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僕の単純な恋愛日誌。  作者: 湯浅菜月
新田コウ
3/3

3

「コウ、ちゃんと幸せにしてあげてよー!」

披露宴にてモイちゃんが俺に笑う。式はとっくに終わった。

「ユイきゅん泣かせたら僕が貰う」

アツくんが眼鏡を押し上げながら冷淡に言い放つ。

「アツ!?それは駄目!!」

モイちゃんがアツくんの腕を振りながら涙目になる。

「アツくんも、モイちゃんも元気そうだね。良かったぁ。」

安堵する呑気なユイ。先程の二人の会話は完璧な無視だ。 俺も口を開く。

「っつーかさぁ、モイちゃん、さっきアツくんのこと今…」

「アツ?」

「うん。何か呼び方変わったな」

「ふふふー」

意味深な笑い方に疑問を抱く。

「あ?」


「私とあっくん、3ヶ月後に結婚します!!」


「え?」

「は?」

「あーあ…バレた」

ユイは目を見開いて

「な、なんで!?付き合ってたの!?」

と問う。 それにアツくんは頷いた。

「正直、二人が結婚するって半年前聞いてさ。焦った。っで、まあ…なんか合ったのがモイちゃんだったんだよ」

「良かったねー、安心した」

「ああ。」

ユイは嬉しそうだが俺は──。

けど俺は、ユイと夫婦だ。少しだけの後悔を胸に秘め、幸せを握ったまま二人で歩んでいくのだ。


それから少しして、モイちゃんとアツくんの式があった。なんだかんだで大事な親友だから、嬉しかった。他に感想はない。


その後、夫婦にそれぞれの命が宿った。

モイちゃんたちには女の子。 俺らには男の子。

二歳まではいつも一緒に遊んでいたが、アツくんの転勤で女の子とモイちゃんは遠い街へ行った。

けれど運命とは綺麗なもので、女の子と男の子はやがて再会し家族になった。

それはどういう意味があるのか…俺にもわからないけど、俺らはきっと、ずっと同じ場所にいたんだろう。

遠い街も何もない、四人がただ楽しく過ごしたあの時間に─────。

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