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喫茶十三夜月にてパート2



 火曜日、今日も今日とて仕事だ。



 メンバーは、俺、インテリメガネ、ミーちゃんである。


 俺はミーちゃんに軽く挨拶をして、店の支度を始める。そうこうしてるうちに、あとは開店を待つだけになり、俺は休憩がてら椅子に腰かけた。

 いつもなら開店約十分前にインテリメガネがやってくる。やってきたインテリメガネは扉を開けると、店の柱に手をかけシャフ度九十度を保ちつつこう言ってくる。


 「ごめん、ごめん。僕のビューティフルフェイスにジャストフィットするメガネが見つからなくて遅れてしまったよ。でも、みてくれこのメガネ。今日はふちのオレンジ色がチャームポイントさ。ちなみに僕の今日のラッキーカラーは知ってる?えっ?うん?知らない。じゃあ、教えてあげるね。オレンジ?ノンノンノンノン。本当はレッド。深紅の美しいレッドさ。あれ?メガネじゃないのかって?僕を誰だと思っているんだい?ご町内のフアッションモンスターだっぞ。このネクタイはイタリア製のものでね。レッドなんだよ。ワンポイントのオレンジ、深紅のネクタイ、まさに奇跡!!!!!すまない。仕事の手を止めてしまったね。美しすぎてほんとうにすまない!!!」

 ドヤァとこっちを見てくる。これが日課である。



 三分前、俺は椅子を立ち上がる。

 二分前、扉のまえに立つ。

 一分前、スタンバイの構えをする。


 ガチャ。


 「ごめん、ごめん。僕のビューティぶぶぶぶ!!!!!!!!!!!!」

 「えっ?痛い?」

  呆然としたとインテリメガネは床に倒れる。

 「おはようございます、店長。すいません、殴ってもいいいですか?」

 「よくないけど、もう殴っててるよねアキラくん?」

 「すいません。こないだ店長の夢を見てしまったね。本当に腹が立ってしまってね。だから、次に店長に会ったときは殴ろうって思ってたんです」

 「えっ、夢で?僕、関係なくない?」

 「すいません。でも、すっきりしたので有難うございます」

 「それどこのジャイアンなの?」

 転がっている店長の横にアキラは静かに座り、落ちたメガネを拾いあげる。

 「大丈夫ですよ、メガネは無事ですから」

 スッと手渡す。

 「メガネは僕の本体ではないよ」

 「えっ?」

 「えっ?じゃないよ!!!」

 ヨロヨロと立ち上がるメガネのない店長に、俺はあることを思いだしてポケットからメモを出して渡した。それは昨日の女の子からだと思う。


 「そんなことよりこれ預かりものです。どうぞ」


 なんだかメガネのない店長は、少し涙目になっていた。

 なぜだろうか?




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