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アッルプパイとバニラアイス




 日曜日。

 今日は朝から豪華にアップルパイを食べた。

 ザクザクとパイが音を音を立てて、林檎がシャリシャリと甘酸っぱい。

 「しあわせ」

 リカコは口いっぱいにほおばる。

 「よかったね、リカちゃん」

 「うん」

 そう言いながらリョウたんもモリモリ食べていた。

 コーヒーを入れながらアキラは突っ込みを入れた。

 「よくないだろ」

 

 実はあれから私達は勢いに任せて、夜の町を走ってしまい。帰ってきたら朝だった、というわけのわかならい行動をしてしまった。

 それから全員が泥のように寝てしまって、さっき起きたところだ。

 そして、この町の皆さんには悪いが緊急事態のため今日も喫茶十三夜月は休業である。


 「アキラくんの美味しいアップルパイがもう食べてられないと思うと死んでも死にきれないわ」

 「死なないためにはまず作戦会議だな。まず状況を整理しよう」

 アキラはようやくコーヒーを入れ終わり席につく。

 「レイカはいいのか?」

 「レイカちゃんはそっとしてあげたいの。彼女に負担をかけたくない」

 「そうだな」

 「うん、それがいいと思うよ」

 考えたくはないが失敗するということもある。

 いや、失敗しかしたことしかないな。うん。

 「そうだね、子猫ちゃんをみんなで助けよう」

 大人の落ち着いた声が聞こえた。

 メガネ様が斜めにポーズを決めていた。その姿はまるで、闇に降り立つ白鳥のようだった。

 そして、メガネ様も席に座る。

 「おいクソメガネ」

 「アキラくん?どうしたんだい?」

 「作戦会議の前にまずお前は服を着ろ」

 メガネ様は爽やかに笑う。

 「いやだな、アキラくん。パンツは履いてるじゃないか」

 「服を着ろと言ってるんだ。殴るぞクソメガネ」

 アキラさんは冷ややかに笑う。

 いや、笑ってかなった。


 「じゃあ、気を取り直して作戦会議だ」

 「作戦名はシュガシュガルンルン満月の魔女なんてやっつけちゃうぞいでどうだ?」

 「えっ」

 その場を突然静まりかえる。

 「メガネ、おい……」

 「私は、愛と魔法は乙女の勇気~バニラアイスと紅茶を添えて~がいいです」

 「バニラアイス関係なくない?」

 「おい、お前らいいかげんにしろよ!」

 バンッとリョウたんが机を叩く。

 「そこは、草原に舞い降りた天使、恋の狩人リョウたんと出会う~禁断の愛トキメキメモリアル編~だ」

 「天使じゃないよね。魔女って最初から言ってるよね?聞いてた?ねぇ?」



 そして、アキラは静かに待った。

 作戦名が決まるのを小一時間くらい。


 ねぇ、みんなわかってる?

 ねぇ、もう日曜日。



 リカコさん、あなた自分の命かかってますよね、どんだけバニラアイス食べたいの?



 


 

 

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