1話
「はーい!じゃあ早速撮影開始させてもらいます」
そう声をかけてきたアシスタントの翔にしたがってただひたすら仕事をすることになった。
時々、質問をされながら仕事をするのも楽じゃない
ふと、横を見ると
愛「えっ?近っ!」
カメラマンの聖がものすごく近くでカメラを構えていたのに驚き、思わず口走ってしまった
聖「えっ?あーすみません、仕事なんで」
いや、別にそこまで嫌な感じ出してなかったと思うのに言い方悪っ!
この人とは本当に合わないかもしれない
しかもずっと不機嫌っぽいのは何故?
と少しイラつきながら撮影はどんどん進んでいった
翔「休憩しまーす」
撮影がひと段落してやっと休憩
一服しなきゃやってらんないねと思いつつ喫煙所に向かう
喫煙所といっても建物裏に灰皿があるだけの外
やっと一息ついたのに…
なんで海堂さんもタバコ吸うんだよ…
その空間はなんともいえない沈黙に包まれていた
聖「あの、さっきは近くてすみません、プロデューサーからの要望だったんですけど、気に障りました?」
えっ?なになに?いきなり?
この人、人と話すの?
愛「いや、全然大丈夫ですよ、あんなに近くで撮るとは思わなかったので驚いただけです」
そう当たり障りなく返す
聖「それならよかったです」
そう言いながらこちらをみた彼女
少しはにかんだ笑顔がとても可愛いと思ってしまった
聖「あの、朝隈さんって私より年上ですよね?」
愛「えっ?たぶん?」
なんでそんな事聞くんだ?ってか32歳独身ですけど何か?
聖「じゃあ、敬語いらないですよ、むしろフランクに話してくれた方が助かります」
愛「あっうん、わかった」
聖「あの、実は…愛さんのこと気になってまして、連絡先交換してくれませんか?」
愛「はっ?」
いや、どういうこと?なに?一応、初対面ですよね?
なんか皆んなといる時と態度違いすぎない?
と不信感を持ちながらも断るのも微妙だったので連絡先を交換した
聖「ありがとうございます!気軽にお友達からってことでいいですか?」
おぉ!友達ね!なるほど、びっくりした、普通に恋愛対象なのかと思った
まぁそうだよね、異性でもあるまいし、私みたいに女の子はいけないよね…
まぁいいけどどう考えても25.6歳くらいだよね?
32歳のおばさんと友達になって楽しいのかな?
と思いつつ
愛「いいよ」
そう言ってすこし笑ってしまった