表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2

「お嬢ちゃんがここに来たのは偶然ではあるまいよ。どうじゃ、わしに協力してくれんか?」


「いいわ」


 ドラセナは即答した。


「大勢の人が犠牲になるのは、見過ごせない」


「ファファファ、ありがたい」


 ローワンが見つめる地平線を、ドラセナも見つめた。


 月明かりの下、光るものがこちらにやって来る。


 白馬に乗った、銀の鎧を着た男だ。


 兜は被っておらず、ハーフエルフの金髪がたなびいている。


 男はドラセナとローワンに気付き、やや離れたところで馬を止めた。


「誰だ?」


 彼の声は、すでに憎しみに満ちていた。


「わしはローワン。こちらは…そうじゃ、まだ名前を聞いておらんかったな」


「ドラセナ」


「わしら2人は、お前さんの蛮行(ばんこう)を止めに来た」


「ククク」


 レリオスは笑った。


「お前たちのような(たぐい)の奴を100人は殺したぞ。今すぐ消えろ。そうすれば見逃してやる」


「それなら、ダイモンの街も見逃してくれんか?」


「そうはいかん。あの街は滅ぼす」


「交渉決裂じゃな」


 ローワンが、肩をすくめた。


 レリオスが地に降りる。


 戦いの気配を察した白馬が、3人から離れた。


「お嬢ちゃん。わしは、あ奴の魔力を受け止める。その(あいだ)に鎧から覗く核を攻撃してくれ」


「核?」


「呪いの鎧の(ちから)(みなもと)じゃ。あ奴が全力で攻撃するには、それを晒さねばならん」


「分かった」


「ただし、それもわしが防御しきれたらの話じゃ。もしもの時は、お嬢ちゃんだけでも逃げてくれ」


 ドラセナは答えなかった。


 無言で、両手剣ダーガンファングを(かま)える。


 レリオスが、ガントレットをはめた両手を前に出した。


 両掌(りょうてのひら)から、眼も(くら)むような稲妻(いなづま)が走る。


 が、その攻撃エネルギーは、ローワンの唱えた呪文によって、空中で受け止められた。


 周辺の空気が熱くなる。


「フハハ! その程度か、じじい!」


 レリオスが嘲笑(ちょうしょう)した。


「むうぅ」


 ローワンが(うな)る。


「これはいかん! お嬢ちゃん、逃げるんじゃ! わしの魔力では、呪いの鎧の(ちから)を充分に抑えられん!」


 しかし、ドラセナはハーフエルフに突進した。


 ドラゴンズドーターの強靭(きょうじん)なフィジカルが、この場を制する鎧の波動を()き分けていく。


 だが、レリオスに近づけば近づくほど、敵の圧力は増し、暴風の如きオーラで歩みを邪魔される。


「ぬあぁ!」


 ドラセナは歯を食い縛り、じりじりと前身した。


 まだ剣で攻撃できる距離ではない。


「間抜けどもめが!」


 レリオスの銀鎧の胸が開き、黒い球体が覗いた。


「それが核じゃよ! しかし、無理じゃ! お嬢ちゃん、逃げろ!」


 魔法使いの制止をドラセナは無視した。


 彼女の生き(ざま)が、逃走を否定している。


 罪なき人々を殺させはしない。


 姿を現した黒球が、激しい光を発した。


「フハハ! 死ね!」


 レリオスの勝ち誇る声と同時に、ドラセナの(くち)から黒い炎のブレスが火を吹いた。


 父の黒竜より受け継いだ能力。


 敵のすさまじい攻撃エネルギーは相殺(そうさい)され、こちらのブレスも消えた。


 驚きに眼を見張るレリオスに、ドラセナは少しずつ近づく。


 ブレスは連続で使えない。


 核を直接、打ち砕かねばならないのだ。















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ