世界の終わりと愛の詩
世界の終わりに読んでください。
世界の滅亡を迎える今日
ついぞ庭の花も枯れたから
きみのことを考えるしか、なくなった。
ふと思う
……多分、きみの家の本棚の匂いは世界一官能的だ。
だれにとってでもなく
ぼくにとって、官能的だ……
なんて。
………………
……
…
空色の雲が
灰色の空を
流れていく
なるほど、終末はこうやって訪れるらしい
世界から色が消えていく
ぼくは頬杖ついてそれを眺めている
かつて住処だった瓦礫の上に体育座りして、眺めている
ふと、
「雲が早く流れるのを見ているとこの世に取り残された気分になるんだ」
と、きみが言っていたのを思いだす。
……そういえぼさ、ぼくはきみを愛してよかったと思うんだ。
だってさ、
世界が終わる今日だって、
きみの事を考えられるから
この世に形が無くなる今日、最も形の分からない愛が最後まで残り続けるなんて、大層ロマンチックじゃないかって思うんだ。
そのことについて、こんな時なのにちょっと幸福を感じているんだ。
……………
……
…
……あぁ。
ぼくからも色が消え、命が、今、止まっていく
雲も、空も、人も、全ての像の境界が消え、灰色の平面になっていく
だけどやっぱり、
幸せだ。
不変の愛とか安っぽく語った馬鹿者たちよ。残念だけど、ぼくの勝ちだ。
ぼくは最期まで、愛故に幸せなのだから。
愛をして、世界とひとつになれるのだから
最後の命の色で、ぼくは君らにほくそ笑んだりしない。
愛を語ろう。君との愛を。
無限に世界とまじわりあって、ぼくはきみの愛を思う。そうすればいつかきみも灰色になった時、大きなぼくに出会うはずだ。
しばし、さようなら、きみ。
次会う時は、雲であり、空であり、あるいは鈴虫であり、本であり、ぼくでなく、ぼくであり、きみであるぼくに、ぼくであるきみに、会おう
こんにちは、コーノです。
涼しくなってきましたね。暑いの苦手だから嬉し〜〜!
さて、ここに投稿している作品は、ほとんど誰にも見られていません。ポイントもほぼつかないし、感想もなかなか書かれません(多分この後書きも誰にも読まれない!)。
だけどいつか私が死んでからも、ずっと残り続けてくれるなら遺書代わりに良いじゃないか!と思って書き続けています。
作品からすると、日の目を見ずにこのサイト上に永遠に残り続けるのって、嫌なんでしょうかね?
今回書いた詩に人格があるなら、きっと多くの人に読まれたいんだろうなぁと感じて、こんなことを書いてみました。
以上!