『喧嘩する中身』を「まわりオチ(繰り返し・入れ子構造)」で。プラス「患者」
ここは私立病院の向かいに位置するファミリーレストラン。このファミレス"ダスト"のメインのターゲットはお見舞い帰りのファミリー層だ。骨折等の外傷の患者も良く訪れている。だから、これから話すような光景は実によくある光景だ。
「ドリンクバーは如何なさいますか?」
「あ、3人分。隆、美里、お前らいるよな?」
「うんー」
「いるー」
「かしこまりました。グラスはあちらのドリンクバーのほうにございますのでそちらからお取りください」
「ボク先にいってくるー」
「アタシもーお父さんなに飲むー?」
「あ、こら…コーラ!コカコーラな!…なんかすみません…」
「ふふ、大丈夫ですよ。ご注文は以上でよろしいですか?」
「あ、もう一つ追加でお姉さんのスマイルいただけますか?」
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「どれにしようかなー」
「とりあえずお父さんのコーラかなー…あ、ペプシしかないー…」
『あ?ペプシだってコーラだろうがよ。ふざけんなよガキが炭酸強めんぞコラ』
『ハハッ!これだから野蛮人は…こんな野蛮人は置いておいてミーを選びたまえよボーイ&ガール?』
『あ?うっせえぞファンタ!』
そんな会話を繰り広げているのは今日入ったばかりのドリンクバーのペプシとファンタ(メロン)だ。
『だいたいなんだ?お前別に輸入されてきたわけでもないのにその似非イングリッシュは?』
『ハハーン?生まれが海外だからね?どうしてもマウスからゲラウトしてしまうのさ…』
『ゲラウト…?ああ、get outな…出る、だったか、やりづれえな、お前。ていうか俺だって生まれは海外だぜ?』
『シャラップ泥水。ただのブラックウォーターのユーはコーラ先輩の劣化版だろう?お前をファミリーだとは認めるわけにはいかないのさー』
『あ?てめえ喧嘩売ってんのか?買うぞコラ?』
『ほら、そのセンテンスからももうコーラ先輩のネームがゲラウトしてるぜ?アンダースタンドしなよ、ユーのルーズを?』
『ああ?ゲラゲラうるせえだよ!勝負するか?』
『ファイト?何のだい?』
『どっちがあの子達に選ばれるかだ!』
『ファンタスティック!いいね!』
『や、やめなよー…そんなことしても意味無いよー…』
『日本産は黙ってろ牛乳みたいな色しやがって』
『ジャパニーズはシャラップしてろよ。もっとウォーターで薄めてあげようか?』
『ふええええええええええ』
『『勝負だ』』
「ペプシとファンタ混ぜたら美味しそうじゃね?」
「うん美味しそう!」
『…おいおい坊や何を言ってるんだ!勝負にならないだろ!!』
『…へいプリティガール!かなりクレイジーだよ!』
ポチッ
『あ、出る!出ちまう!!やめろ!!!』
『あ!ゲラウト!ミーがゲラウトしてる!!!』
『やめろ、こいつとなんか一緒になりたくない!ペプシは孤高だ!!一番なんだ!!!』
『ミーだってこんなのと混ざるくらいだったらオレンジやピーチ達と混ざりたかったよ!ファッキン!!』
『『…あっ』』
「あ!美味しい!!」
「ほんとだー!」
『…俺達の分身は混ざりきってしまったな…』
『…ベリーにサドだけどザッツライなメイビーだね…』
『(もう何言ってるかわからないよ…)』
『だけどあれだ…俺達はただのジュースだ。…美味しく飲んでもらえればそれでいいのかもな…』
『イエス…チルドレンのスマイルはエブリシングにヴィクトリーだね…』
『(あ、ちょっとわかった)』
『悪かった。同じドリンクバーの仲間だ、仲良くしよう』
『オフコース!ミーこそソーリー…フレンドリーなエブリデイにしよう!』
『(良かった…!)』
「退院してからの初ジュースじゃない?博人くん」
「うんーどれにしようかな!ペプシかファンタかな?」
『『………………………』』
『おいファンタ…ここは俺に譲ってくれてもいいんだぜ?』
『譲る?オーケーオーケー?ユーはもうミーにルーズしたとシンクしてるんだね?』
『あ?誰が負けを認めたって?お前になんか楽勝だっつーの!』
『ミーだってセイムさ!絶対ミーからゲラウトしてみせるよ!!』
『『勝負だ』』