第二話「小笠原帝国誕生」
今回は少し本文が短くなってしまいました。お許しください。
紀元前9963年、3月9日午前5時26分(小笠原暦)、初代太閤没
翌、3月10日二代目太閤にシトウ殿下が着任、国名を「小笠原国」から「小笠原帝国」に改名した。
晴れて太閤となったシトウは、ある1つの作戦の実行を決定した。その名も、「関東上陸作戦」である。上陸のために用意した軍事力は以下の通り。
大型戦艦(木造)2隻
上陸兵力 三個兵団(一個団15人)
これほどの兵力の投入には、訳があった。関東地方にはまだ、小笠原人と同じ知能を持った人類がいる可能性があったからである。
3月15日、作戦決行当日
「何!?関東地方から通達が来ただと?」
シトウは大声を出した。
「は、はい。間違いありません。」
「それで、なんと言ってきているのだ?」
「はい。『我々関東人は、貴国の小笠原帝国に編入を希望するものである。どうか良い返事を待っている。』」
「間違いないのか?」
「はい、その証拠に関東地方で採取した『イオウ』と言うものを献上してきました。」
「イオウ?なんだそれは?」
「なんでも火を付けると燃えるものだそうです。」
「火を付けると?なるほど。」
「ところで、派遣の件、いかがなさいますか?」
「・・・三個兵団を二個兵団に減らして、派遣は行う。」
「分かりました。」
そう言って、部下は下がっていった。
「・・・関東人、か。」
こうして、小笠原帝国の日本列島進行作戦は開始された。