ガキ
「いいよ」
そう言った後、そのガキも僕らの仲間に加わって、一通り自己紹介が終わって、バルカンも部屋の中に片づけて、まあ、バルカンを間近で見た時もさすがに本物だとは思ってなかったみたいだけど、それで、一通り落ち着いた時に、ガキはトイレに行くと言いだした。
「トイレ、行ってもいい?」
「別に行きたきゃ行けばいいよ。もうお前ん家でもあるし。好きなようにしなよ」
わかった。と言ってすたすたトイレに向かう。
がちゃ
「なあ、あいつは、巻き込まないようにしような」
じょぼぼぼぼぼぼぼぼ
「ああ、わかってるよそんぐらい」
ぼぼぼぼぼぼぼ
「でも、僕が許可したはしたんだけど、お前はいいの?」
ぼぼぼぼぼぼ
「ああ。いいよ。まあ入れるに足る何かがあったんだろう、しな」
ぼぼぼぼ
「お前も、僕の事がよくわかってきたじゃないか」
「しね」
ぼぼぼ
「にしてもあいつ、出すなあ…」
がしゃ
じゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
「ちょっと、これ、あれ、ドアが、開かない」
「あーごめん、そのトイレ、壊れまくってるんだわ」
悪い悪い…といいながらトイレに向かうあいつ。
まったく、どうしてここのトイレはあんなに壊れてるんだろうか…直す気もないみたいだし…
でもあいつがガキにトイレの使い方を教えてるところを見ながら、なんだかあいつは優しいなあなんて僕は思ったりした。
「さて、トイレの事件も無事片付いた所で…」
カーテンは全部開けた。ソファーにもちゃんと座った。飲み物も飲んだ。トイレにも、行った。バルカンも部屋の中。
僕らは万全の状況で、ぶらり途中任務の旅に出ようとしていた。
「昨日、」
あいつの黒いゴーグルが、ひかった。
「警官に、通報した奴だ」
ごくり。僕たちは息をのむ。
「復讐だあああああああああああああああああ」
「うおおおおおおおお」
「うおおおおおおおお」
「……」
「ん?なんだガキ?何か重要な見落としが・・!?」
「いや、ガキのすることでしょ。」
このときがガキが一番ガキじゃなかったね。