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決闘

俺たちは街の商店街をぶらぶらしながら服屋を探す。

なかなか服屋が見当たらなく歩いているうちに色気を漂わせた女の人が店の前で客引きをしている通りに来てしまった。


「ご主人様はここにいきたかったの?

なら、私をおいていきなさいよ・・・」


ラーナが不機嫌になる


「誤解するな、歩いていたら着いてしまっただけだ

服屋を探しに戻るか」


さっき来たところを引き返し違う通りまで行くと服屋が乱立している。色々別れているみたいだな、さっきのところは日曜雑貨と言うことだろう。

あとでそっちも買わないといけないな

さっきの収入で懐にも余裕ができたしほとんどのものは揃うだろう。


「欲しいものを選べよ、何着か選んでおけよ?」


「え?いいの?私奴隷なのよ?しかもここにあるの全部新品じゃない・・・」


妙なところでこだわりがあるみたいだな

かわいい奴に着飾って貰うのは当たり前だ。


「あぁ好きに選べ、別に奴隷とか俺は気にしてない」


そう声をかけると真剣な表情で服を選び出す。

その傍ら俺は自分の服を探しに男物が売っている店に行く。

適当に自分の物を買い終わるとある服が目に入った。

ヒラヒラとした飾りのついた黒のワンピース

ゴスロリみたいだな、ラーナに似合いそうなので買っておく。

さっきの服屋まで戻るとラーナは服を選び終わっていた。


「決まったか?」


「うん、この三着にしたわ」


ズボンとTシャツみたいな組み合わせが三着あった。

戦闘をするのに動きやすいのを選んだんだろう。


「もっとかわいいのでも良かったんじゃないか?

魔法で戦うんだろ?」


「逃げるときどうするのよ、

あと、恥ずかしいし・・・

それよりもご主人様の服も選んであげたわよ」


そう言って見せてくる服は街のチンピラみたいなものだった。


「返してきなさい」


あんなもの恥ずかしくて着られない、男物の服はセンスがないみたいだな。

女物でもあるのかは分からないが。


会計を済ませ日用品の歯ブラシやらタオルなどを買いすべてアイテムボックスのなかにしまう。

どれぐらい入るのだろうか。


太陽もちょうど空の頂点に達しようとしていた。


「そろそろ昼御飯でも食べるか」


ぶらぶらしていると飲食店を見つけた。

何の料理屋か分からないが取り敢えず入ってみる。

俺たちが入るとガヤガヤとした店内が静まり返り視線が俺たちの方に集まる。

しばらくするとまたガヤガヤとしはじめる。

空いている席につくと、ラーナが俺の後ろを立ったまま動こうとしない。


「どうした?席に座らないのか?」


「わ、私は奴隷だから一緒に座るなんて」


あぁ、そういうことか、やはり気が強い割りにそういったことを気にするんだな。


「俺はお前が奴隷だから食事を与えないとかそんなこと思ってないし、それ以前に奴隷とか気にしてないから一緒に食べるぞ。あと、これからそんな事気にしなくていい、気になるんだったら解放してもらおうか?」


それを聞いたラーナは俺の目の前の席に座る。


「解放は無理だと思う。魔族だし、よっぽどのことがない限り信頼はしてもらえないわ

別にこのままで大丈夫、頑張るから見捨てないで」


弱々しく放つ言葉に同情なのかよく分からない感情が芽生える。


「安心しろ、見捨てない」


俺たちがお互いを受け入れたのはこのときからだろう。


適当に色々頼んでみたが名前からどういう料理か見当がつかない。ゲテモノが来たらどうしようか。

その予想は大きく外れたが他の問題が浮上する。


「この量は多すぎだろ」


大盛りにしたつもりはないし値段も手頃な値段だったのだが一品一品の量が多すぎる。

全部合わせると3キロ近くになりそうだ。


「すこし頼みすぎたみたいだな」


全部の料理を少しずつ食べたところで満腹になる。

残っているのはあと2キロぐらいだろうか

さっきからラーナが黙々と食べている。

よっぽど腹が減っていたのだろう。


「大丈夫か?無理するなよ腹壊すぞ」


「まだ余裕よ、ご主人様はもう食べないの?」


まだ余裕とはこれから食費がかかりそうだ。

結局全部ラーナが食べきった。こんな細い体のどこに入っているんだろうか。


食べ終わりすこし休憩しているといかにも柄の悪そうな三人組がこちらに近づいてくる。

トラブルになるのもめんどくさいので出ていこうとラーナと立ち上がると声をかけられる。


「おい、ちょっと待てよ。魔族の娘なんて連れてきてどういうつもりだよ。飯が不味くなっただろ俺たちの代金はらってくれね?」


ないを言うかと思えば暴論を唱え始める。

嫌だったら違うところで食えばいいものを

しかも、やつらは俺たちよりあとに入ってきて

ラーナと目が合い嫌な顔をしていた。

元から難癖をつけてただ飯を食おうとしていたのだろう。

無視して会計を済ませ店を出ようとすると


「おいおい、俺らはこれでも高ランク冒険者だぜ

怒らせると痛いめにあうぞ」


このまま帰れるわけもなく店に迷惑がかかるので取り敢えず払っておく、取り敢えずだが


「お前ら喧嘩を売ってきたんなら相手してやる。

ここでは店に迷惑がかかる門前の広場に来い

もちろん高ランク冒険者なら逃げないよな?」


相手を挑発するためにニヤリと笑う


「いいだろう、俺たちが決闘の手続きをしといてやるよ」


民間でのトラブルを解決するのに決闘をして決めることを知っていたので決闘に持ち込んだ。


「ご主人様大丈夫なの?あの口調だと相手も大分自信があるみたいだけど」


「あぁ心配するな、絶対に勝って見せる」



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