謎の少女
あの夢を見てから数日が経過していた。
あの少年は学校にいた。
彼の名前は秋山 海斗。地元の公立高校に通う高校1年生だ。
「海斗! 面白そうな企画見つけたから見に行こうぜ!」
海斗の友人が話しかけてきた。
彼の名前は鈴木 和也。海斗とは小学校のときからの友人である。
「......ああ、いいよ」
「どうしたんだ? 文化祭だというのに元気がないぞ。悪い夢でも見たか?」
「まあな」
「どんな夢かは知らないけど、所詮夢だ。気にするな」
「別に気にしてないけど......」
(どうもあのときの電波時計の時間が気になる)
「とりあえず行こうぜ」
「うん」
そして2人は教室を出た。
「で? その面白そうな企画とは?」
歩きながら海斗が和也に聞く。
「ああ、高校のOBでゲームクリエイターになった人がいて、その人の話が聞けるらしい」
「マジで! 楽しみだな!」
「ゲーム好きのお前ならそういうと思った」
「お前だってゲーム好きだろう!」
そんな会話をしながらしばらく廊下を歩いていた。
お化け屋敷、双六、射的、迷路......各クラスが様々な思考を重ね作り上げた学級企画が所狭しと並んでいる。
そして教室の前では生徒が各々の学級企画を宣伝している。
そんな中、キーホルダーを売っている女子生徒が海斗に声をかけた。
「秋山君。キーホルダーはいかが?」
海斗はドキッとした。
そしてその少女の顔を見た。
(......誰だ? この人? なんで俺の名前がわかったんだ? ......もしかして制服のどこかに名前があるとか......)
そして海斗は自分の体を見回した。しかし、名前は見つからなかった。
すると
「買う買う! 1個ちょうだい! 海斗ももちろん買うよな?」
和也が言った。
「うん......俺にも1つ」
「150円になります」
2人はそれぞれお金を払った。
「はい、どうぞ」
そして少女はキーホルダーを2人に手渡した。
「ありがとうございました」
「あ、あの......なんで俺の名前がわかったの?」
海斗が少女に聞いた。
「私のこと覚えてない?」
「えっと......」
考え込む海斗。
「おい海斗! 時間ないから早く行くぞ!」
和也が言った。
「ああ、わかった」
海斗はうなずきながら言った。
「って事でごめん。また今度」
海斗はそう少女に言うと和也と一緒に走り出した。
そして数分後......
「着いた。あの教室だ」
「君たち、先輩の話を聞きに来たのかい?」
教室から1人の男子生徒が出てきた。
「はい、そうです」
和也が答える。
「では、中に入ってくれ。座席は特に決まってないから適当に好きな席に座ってくれ」
そして2人は中に入った。
中は暗かったが、普段の教室と変わりなかった。
ゲームクリエイターの人の話が聞けるという割には人が少なすぎだ。
海斗達を含めて6人しかいなかった。
「先輩が来るまでもう少し待っててくれ」
そして男子生徒は教室を出た。
(さっきの女子......誰なんだ?)
海斗はあれからずっと考えていた。
すると、どこからともなく声が聞こえた
(Her name is Ami Sakuraba)
(サクラバ アミ? そんな人、俺の知り合いにいたっけ? というか何で英語なんだ?)
「なあ? 今、変な英語聞こえなかったか?」
海斗が和也に聞く。
「いや、俺は聞こえなかったぞ」
「そう......ただの空耳か」
「そういえば海斗。お前桜庭さんと知り合いなのか?」
「お前......今何て?」
「だから、お前さっきの女子と知り合いなのかって聞いてるの」
「その子の下の名前って"アミ"?」
海斗は恐る恐る和也に聞いた。
「ああ、彼女の名前は桜庭 愛美だぞ。やっぱ知り合いなのか?」
「いや、知らない......そんな人」
海斗は震えながら言った。
(何なんだ......一体?)
「やあ、待たせたね」
教室に声が響いた。
「僕が高校のOBの笹川 充だ。よろしく頼む」
OBと思われる人がさっきの男子生徒と一緒に教室に入ってきた。




