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僕と勇者のスローな販売ライフ!  作者: かず斉入道
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第1話 ある日の夜 (5)

 本当に僕は、『無心! 無心!』と、心で何度も、呟いたよ。それに『南無……』と、御経まで、心の中で唱えた!

 だって、僕の背に──何かを引きずる音が、更に迫って来るから……本当に、本当なんだよ。

 だから僕は、その後も恐ろしさの余り、今度は。「南無……」と、声を出して唱え始めた──背に迫りくる何か? に、畏怖しているから。こ、これって、夢だよねと?

 と、何度も思い唱えたよ……



 ◇◇◇◇◇



 〈ガサガサ……〉

 〈ガシャン、ガシャン……〉


「うぅ、うううううう……」


 相変わらず、何か金属を引きずるような音──僕の方へと向かって来ているから、本当に恐ろしい……だから僕、本当ならば、商品等の荷物がなければ、この場から逃げ出したいのだよ……


 だってさ、いよいよ、金属を引きずる音だけが、聞こえるだけではなくて──人のうめき声まで、僕の耳に聞こえ出したんだ。

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