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 パーティ会場を見て周り、不備がないかチェックをする。その間も生徒会メンバーは生徒会室で談笑中らしい。出てこないので正確なところは分からない。


 そして恙無くパーティが始まる。

 始まりの挨拶は生徒会長たるアンリの役目だ。

 色とりどりのきらびやかな衣装に身を包んだ生徒たちが会場をさらに華やかに飾り立て、始まりの宣言を今か今かと待ち構えている。その間も、ルドヴィカは誰よりも目立つその衣装を纏いながら、誰よりも目立たず裏方を務めている。

 今もまた、予期せぬ来場者への対応のため、受付担当から説明を受けている。開会の挨拶をゆっくり聞いている余裕すらない。


「それは本当なの?」


「はい。ですがお迎えするための準備もなにも出来ていないのでどうしたら良いのか…」


 少し考えるように目を伏せ、


「分かりました。それならば私が…」

「ルドヴィカ・スフィーア」


 お迎えします、と答えようとしたところで自分を呼ぶ声に振り返る。


<アンリ…?>


 そこにはルドヴィカの通う学園の生徒会長であり、この国の第2王子であり、そしてルドヴィカの婚約者たるアンリ・ナインが立っていた。

 彼に寄り添うように立っているのはピンクの髪を揺らす子爵令嬢ルイズ・ロー。その周りを固めるようにアンリの友人兼側近である面々が立っている。


「アンリ様。どうかなさいましたか?」


 玲瓏たる美声を響かせルドヴィカが問う。その声にほんの少しの疲れと苛立ちが混じっていることに気付けた人間はいないだろう。

 アンリは憎らしげにルドヴィカを睨み付けるとその口を開いた。


「ルドヴィカ・スフィーア。ルイズ・ローに対する数々の嫌がらせは既に明白。そのようなことをするものを王族に迎え入れるわけにはいかぬ。よってここにナナイ王国第2王子アンリ・ナインとスフィーア公爵家長子ルドヴィカ・スフィーアの婚約を破棄する。そして、ロー子爵家令嬢ルイズ・ローとの婚約を宣言する!」


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