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始まりのメッセージ
月曜日。
いつもと同じ朝が来る。
毎日同じように生きてきた。
たぶんみんな同じなんだと思いながら。
鏡に映る俺。
かわらない日常。
その日も鏡の前で顔を洗う。
仕事に行かなければと思いながらタオルを掴む。
顔を拭いて、再び鏡で自分の姿を確認する。
「何だこれ?」
自分の左腕を持ち上げてみる。
太いマジックで線がまっすぐ書かれている。
「ん~っ」
少し拭いてみるが取れない。どうやら油性マジックのようだ。
強くこするにしても、洗剤を用意するにも圧倒的に時間が足りない。こうしている間に遅刻のカウントダウンが始まっていく。
「しかたない」
俺は身支度を整えて、鞄を持ち玄関に向かった。
あとで消しておこう。
その時は、軽く考えていた。
この線が不思議な出来ごとに巻き込まれる予兆だったことに気付きもせずに。