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34話 地下1階層、攻略



「はあ、はあ……」



「ギ、ギギギギギィ……」



 クイーン・ブラックジェットローチとの戦闘が始まってどれくらいの時間が経っただろうか。

背中に乗せた巨大な2発の卵しょうをミサイル代わりに発射して飛び道具を失ったクイーンは、手足の無い寸胴な身体をゴロゴロと転がしてこちらを踏みつぶす攻撃スタイルに移行した。



 そのデス・ローリングアタックを避けつつ、モンスターの体内にある、彼らの心臓であるところのコアを探す。

通常個体のブラックジェットローチは腹部の内側に存在したが、ゴロゴロ転がってもなんともないクイーンを見る感じ、コアの場所は違う所にありそうだ。



「はあ、ふう……も、もしかして背中の下か……?」



 クイーン・ブラックジェットローチの背中にはカブトムシのような硬い羽が付いているのだが、さっきから転がるばかりで飛翔しての攻撃などはしてこない。

あの羽根が背中の内側にあるコアを守るための鎧なのだとしたら……



「ちょっと、あそこ狙ってみるか……!」



 クイーン・ブラックジェットローチはしばらくゴロゴロとローリングアタックを行った後に脳震とうのような状態になって停止する時間がある。

そこを狙ってクイーンの背に飛び乗り、トンファー型の武器『黒鉄甲の打突旋棍』を構えて羽の端の部分からめくりあげるように攻撃を加えていく。



「おらぁっ!!」



「ギギギギギギギィ~!!」



 装甲みたいな耐久力を誇るクイーンの羽に武器を差し込み、ベコンッ! と内側から突き上げて強制的に開かせると、羽の下にぼんやりと光る部位を発見する。



「そこがコアかっ……!!」



「ギギギギッィ!?」



「転がり出す前にぶっ壊す!!!!」



 慌てて動き始めたクイーン・ブラックジェットローチをここで仕留める為、俺はコアを目がけて手に持っていた『黒鉄甲の打突旋棍』の1本をブーメランのように思い切り投げつけた。



 シュルシュルシュルシュル……バッキイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!



「ギッ……ギギギギギギィイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!!!!!!!」



 コアが破壊される音と同時にクイーン・ブラックジェットローチの動きが止まる。

そしてそのまま二度と転がり出すことはなかった。



「た……倒したのか……?」



 しばらく様子を見ていると、巨大なクイーンの身体がぼんやりと光る煙となって消滅していく。



「そ、そういえば卵しょうは……」



 クイーンが発射したブラックジェットローチの卵しょうの残骸もいつの間にか消滅。

どうやら中から子供が生まれて第2ラウンドとはならないみたいだ。



「ドロップは……3つだ」



 光るもやに包まれてクイーンは消滅し、その跡には見覚えのある黒いフロアキーと、見たこともないくらい巨大で真っ赤な魔石、そして黒い液体の入ったガラス瓶のようなものが残されていた。



「地下2階層のフロアキーに、大きな赤の魔石、そしてこれが……蜚蠊女王の血肉結晶か?」



 クイーン・ブラックジェットローチを調べたときに表示されていた、ドロップされる可能性のあるアイテム3種類。

今回、全て手に入れることが出来たということだろうか。



「そうか……俺は、地下1階層のフロアボスを討伐したんだ……!」



 ドロップされた黒いフロアキーを手に取ると、今までの戦闘の疲労と共に一気に実感が湧いてくる。

そうか、俺は倒したんだ……未踏の階層のフロアボス、クイーン・ブラックジェットローチを……!!



「よし、よし、よし……!! よっしゃあああああああああああああっ!!!!」



 これでユグドラタワー地下第1階層、攻略完了だ……!!



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