隣の席の星野さん
彼女と出会ったのは雨が降っていたあの日だった。
今日は入学式。
「入学式は雨かー」
そんなことを親が運転中の車内で嘆きながら中学校へ向かった。
(中学校とはいえ教室数くらいしか小学校と変わらないな)
そんなことを思いながら車を降り、無事中学校へ到着した。
到着時刻は他の人達より遅かったらしく、既にもうクラスが発表されていた。
「俺の名前は...あった!」
1年3組白川楓
自分の名前だ。受験でもないから名前があるのは当たり前なのだが。
親にクラスを伝えてから玄関で雨で少し汚れた外靴から
新品でピカピカな上履きに履き替えて教室に向かった。
ひと気のない静かな廊下を歩いて『1年3組』のプレートがついた教室に到着。
到着時刻が遅めだったからか教室の席大半が埋まっている。
鞄をロッカーにしまい、黒板の机列表を確認して席に座った。
窓から3つ目で一番後ろ。一番後ろという主人公席に本来は喜ぶべきだが
ここは真ん中。授業中、教師に見られやすい席1位と言われている。
(早速心配だなー)
『おーっす楓』
そう話しかけてきたのは同じ小学校だった泉陽太だ
保育園からの幼馴染であり、俺の数少ない友達でもある。
「お、陽太か。これから1年よろしくな」
『おう、よろしくな』
中学校という新しい環境の中で友達がいるのはすごく安心だ。
「みんなー入学式始まるから並べよー」
先生の声が聞こえる。どうやら入学式が始まるみたいだ。
『おっと、タイミングが悪いな。じゃあ、また後でいっぱい話そうなー』
「うん!早く並ぼうぜー」
...約1時間後
『あー校長の話長すぎだろー』
「こういうところは小学校から変わらないねー」
そんな話をしていたとき、担任から号令がかかった。
「みんなー席座ってやー」
号令通り一斉に多くの人が着席した。
担任の自己紹介が始まるなか俺はふと思った。
(一番最重要な隣の席を確認していないじゃないか)
改めて机列表を確認してみた。
どうやら俺の隣の席の人は『星野紬』
女子のようだ。女子だ。知らない女子だ。
(終わった..)
隣が知らない女子というだけで
中学生活終わりを悟りつつ担任の話に耳を澄ますと
「では僕の話はここまでにして、今度は隣の席の人と話してみましょー」
(終わったPart2。陰キャ殺しだ..)
そんなことを思いながら体を右に向ける。
「ど、どうも。白川楓です」
小さな声で話しかける。
『私は、星野紬。よろしくね』
「よろしく..」
(いい人そうで良かった)
隣の席ガチャは当たりの模様。
...このときは知らなかった。
あの星野さんが積極的すぎることを
こんにちは。初投稿なので甘めに見ていただけるとありがたいです。




