『頭の中の海』を「逆さオチ(立場の逆転)」で、プラス「星」
悩みがある?そんなもんここで言うんじゃねえよ。もっとエコに生きようぜ。
…馬鹿野郎。そんなもん飲みの席で語るんじゃねえよ。酒って言うのはな、嫌なことを忘れるために飲むもんだ。
あ、エコがどうしたって?あー忘れろ忘れろ。飲みの席で語りとかするもんじゃねえよ。え、どうしてもって?仕方ねえなあ…
いいか、どうせお前のことだ。しょうもないことで悩んでんだろ。やれ女がどうしたとか、仕事がどうしたとか、趣味がどうしたとか。そんなもん考えたってなんも意味ねえんだよ。
海を見てみろ海を。いつだっておーきくゆったり流れてんだろ。それくらいのでけえ心臓もって強く生きろや。なんだったら今から見に行くか?…飲酒運転?…ああ、そうだったな…代行とれっかな…
まあいいや。見れないなら想像しろ。ほら、今月の光に照らされた黒く澄んだきれーな海があんだろ。想像しろって。いや、目をつぶれよ。ちゃんと思い浮かべろや。酔ってるから無理?やりもしねえで言うなほら!
よし、想像したか?綺麗だろ?きれいじゃないなら綺麗なやつを想像しろ
でだ、そこがどんどんどんどん緑色に染まっていくんだ。きったねえ、澄んでもいねえ。まるでさっきのゲロみてえだな。あ?やめろ?綺麗だったのに?そうさせてんだよ。いいから目えつぶってろ。
ほら、どんどんどんどん汚くなっていく。もう月なんて写ってないね。星なんて持っての他だ。今お前の頭の中にある海はびっくりするくらいきたねえだろ。浮いてるのは星がなくて、せいぜい気味悪い色したヒトデってとこだな。…俺のせい?まあ俺のせいかもな!
その汚い海っていうのは、お前の悩みそのものだ。だからきたねえ。ほんときたねえ。吐き気がする。いや、酔ってるからかもなんだけどな…
俺の頭の中にはまだ綺麗な海が広がってるんだ。だってほら、俺はなんの想像もしねえでただ喋りたいこと言ってるだけだからな。俺の頭ン中にはさっき食った刺身みたいな新鮮な魚が泳いでんだ。あ?言葉がおかしい?何がおかしいんだよ。酔ってるからおかしいのが普通なんだよ。
まあ最後まで聞けって。考えても見ろ、俺の頭ん中には綺麗な海が、お前の頭ん中にはゲロみてえな海がある。さっきの俺みたいにきたねえ話をされると、俺の頭の中までゲロまみれになっちまう。
もうわかるな?お前は俺の海ン中にゲロを吐こうとしてるんだ。もっと言えば、愚痴を言うってゆーのは不法投棄みたいなもんよ。自分のきたねえもんを他人に押し付けてんだ。
そんなもん誰が喜ぶ?お前が聞きたくもないことが、俺が聞いて楽しくなるわけねえだろ?
わかるか?不法投棄なんてすんな。エコに生きようぜ。