273972年と221日
今日は月曜日。
朝ごはんはシュークリーム。
洋菓子店の豪華なお店で頂くの。
紅茶も飲んでしまおうかしら。
夏とは思えない爽やかな朝だ。
私はいつものようにお店に向かう。近くまで来ると誰かが看板を閉まっている。おお、あれは。
「メガネ様」
「おはよう、リカコちゃん」
「早いですね。店じまいですか?」
キラキラとメガネ様が微笑んで答えた。
「いやね、僕は残ろうかなって思ってたんんでけど、リョウたんも行きたいって言うしね。きっと僕もリカコちゃんの顔を見たらシュークリーム食べに行きたくなっちゃうかなって。だから、今日はもう臨時休業だよ」
「ふふっ」
私は嬉しくて微笑んでしまった。
時刻は午前十時頃。
「さぁ、いらっしゃいませ」
鈴が鳴って、扉が開く。
店の中には見慣れた人達がいた。
「おはよう、リカコさん」
「おはよう、リカちゃん」
昨日会ったばかりなのに懐かしい顔ぶれだ。
「おはよう、アキラくん。リョウたん」
にっこりと笑う。
店の奥にはミーちゃんがいた。
「おはよう、ミーちゃん」
ちょっとそっぽを向かれてしまう。
あれ?
それと、同時くらいに再び鈴が鳴る。
「おはよう、お姉ちゃん」
「レ、レイカちゃん、おはよう。学校は?」
天使のようなふわふわな髪をなびかせて、悪魔のような笑みを浮かべていた。
「楽しみにしていたんだものこの日を。学校が終わるまで待てないよ。今日だけズルして来ちゃった」
どうやらまだテンプテーションは健在だったようだ。
メガネ様が立ち上がる。
「よし、みんな揃ったな。よし出かけるぞ」
おーっとみんなゾロゾロと十三夜月の外に出る。
「あれ?ミーちゃんは?」
「いつもの通り留守番だよ」
アキラくんは私に声を掛けた。
「ねぇ、アキラくん」
「うん?」
「私、忘れ物をしちゃった」
「すぐにみんなの後を追うから店のカギ貸してくれない?」
なるべく可愛く頼んでみる。
不思議そうにしながらもアキラくんは私にカギを渡してくれた。
「有難う」
私はそれを握りしめて、お礼を言う。
「みんな待ってるから」
「うん」




