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漂泊のベノス  作者: ism
【第一部・王都/騎士団少年部編】
5/107

亡霊退治事件

帰郷期間が明け騎士団少年部に戻ったベノスは驚くべき話題を耳にした。


皆が故郷に戻っている間、遠方すぎて帰郷が出来ず寄宿舎に残っていたラブロウが王宮に現れた魔物を倒したというのだ。


なんでも王宮の侍女が地下の開かずの間に間違えて入ってしまったところ、封じられていた王族にあだなす亡霊どもが飛び出し王宮は大混乱。実態なく人々を襲う亡霊に兵士たちも手も足も出ない中、ラブロウは同じく寄宿舎に残っていたピットーとともに亡霊たちを魔法と機転で打ち倒したのだ。


ラブロウたちは、内内ではあるが国王陛下と将軍に謁見し感謝の言葉をかけられたという。これは王国騎士にとって大変名誉なことであった。


いまや王宮や王国施設内ではこの話題でもちきりだ。


話をきいたベノスは歯噛みしラブロウの活躍に妬みを滲ませた。


(偶然居合わせ、バケモノを倒しただけだろう…!こんな魔法猿のくだらない武勇伝なんぞ、オレの訓練での功績に比べれば…)


これまで騎士団少年部のことで話題になることと言えば大抵ベノスの優秀さで、ベノス自身もそれを誇りに感じていた。


たった数日で大きく存在感を増したラブロウのことを認められるはずがなかった。


(こいつは何としても排除せねばならない。何としても。)


歪んだ憎しみがベノスを支配しつつあった。




騎士団少年部の行軍演習。


数班にわかれ、全員武具をフル装備の上必要な荷物を背負い込み、山中を数十キロ進み野営、夜をあかしその後来た道を戻るというものだ。


山中は魔物が出没する。教官が複数名道中で訓練生のチェックを行なっているが安全は保証されているわけではない。


3〜4人からなる班わけは自主性に任せられるものの、能力によって平等に分けられるワケなどなく、勿論ベノスは取巻きのメキシオとスラドル、その都度使えそうな者を強引にチームに引き入れる。


今回は珍しくベノス取巻きの3人でチームを組んだ。ベノス班に選ばれてしまうと間違いなく雑用係にさせられてしまう為、皆一様に安堵していた。


穏便に班分けが進むと思われていたが、ベノスはラブロウ・ピットー・そして寡黙な訓練生カムラの3人で構成された班に強引に一人の訓練生をねじ込んだ。ふくよかな体型の資産家の息子ジロッサだ。


ジロッサは能力的には訓練生中最下位。及第点にすら達していないと思われ、毎回追試を受け騎士団少年部に残り続けている。本来ならそんな者が少年部と言えど居られるはずはないのだが、理由は明白でジロッサの父による多額の寄付金の力だ。


教官たちはジロッサが残り続けていることに全く納得いっていないが、上からの圧力もあり渋々訓練に残していた。


性格も難があり、プライドは一人前で口を開けば金持ち自慢、追試を受けるが本気をだせばベノスと同等と思っている。あまりの理解力のなさにベノスや取巻きにパシリにすらされず浮いた存在だった。

そんなプライドの高さをベノスは利用し、

「入団して日の浅いラブロウや気の弱いピットー、寡黙で積極性のないカムラを率いることができるのはジロッサだけだ」と煽り、気をよくしたジロッサは班のリーダーを宣言。

そして、亡霊退治で大活躍したラブロウと友人関係を築きたい(あわよくば手下にしたい)という魂胆はミエミエだった。


ラブロウの班は絶対に演習を無事終えられないだろうとみんな思っていた。



行軍演習直前。


ベノスがジロッサを激励するフリをして気を引いている間にスラドルとメキシオはジロッサの荷物にあるものを忍ばせた。


そして行軍演習が始まった。

挿絵(By みてみん)

挿し絵のキャラクターは右からピットー、ラブロウ、ジロッサです。

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