バニラアイスとミーちゃんと
条件クリアは死なずに来週の日曜日を無事に迎えること。
「つまり、リカちゃんはその女の子を助けようとして死んだ。それなら助けなかったらいいんじゃね」
「いや、その女の子はたぶん……」
アキラは口を濁した。
「レイカちゃんだと思うんだけど」
「えっ、マジで」
リョウたんは聞き返す。
「イエス」
リカコはなぜか英語で答えた。
そうでなければ、ここまでレイカちゃんが私を助けるために奔走する義理はない。
そうとしか考えられない。
「じゃあ、その日のその時間にそこをレイカが通らなければいいんじゃね」
「それはそうだが、仮に運命を変えてもまた違った形で運命は形を変えて牙をむくんじゃないか?」
「もともともこもないな。それは」
腕を組んでリョウたんは悩み込む。
メガネ様は場をまとめるように手をパンパンと叩いた。
「いつまでもこうしていても時間は消えていく。とりあえず月曜日に記憶がなくなかった時、僕達がすぐに状況を理解できるようにしよう。今はそれに力を全振りする。リカコちゃんも、月曜にはみんなの協力がえられように説得する。いいね」
「はい」
「とりあえず、どうするかは考えのは月曜日だ」
慌てたところで再スタートは始まってしまう。
そして皆、家に帰っていく。
最後の夜だ。
「あれ、リカコさん?」
戸締りをしようとしてるころにアキラとばったり出くわす。
「間に合った。これ」
コンビニのビニール袋を差し出す。
「これは?」
「ダッシュのバニラアイス。これミーちゃんに。さっきいてなかったから」
「そういえば、そうですね。有難う。無類の甘いもの好きなんだ」
「よかった」
「ミーちゃんもきっとリカコさんのこと助けたいって思ってますよ」
「そうかな。そうだと嬉しいな」
いつもカウンターの奥にいる人見知りのミーちゃん。何度繰り返してもなかなか仲良くなれかった。
最後の一週間は友達になれたらいいのにな。
リカコは少し寂しそうに笑った。




