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Real Role Playing  作者: Unknown
第3章:新たな仲間
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ホテルガーディアン

 ゲーム開始から2週間が経過していた。秋山海斗は基本的に単独(ソロ)で行動していた。


「今日はもう宿へ戻るとするか」


 海斗はクロスロードで常宿としている宿へ向かった。その宿屋はクロスロードの北東部に位置しており、一泊500Sで食事付きという好条件だった。

 ただ、500Sを貯めるには魔物(エネミー)をたくさん倒さないといけない。クロスロード周辺の魔物(エネミー)は1体あたり平均3Sしか落とさない。ドロップアイテムを含めても最低100体は倒さなければならない。


 即ち、宿に泊まるにはそれだけのお金が必要なのだ。ただ、劣悪な環境が覚悟の上なら1泊50Sくらいの宿もある。反対に1泊10000Sする高級な宿屋も存在する。


 要するに、それなりの宿に泊まりたければ戦って金を稼げということだ。


 プレイヤーの中には死を恐れて街に籠っている者もいる。では、そういうプレイヤーはどうするか?


 1つ目は野宿だ。街の中の目立たない場所で寝る。そうすれば、お金はかからない。だが、この方法を取る人は少ない。

 2つ目は安い宿を利用すること。戦っていないからお金はないのではと思うだろうが、実はレベル10以下のプレイヤーには1日につき100Sが運営より支給されている。これにより、劣悪な環境の宿屋なら利用することができる。そういうプレイヤーの大半がこの方法を利用している。

 そして3つ目は24時間営業の喫茶店で一番安い品物を頼み、そこで夜を明かすという方法だ。この方法は街に籠っているプレイヤーより、装備品にお金を使いすぎて宿に泊まるためのお金がなくなってしまったプレイヤーが使う手段である。実際に海斗も1度、これをやったことがある。


 このようなプレイヤーは現在、全プレイヤーの5分の1を占めていると言われている。


 ある時誰かがこのようなプレイヤーをこう呼んだ。


宿屋警備員(ホテルガーディアン)」と。


 元々この言葉は宿に籠っているプレイヤーのみに使われていたが、次第に戦わないプレイヤー全体を表す言葉となった。






「すみません、1泊したいんですけど」


「500Sになります」


 海斗は宿代を払い、指定された部屋へ向かった。


 部屋へ向かう途中。


「秋山君、明日の宿代を僕に恵んでくれないかい?」


 眼鏡をかけた小太りの男が海斗に話しかけてきた。ほぼ初期装備に身を包んでいる。彼も宿屋警備員(ホテルガーディアン)の1人だ。


「今日はもう装備に金を使って明日の自分の宿代もないんだ。他をあたれ」


「あれ、その割りには装備が昨日と変わってないよね」


海斗は足早にその場を去った。




「......明日この街を出るか、それとももう1レベル上げるか」


 海斗は迷っていた。それは、海斗が次に目指す街レティアの目標レベルが15だからである。

 現在の海斗のレベルは14。目標レベルは、このレベルがあれば難なく行けるだろうというどこかの廃人が考えた数値。1低いくらいで行けない訳ではない。だが、海斗にはここに留まる理由があった。


「......もう1日。駄目なら明後日こに街を出よう」



 そして翌朝。


「秋山君、起きるの早いね」


 昨日の宿屋警備員(ホテルガーディアン)が話しかけてきた。


「今日1日グルクエに専念する」


「例のアイテム狙いか。頑張れよ」


 海斗は無言でその場を去った。





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