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18話 地下1階層のフロアボス



「悪いヤツらの親玉?」



「そうよっ! さっき倒したヤツの1000倍くらいおっきいのっ!」



「いやデカすぎでしょそれは」



「本当に本当なのよっ!」



 ピクシード族の集落に招かれた俺は、彼女たちと一緒にグランルータ奪還作戦の会議を行なう。

どうやらブラックジェットローチには小型、中型、大型と言う感じでサイズが異なる個体が生息しており、大型の個体は数自体は少ないが、俺がさっき倒した小型のブラックジェットローチよりかなり強力らしい。



 そしてそんなブラックジェットローチを束ねる親玉は唯一の『超大型』で、力も頑丈さも桁違いなんだとか。

なるほど、そいつがこの地下1階層のフロアボスって訳だな。



「小型の個体の1000倍っていうのがマジだとすると、5000kg前後あるのか……大人のゾウと同じくらいのゴキブリかあ」



 なんかそこまでいくと逆に平気かも。

小さいのがうじゃうじゃ迫って来る生理的な恐怖というよりは、戦車突撃! ドーン! って感じの脅威に近い。



「悪いヤツらは全部その親玉から産まれるのっ!」



「だから親玉を倒さないと悪いヤツらは全消しできないわっ!」



「ぷよ〇よみたいな言い方するじゃん」



 小型~大型のブラックジェットローチに繁殖能力はなく、超大型の個体のみが女王アリのように子供を産んで数を増やしているらしい。

親玉っていうか、クイーンって感じだな。



「さすがにそんなのを倒すのは、今の俺の実力だと厳しいかもなあ」



「ソラが負けたらグランルータの蜜と一緒にグチャグチャにされて産まれたばかりの悪いヤツらのごはんにされちゃうわっ!」



「ドロドロに溶かされてジュルジュルに吸われちゃうわねっ!」



「こ、こわぁっ! 嫌な方向に想像力が豊かだな君たち」



「「や~んっ! 褒められちゃったっ」」



「褒めてないよ」



 ブラックジェットローチの親玉はグランルータの木に出来た巨大な樹洞の中に潜んでいるらしい。

樹洞っていうのはリスが冬眠してたり鳥が巣を作ったりしてるアレだな。

小動物がいると思って覗き込んだら巨大ゴキブリがいるとか普通に悪夢だが。



「それじゃあ、さっき倒した小型のブラックジェットローチがグランルータ周辺を偵察して、中型が木を守って、大型が親玉のいる樹洞の周りを守ってる……って感じなんだね」



「そうよっ! 敵が段々強くなっていくから、まずはグランルータの周りにいる小さいヤツを倒して戦いになれると良いわねっ!」



「魔石を集めて魔装を育てるのも忘れずにねっ!」



「あはは、分かったよ。しばらくは親玉を倒す力が身につくまで特訓だ」



 なんだろう、ユグドラタワーの地上階層のような淡々とモンスターやフロアボスを倒して攻略していくというより、この地下階層では発生するイベントを自分なりにこなして強くなり、ボスを倒して先に進んでいくようなRPGゲーム感が強い気がする。

個人的にはこっちの方が楽しいかも。

上の階層はなんというか、生まれ持った運と才能を兼ね備えた上でひたすら作業ゲー的に攻略していく感じだもんな。



「親玉は月に1度、子供を産んで数を増やすのっ!」



「2度目の土の日に産卵して、4度目の炎の日に孵るわっ!」



「できれば数が増える前に倒したいわねっ!」



「え、えーと……ブラックジェットローチの増殖は月イチの頻度で、第二土曜日にタマゴ産んで、第四火曜日にタマゴから新たなブラックジェットローチが孵るってことかな?」



「「そんな感じよっ!」」



 なんかバイトの締め日と給料日みたいだ……ていうかユグドラタワー、曜日感覚一緒なんだな。

まあそういう風に学習しているんだろう。



「とりあえず今日のところは、グランルータ周辺にいる小型のブラックジェットローチと戦って魔装を成長させるのが第一優先だね」



「がんばってソラッ! お腹が空いたらここに帰ってきてねっ!」



「怪我も治してあげるからっ!」



「ここ回復スポットだったんかい」



 地下階層の攻略、なんだかこれからとっても楽しくなりそうだ。



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