2話
朝隈愛の仕事は至ってシンプル
車の整備士
女性の整備士は今の時代、少なくはないが多くもない
力仕事がメインだし、かなり汚れる
そんな仕事の密着をして何が面白いのだろうか
玲「はい!本日の撮影はここまで!また明日伺います」
えっ?今日だけじゃないの?
ただでさえ忙しいのに疲れる
聖「愛さん」
小さな声で呼ばれた私が振り向くと聖がにこにこしながら
聖「あとで連絡しますね」
といい残してそそくさと帰って行った
部長「朝隈さんおつかれー」
といって私のお気に入りのカフェオレを渡してくる部長
愛「この埋め合わせはしてもらいますからね!あと、1日だけ密着取材じゃないんですか?」
部長「あぁ密着取材は今日だけだよ?明日は店内とかの素材を撮影するらしい!」
愛「あぁなるほど」
なんとなく先に言っとけよと思ったがまぁいいか
愛「私、片付けとかしたら上がりでいいですか?」
部長「いいよ!定時過ぎてるのに逆に申し訳ない」
やっと帰れる
なんか怒涛の1日だったな
蘭「愛!呑み行かない?」
今朝、二日酔いで死んでたのによくもまだ呑みにいけるな
愛「今日はやめとくわ」
そう言って車のエンジンをかけた
蘭「りょーかい!じゃあおつかれー」
愛「おつかれー」
さて、会社から家までは車で15分くらいだが今日は疲れたので一瞬で帰ることにします。
信じられないと思うが私にはいわゆるテレポート的な能力がある
この力を使えば15分の家路を3秒にできる
愛「疲れたー」
ソファに雪崩れ込みながらふと思い出した
あの子、可愛かったな
海堂聖ちゃんだっけ?
どっかで見たことある顔なんだけどあんな背が高くて美人を忘れるわけない
ブブッ
スマホが鳴る
『愛さん!今日はお疲れ様でした!』
嘘でしょ?ほんとに連絡してきたの?