それなりに離れてるからいいんです。近すぎると熱くて死ぬんだから
すごく、今トイレ行きたいです………←ここで書くことではない
人生なんていつなにが起きるかわからないものだ。
穏やかな昼下がり
はるか遠く、真上の空に輝く太陽を見上げながら、里沙ことリーシャはそう思った
生まれたときから平凡に、可もなく不可もなく人生を送ってきた。
約3200gでこの世に生を受け、生後3ヶ月で首が座り、6ヶ月で初めてのお座りをして1歳の誕生日頃に「まぁまぁ」「ぱぁ~ぱぁ」となんともまあ舌っ足らずな声で喋れるようになった。
至って平均的な育ち方をした赤ん坊だったのだと思う。深くそう思う
体重も身長も脳の発達具合も他の子とのコミュニケーションの取り方も教科書に書いてあるような模範的な平均値のそのまんま。
公園で遊んでる時母親が他のママさん友達と井戸端会議でも
「うちの子、歩いてもすぐ転んだりして歩き方が安定しないのよ。もう3歳になるのに」
「あら、それは大変ね~。うちの子はね、最近通わせ始めた塾で飲み込みが早いなんて先生に褒められちゃって、まだ4歳なのに割り算の勉強を始めたのよ! 将来有望だわ~」
「まあでも聞いてよ、うちの子なんて女の子のお友達からモテまくちゃってこの前のバレンタイン、10個もチョコもらってきてたのよ~」
なんて不満、自慢話とは一切縁がなかった
「あらそうなの? 大変なのね~」
「すごいわ、そんなに早いうちからお勉強して。うちの子にも見習わせたいわ」
「まあ、それじゃあこれからおっきくなったら彼女さんとかすぐにできそうね」
とまあ、適当にそんな相槌を打つだけで、自ら率先して我が子について話すということもないくらい
自分には思わずお涙頂戴な程身体が弱くもなく、親がく〇んとか〇マハに毎月糞高い月謝を払ってまで通わせたくなるほど頭が良かったわけでもなく、街を歩けば子役にスカウトされるほど目ん玉飛び出るような容姿もなかった。
せいぜいはまあ可愛いかな程度、しかもそれは親戚のおじさんおばさんが姪っ子を可愛がる時に言われるようなニュアンスだったし、まあちっちゃい子は誰だって「可愛いね」くらい言ってくれる。
そりゃそうだ。5歳児に「キミブサイクダネ」なんて言う奴いるか?
否
そんくらいの年の子はみんな似たり寄ったりな顔つきではないか
成長してアルバムなんか振り返ってみれば
『あー、あの頃のあんたはこ~んなちっちゃくて可愛かったのにな~』
と大体の子供は親にそう残念そうな顔をして溜息をつかれるじゃないか
総じて、“ちっちゃい子は可愛い” これ、人間の刷り込み要素
可もなく不可もなく
平平凡凡
『里沙ちゃんはみんなよりお姉さんだね。偉いね』
幼稚園でガキ大将と言われていた子とおもちゃの取り合いになりそうだった時、そのおもちゃを譲って言われた先生の言葉が里沙の最大の褒め言葉
ただ単にいざこざが起きるのがめんどくさかっただけなのだが。
それから幾度もなく知り合いの大人から言われるのは
『里沙ちゃんは大人しくてお姉さんらしいね』
この一言に尽きる
先に言っておくと里沙に妹、弟はいない。
ついでに兄妹と呼べるような存在はいない。つまりはひとりっ子である
だが他人から見ると里沙は少々年のわりに冷めた子だったようだ。
小学生ごろになると女の子のほとんどがハマる某少女雑誌『ち〇お』なんかにもまったく興味は示さなかった。
異様に目がでっかく、顔の半分以上が目というあの強烈に人間として大変おかしい絵面が気に食わなかったんだろう
他にも毎月買わなきゃいけないめんどくささなどもあったが
代わりに漫画は漫画でも低学年のころから図書室で『はだしの〇ン』を読みふけり、若干7歳にして戦争反対!戦争反対!! 持たず・作らず・持ち込ませず!!と非核三原則を家で叫んでいたという
……変なところは熱かった。
閑話休題
ええとつまり
ここで言いたいのは自分がいかに平凡か、だった。
とある事情によりその平凡は1年前には木端微塵に切り刻まれ、過ぎ去っていってしまったが、里沙はその中でも自分の平穏は守りきってきたつもりでいたし
あれだけ嫌っていた戦争をやるようになっても、自分の信念だけは曲げずにいた
だから平凡さを失ってしまっても
「―――――――――――………シャ………………!」
人間のようで人間でないものに変ってしまっても、
「―――――リ――――…………シャ!」
己の妙に冷めた性格はあまり変わらなかったのに。
「リーシャってば!! 現実逃避しないで戻ってきてー!!」
…………………………………………………。
……………………………。
はっ
「な、なに? ルク。」
「なに? じゃない! 大丈夫!? あまりのショックさに白目向いてたけど!」
あまりの衝撃に頭が付いていかず現実逃避に走っていたらしい。頭を振って「大丈夫だよ」と友に応える
「そ、それより、あいつなに!? さっきいきなり“空間歪み”から出てきたんだけど!!」
ようやく現実に戻ったリーシャは、友の声を聞いて我に返った
「………っつ………う」
地面にうずくまっている“それ”に近づき、しゃがむ
ああ、忙しくも落ち着く平穏を、今まで必死に守ってきたのに
「――――――――――どうしようか。これ」
つかの間の平穏が音を立てて崩れていくのを感じながら、リーシャはまるで死体のように動かない青年を人差し指で突っついた。
トイレには無事に行けました!
最低でも一週間に一度位の更新ペースでやっていきたいww
もう文才が欲しくてたまらないですorz
多分文章的にもおかしなところがいっぱいあると思いますが、御容赦おねがいしま~す(涙
ちなみにち〇おについては作者は根っからのち〇おっこで、毎月楽しみにしてました///
そして大した才能もないのに〇マハにも通いましたww
次からは本格的な太陽君と魔女さんの出会いで、お話スタートです