神が私をつくるとき
神がリカコを作るとき。
まずは平凡な才能を少々。
そして、平凡な容姿と知能。あとは、食いしん坊センサーを加えてまぜる。
あとはそうだな無職を少々……。
ああああああああああああああああああああああああ。
あああああああああああ。
あああああああ。
ああ。
入れすぎちまゃった。
まぁ、いいか。
高丘リカコの出来上がり。
「あああああああああああああああああああああああああああ、よくねぇよ!!!!!!!クソッがぁ!!!」
穏やかな朝の光がカーテンの隙間から差し込む。
「なんだいつもの月曜日か」
リカコは、ほっと胸をなでおろす。
月曜日、今日は駅前のパン屋にフランスパンを買いに行く。夢見が悪かったせいか。家で朝ご飯を食べる気にはならなかったのだ。いつになったら私は新しい月曜日を迎えることができるのであろうか。パン屋の帰りに道すがら缶コーヒーをがぶ飲みしてフランスパンにかじりつく。やけぐいである。やってられっか!!!!!!
パリッ、ファッ、ジワァー。
こ、これは。美味。
「まるで、ティファニーで朝食を取ってるようだわ」
ブルジョワ気分でパンを食べつつ歩く。
探偵は見つからないし、時間は巻き戻るし、彼氏もできないし。
こんな世界滅べばいいのに。
「えっ?」
「んっ?」
まさか口に出して呟いていたとは、とんだ危ない奴である。意識を戻した瞬間、誰かにぶつかる。
「ブフォ!!!!!!」
歩きフランスパンをしていた私は誰かにぶつかってしまった。
「ご、ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
男性にぶつかり、彼は何かを落とした。
「あっ」
私は素早くそれを拾う。
とてもお洒落なメガネだった。
「おっと、メガネが。メルシー」
そして、軽やかに受け取る。
「こちらこそ、すいません。汚してしまって」
「どんなにフランスパンが美味しくても、よそ見をしてはいけないよお嬢さん」
男性は斜めのポーズを決めていた。心なしかキラキラしている。
「いいことを教えてあげようか?」
「えっ?」
「この世界に何人の男性がいると思う?」
くるっと回ってターンする。
「四十五億」
キラキラ増しで前髪をかきあげる。
「きっと君にもハッピーな彼氏ができるよ」
インテリメガネを指で持ち上げ、キラリとした笑顔を私に向けた。
こんなに煌めいている男性に会ったのは生れてはじめてだった。