表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/102

31話 武器完成



 ユグドラタワーに向かう道中でコハルさんを仲間にした俺は、クラフターに作製をお願いしていた武器を引き取るために第11階層のタウンエリアへとやって来た。



「よくきたいらいにん。ぶき、できてるぞ」



「ありがとう。それじゃあ早速受け取」



「きゃ~クラフターちゃんもっふもふ~!!」



「わっ、わっ、な、なんだおまえ」



「クラフターちゃん武器作れたの偉いね~よぉしゃよしゃよしゃよしゃ」



「やめろ、あ、ちょっとこら」



「コ、コハルさん……?」



 クラフターに会うなり犬に構いまくる人みたいなテンションになってクラフターをワシャワシャするコハルさん。



「はっ! ち、違うんですソラさん!」



「なにが違うんですか」



「私はクラフターの体調管理を生業にしてまして、こうやって定期的に身体検査をしてあげてるんですね」



「そんなやつはいない」



「いないって言われてますよ」



 そもそもユグドラタワー内に生息しているモンスターが病気になったりするのか……?

いやでも、タワー内で怪我しても俺たちは外に出れば治るけど、ここで暮らしている彼らは外に出られないわけで、倒しきれば消滅するし、その後に別の個体が自然発生するのは分かっているけど、怪我とかしたモンスターがその後どうなるのか知らないかも。



 ちなみにクラフターは例外的な非戦闘モンスターで、攻撃してもダメージを与えることはできない。

というかクラフターはこう見えてめちゃめちゃ強い。危害を加えようとすると反撃されて普通にワンパンで倒され、そのままユグドラタワーの入り口に強制転移してその日はもうタワーに入れなくなる。



「コハルさんがクラフター愛好家だということは分かりました。でもあまり構うと攻撃とみなされて退場させられますよ」



「そ、そんなぁ~! クラフターちゃん、これは攻撃なんかじゃないからね!?」



「おまえのこうどうのぜんあくは、こちらがきめる」



「かっこよすぎだろ」



 今度からクラフター先輩って呼ぼうかな。



 ―― ――



「これがおまえのぶきだ」



「おお、これが……!」



 クラフターから完成したアイテムを受け取る。

ブラックジェットローチからドロップした『黒鉄甲』と、スライムジャイアントからドロップした巨大な『赤の魔石』を渡して作られたのは、片仮名の『ト』のような形をした黒いスティック状の棒だった。

スティック状の棒って両方同じ意味か……スティックだな、うん。

2本あるからスティックスかな。



 【黒鉄甲の打突旋棍】

・入手方法:武器職人のクラフターに製作を依頼

・使用素材:黒鉄甲、魔石



「旋棍って、もしかしてトンファーか?」



「とんとんとんとん」



「日野の……ってこれ2トンもないから」



 トンファーは、たしか沖縄かどっかの古武術で使用される武器だ。

この取っ手になってるところを持って構え、剣術というよりは空手や棒術の要領で使用する。

防御にも使えるし、ブーメランのように投げて使うことも出来る意外と万能な武器らしい。



「こんな武器もあるんですね。始めて見ました」



「周りで装備してる人とかいなかった?」



「私は見てないですねー」



 俺より10階層以上も先を進んでいるコハルさんが見たことないってことは、意外とレアな武器だったりするんだろうか。

他の人が手に入れられない地下階層に出るモンスターの素材を使っているわけだし。



「ソラさん、その武器で戦えるんですか?」



「うーん、どうだろう。一応空手は習ってたから、少し練習したらいけそうな気はするけど」



 動画とかで使用方法を確認してしばらく練習しながら慣れていくしかないか。



「……うん。良い武器を作ってくれてありがとう」



「がんばれよ、せいねん」



「どういう立ち位置なんだい君は」



 クラフター、見た目は可愛いけど中身は熟練のおじさん職人なのかもしれない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ