5,死にかけ
少し遅くなりました。
「お、思ってた反応と違うですの」
orzとむせび泣いている自分の肩をサンダルがポンポンたたく。
慰めてくれているみたいだ。
哀れんでいるようにも感じる。
虚しい。
「主人その本『魂に深刻なダメージを与える可能性があるため 転生者には本の題名また内容を知らせないこと』って注意書きが有るだろ」
なんか寒気がしてきた。
体が・・・・・・動かない。
えっ、これヤバくね?
「ほっ、本当ですの 書いてありますの だっ、大丈夫ですの?」
い・・・・意識がとぎ・・れそうだ。
「そこまで悪く無いと思うが って大丈夫か?! 顔色真っ青だぞ つっ!?魂が消えかけてる?! おいっ!!主人ヤバいぞ!!」
「どうするの?! こういう時って何をすればいいの?! あっ119番通報なの いやっAEDだったっけなの?」
なんか全身青タイツの男が川の向こうで手を振っている。
「主人っ いつまで地球観光の気分なんだよ 早く魂関係の神様呼んでこいっ!!」
「わっわかったの すぐ呼んで来るの」
「おいっ お前、頑張れ!! 耐えろ!! 死ぬな!! あとちょっとだからな」
もっ・・・もうダメ ぽ
頭の後ろの柔らかくて心地よい感覚に目を覚ます。
目に飛び込んで来たのは双球だった。なんだろうとぼんやりしながら見ていると、双球から女性の顔が出て来た。
「あぁ 良かった 目を覚ましたんですね 一時はどうなることかと思いました」と微笑んだ。
その顔を見て思わず見惚れてしまうくらいの美人だった。
少し切れ長の目に 薄い桃色の唇、肩にかかるくらいの長さの光が反射して煌めく銀髪、その顔は柔和な笑みを浮かべている。
今更ながら、そんな綺麗な女性に膝枕されていることに気づき年甲斐もなく赤面してしまう。
「貴方の名前は」
「あぁ すみません 自己紹介がまだでしたね 私の名前はエレシュキガル 冥界の女神です 気軽にエルとでも呼んでくださいね 此度は妹が迷惑をかけたようですみません」
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