしいが、立場上そうもいかずこれも我慢している。裕福だからと言って、幸せな生活を過ごせるとは限らないという事らしい。
城の出入り口付近まで寄った遊楽は、優華とルシルスに耳打ちをした。
「優華はまぁ大丈夫だろうけど姫様はあんまりきょろきょろしたり、挙動不審にならないようにしてください。堂々としていれば案外何も言われないもんです。」
「わ、分かりました!」
「いいや、まだまだ固いよ~。こうもっとにぃって。」
優華はそう言うとルシルスの頬を横に広げ、強制的に笑顔を作った。その笑顔は優華が作った不格好な物でも、かなりの笑顔だった。
「優華、姫様なんだからそういう事をするのはどうかと思うけど…。」
「いえ、気にしないでください。こうやって親しげにしていた方が、いいのではないのですか?私も人との関わりは嫌いじゃありませんし。」
「そうそう。遊楽君の方が固いんじゃないの?」
「そりゃあ神経質にもなるよ。一回死んでもおかしくない事やらかしてるし…。でも、そうかも。固く考えすぎてるのかもかも。ふぅ…。それじゃあ行きますか。」
遊楽達は再度足を進め、出入り口を通過した。もちろん来た時と同様に兵士は居るが、特に呼ばれることがなければ、ボディーチェックをされることもなかった。しばらく歩いた先ではルシルスが興奮のあまり少しばかり笑っていた。その笑いは一国の王女の笑いではなく、1人の女の子の笑いだった。
「それじゃあまずは防具を取りに行くついでに、街を見ますか。あぁ、それと姫様の偽名を考えましょう。さすがにそのまま呼んでいたらばれますから。」
「偽名、ですか。考えさせてください。うーん…」
名前だけとは言えど、何かを偽ることに抵抗はないのかと遊楽は疑問に思ったが、この際それはどうでもよい事だった。
しばらくすると、ルシルスが遊楽と優華の服をクイッと引っ張った。それに吊られ2人はルシルスの顔を見る形になった。
「決めました。安直ですけど、ルーシーなんてどうでしょうか。単純すぎますかね…?」
「いや、大丈夫じゃない?それぐらい普通の方が溶け込めると思うし。私は大いに気に入ったよ!」
「ですよね!…そうだ遊楽さん。」
「はい?」
「そろそろ敬語は止めてください。今は仲間なんですよ?私が敬語を使う分には周りから見てもあまり違和感はないですが、さすがにこの身長差で男性が敬語を使っていたら不思議に思うでしょう?そしたらばれてしまうかもしれません。」
「確かにそれは一理ありますね。それじゃ、敬語は止めるよ、ルーシー。」
「はい、それでいいんです。」
こうしてルシルス改めルーシーは、街の様子を見始めた。
街の店の説明は、好都合なことに大体トリンが教えてくれたところと似たような店ばかりだった為、困ることはなかった。知らずとも、店の看板、内装、雰囲気で大体は
遊楽が分かっていた。今のところ店の雰囲気はゲームと同じような感じだ。今まで予想外な店主がいたり、思いがけない村などもあったが、大体は一緒だ。さらに、優華は多少とは言え漫画の知識もある。2人の知識を兼ね揃えればある程度の山は切り抜けられるだろう。
街では、なるべく長い時間かけてルーシー(ルシルス)が見れるように時間を割いていたが、時々勘の鋭い店主がおり、少々疑い気味な顔で睨んでくることがあった為、十二分には見れていなかったかもしれない。しかしこれまた幸運なことに、理由は分からないが興味を示していたのは主に武器屋、防具屋だった。それならば武具店を見せたほうが早いと説得し、一目散にカレンとユリナの店へと向かった。
店の前にたどり着くと、そわそわしながらルーシー(ルシルス)が足踏みをして、今か今かと待っていた。周りにあまり一目がないことを一応確認した遊楽は扉を開け武具店の中へ入って行った。
中にはカレンが机で本を読んでいた。本と言っても、遊楽が荒太から受け取った設計図だ。
遊楽達に気づいたカレンはその場で立ち上がり、挨拶をした。
「いらっしゃい、ませ…。あ、遊楽、さんと、優華、さんと、っ!知らない、人…!」
立ったものの、ルーシー(ルシルス)の姿に気づいたカレンは立った時のスピード以上で机の後ろに隠れてしまった。初見の客には人見知りが盛大に炸裂するようだ。
そこで、少しは落ち着けるように遊楽は紹介を始めた。信用できる人物とは言え、正体は隠したままで。
「カレンさん、こちらルーシーさん。仲間です。心配はいりませんよ。」
「こんにちは、ルーシーです。えっと、カレンさん?お店の中を見て回ってもよろしいですか?」
その質問にカレンは机の後ろで戸惑っていた。
「えっと、その、待って、ください…。お姉、ちゃんを、呼んできます…。」
そう言い遊楽が訪問したとき同様に廊下の奥へと駆けて行った。その間に遊楽はユリナとカレンの簡単な紹介をした。人見知りが激しいことも含めて。
その説明に納得したおかげで、なぜあそこまでカレンが怯えていたのか理由がわかったようで、「なるほどー」と声を漏らしていた。
奥からユリナとカレンが一緒に出てくると、その手にはホルスターに収まった一丁の拳銃と、装備一式が目に入った。装備一式は色と様子から、優華の物だと判断できた。
「とりあえず、優華さんの武具一式は完成しました。遊楽さんのは、もう少し待っててください。代わりと言ってはあれですけど、あの『じゅう』?の試作品は作ってみました。どうですか?」
ユリナは遊楽にホルスターごと拳銃を渡した。銃初心者の遊楽には細かい装飾は分からないが、これがかなりの出来だということはすぐに分かった。
「試しとかが出来る場所とかってありますか?こう、武器の試験部屋みたいな感じの。」
「それなら地下にあります。カレン、案内お願いできる?」
「う、うん…。それ、じゃあ、ついて来て、ください…。」
「ルーシーはここで優華と待ってて。冷もね。何かあったらすぐに来て。」
遊楽は忘れるほどに頭になじみすぎている冷にもそう言い渡た。すると冷はすんなり頭から降り、ルシルスの元へと向かった。どうやら警戒は解けたようだ。
「分かりました。」
こうして、遊楽とカレンは、地下の演習場へと向かった。
そしてユリナは特に2人を、主にカレンを見守ることもなく優華に装備の説明を始めた。
「とりあえず動きやすいように、下半身はズボンを基調として作りました。でも、見た目的に華を持たせたいって思ったので、周りにはスカートもどきを付けときました。戦闘に支障は出ませんよ。上半身は、元から優華さんが来てるその変わった服を参考に作りました。前はボタン留めにてます。腕は伸縮系の素材なので、腕が曲がりにくくなることもないと思います。近接戦闘に適してます。どうですか?」
「非の打ちどころが無い出来ね。…これ一回言ってみたかったんだ。頭いいみたいじゃない?」
「そ、そうですね。」
ユリナは苦笑いではあったが、笑いながら返答した。そして、話を続行した。
「これで大丈夫でしたら、そっちの部屋で着替えてきてください。大きさの確認もしたいんで。」
「へーい」
言われるがままに優華は部屋へと移動し、着替え始めた。
防具はメインに黄色、サブに黒色を多く使っている。この世界では違和感がないのかもしれないが、地球人目線から見たらアイドルの衣装のように見えないこともなく、正直なところ優華は少し抵抗があった。普段は明るく振る舞っているが、流行や可愛いものに関心があまりないため、このような装備にも抵抗感があった。しかし、心の底ではかなり気に入っており、すんなりと着用した。
防具の中には、手首まで覆うようなグローブが入っていた。それが何か分からない優華は、とりあえず服だけ着用し、外に出てお披露目した。
その姿に真っ先に反応したのはユリナだった。
「かなりいい感じに出来たな、よしっ!着心地はどうですか?」
「違和感なさ過ぎて怖いぐらい。あと、この手袋みたいなのなーに?」
「それは指出しの籠手兼武器です。それにただ単に魔力を籠めれば、手の甲辺りから魔力の剣が出てきます。魔力の流し方次第では、鉤爪にもなります。少しコツがいるんですけどね。優華さんも試場行きますか?」
「しじょう?」
「あぁ、試験場です。一応もう1部屋あるんで。その籠手の性能も自分で見ておきたいので、行くって言ってもらえるとありがたいんですけども。」
「じゃあ行く。」
「是非私も行かせてください。」
「もちろんです。ルーシーさんでしたっけ。かなりいい装備ですね。今度見させてください。」
「は、はいっ!」
こうして結局3人と1匹を試験場へと向かって行った。その前にユリナは店の入り口に休憩中と書かれた看板を立て、鍵をかけた。
ユリナが先導して連れて行った部屋は遊楽たちが向かった方向とは違う方向だったが、結局地下へと向かって行った。
一方、遊楽とカレンは武器試験の準備に取り掛かっていた。カレンは標的となる巻藁の準備。遊楽は弾の装填などを行っていた。
数か所にばらけて巻藁をセッティングしたカレンは、緩い駆け足で遊楽の元に寄った。
「準備、でき、ました…。遊楽、さんは…?」
「こっちも準備万端。…そうだ、カレンさん。この耳栓つけておいて。未使用だからきれいなはず。この武器って結構大きい音出るからしといたほうがいいと思います。」
カレンは遊楽から両耳分の耳栓を受け取り、いわれるがまま耳に嵌めた。
「それじゃあ、行きます。」
遊楽は始める前に一言カレンに言ったが、耳栓を付けているので、一応ジェスチャー付きで知らせた。それに対してカレンは無言で縦に頷いた。
遊楽は両手で銃を構え、安全装置を外し狙いを定めて、弾を発射した。弾は無事に発砲され、巻藁に見事に入り込んだ。しかし、予想していたよりも小さい音で。気になった遊楽はカレンに説明を求めた。
「あの、設計図、に、消音の、魔方陣、が、書いて、あったから、内側に、書き込んだ、って、お姉ちゃんが、言ってました…。」
「そりゃあありがたい。これにサイレンサーとかつけたら本当に無音なんじゃないか…?使う事がないのが一番だけど。」
「あ、あの…!そんなに、強い武器が、あるなら、魔法、使わない、んじゃないですか…?」
「これはあくまで保険ですよ。魔力切れの時とかに使おうかなって思ってます。」
疑問に納得がいったカレンは頷きながら次の巻藁の準備に行こうとした。しかし、遊楽はそれを止めた。これ以上試験をしていれば、街の外へ向かっている時間が少なくなってしまうからだ。しかし、その理由は口にはしなかった。そのため、2人は発射した弾、標的となった巻藁の片付けを始めた。
片付けが終わった2人は、店のカウンターまで戻って行った。
ミル「姫様。今回は私たちが次回予行の様です。」
ルシルス「そうみたいね。楽しみだわ!」
ミル「それでは次回予告です。次回はとうとう街の外に出るそうですね。」
ルシルス「あれはとてもいい体験だったわ。楽しかったし!」
ミル「ですが、帰りに何か問題があったようですけど…」
ルシルス「ぎくっ。…それは次回のお楽しみよ。それはそうと、作者がついったー?を始めたみたいね」
ミル「作者曰く、ふぉろーしてくれ~だそうです。そのふぉろーとやらをしてあげてください。それでは姫様、締めますよ」
ルシルス「分かったわ。せーのっ」
ミル&ルシルス「「次回もお楽しみに!」」




