3/17
3 ☆
☆
その子は、泣いていた。
ずっと、ずっと、泣いていた。
いつまでも、いつまでも、泣いていた。
だから、声をかけた。
自分に何ができるのか、とか。
自分に何かできるのか、とか。
そんなことは何も考えず、ただ、声をかけた。
どうしたの?
するとその子は一度こちらを向き、すぐにまた泣き出した。
だから、もう一度声をかけた。
なにかあったの?
するとその子は泣きながら教えてくれた。
自分は車に乗っていた、と。
パパとママと、三人で乗っていた、と
すると、急に車が大きく揺れた、と。
ママが大きな声で叫んだ、と。
パパも大きな声を出した、と。
そして、気が付いたらここにいた、と。
そして、ここには自分しかいない、と。
独りぼっち、と。
言い終わると、その子はまた泣き出した。
それは、とても悲しいことだった。
泣いてしまうことは仕方のないことだった。
でも、だからこそ、泣いてほしくないと思った。
だから、声をかけた。
元気、出せる?




