ミッションin十三夜月
「はじめまして、高丘リカコです」
とりあえず何から話そうか。とりあえずペコリと頭を下げた。
口を開こうとするとメガネ様が制止した。
「だいだいのことはわかってるつもりだ。にわかには信じがたいが、この君と僕との交換日記に繰り返す一週間のことも書かれていた」
「メガネ様」
「店長、繰り返すってなんの話ですか?」
「冷蔵庫の横のメモを読んでないのかアキラくん?」
「いつもなら読みますけど、なんか分厚いし文字がびっしり書いてあるのであとにしようかなと」
「カー、ペッペ。それだからいつもでたっても君は半人前の探偵なんだよ。探偵はいつだって素早く早く可憐に舞うんだよ。わかったな」
「わかりましたよ今すぐ読んできます。じゃあ、リカコさんはそれまでコーヒーでも飲んで下さい。店長お願いします」
「えっ、店長はコーヒーマスターのアキラくんの美味しいコーヒーが飲みたいな」
「は?」
アキラが睨む。
「えっ、リョウたんもコーヒーマスターのアキラくんの美味しいコーヒーとピザトーストが食べたいな」
「ん?おまえどこから?」
いつもまにかリョウたんが出現した。
「店が臨時休業になってたから。これは事件の香りだと思って、心配して窓から入って来たんだ」
「いや、それ不法侵入」
「ピザトーストのお礼だ。俺も協力するぜ」
「いや、まだ作ってないから」
「はい。ピザトースト食べたいです!」
「リカコさん……」
「おや、においつられてミーちゃんもやって来たようだ。アキラくん、ピザトースト追加で」
「どんだけ、お前等ピザ食いたいんだよ」
かくして、我々はアキラくんのピザトーストを囲んで円卓会議を始めるのだった。