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計算機科学

フロッピーディスクの終!夜眠れないのでアナログとデジタルとをぼんやりと考えてみたら迷走した!(64)

●フロッピーディスクの終!夜眠れないのでアナログとデジタルとをぼんやりと考えてみたら迷走した!(64)ーFD4


 ***


 前世紀末の20年程はフロッピーディスク(FD)が便利に使用されていました。今世紀になってからも10年位はFDは販売されていましたね。


 そんなFDの終わりの話です(個人の印象ですよ)。


 ***


 フロッピーディスク(FD)とフロッピーディスクドライブ(FDD)は、日本では1983年頃からパソコンでの利用が広がり始めて、MS-DOSと共にパソコンを起動するシステムとして、市販ソフトの媒体として、それと作成したファイルの保存のために利用されました。


 *


 最初にFD・FDDの役目を奪ったのはHDDです。


 1984年頃にはHDDは 20MB で40万円と高価でした。パソコン本体より高い感じです。なのでFDDの利用が(日本では)広がったのだと推測します。FDDも1978年頃だと高かったのだけど、この頃には安くなったから。


 1987年頃になるとHDDは 20MB で10万円前後と安価になってきて普及が始まります。MS-DOSなどのシステムと市販ソフトなどの全てをHDDにインストールして、HDDからパソコンを起動してアプリを利用するのです。アプリを使う度にシステムFDを入れ替える必要がなくなって快適になりました。...、例外は沢山あるのですけど。


 1990年代を通じて、AT互換機(DOSV機)が増えていきます。AT互換機はHDD内蔵が標準的でHDDの普及も加速したのだと思います。


 1995年のWin95でHDDが必須になりました。Win95はHDDに 75MB の空き容量があることが利用条件なのです。


 このようにパソコンを起動する際のデバイスとしての役割は無くなりました。

 

 FDの役目は次々と奪われて行きます。


 市販ソフトの媒体もFD版からCD-ROM版に代わっていきます。アプリは年々巨大化してFDだと何十枚にもなるからです。Win95はFDが21枚でしたよ。


 作成したファイルの保存先としても、半導体メモリを利用した記憶媒体が多々出現して利用が増えました。典型的にはSDカードやUSBメモリです。FDは安価なだけで容量・速度・使い勝手などの面で勝てなかったのです。


 それでもパソコンが不調になった時のためにFDDは必要だと考えられていました。OSの再インストールにはFDが必要でしたから。これがHDDが普及してもFDDが残っていた理由なのでしょう。


 これが1999年になると、インテル社が発表した「レガシーフリーPC」ではFDDはレガシーデバイスとして今後はパソコンから追放されることになり、2000年のWin2KではOSのインストールもCD-ROMだけで可能となりました。


 *


 こんな感じでFDのお役目は無くなって行きました。あとは普及したFDが徐々に消えていくのみです。でも安価なFDの利用価値はそれなりにあって直ぐには無くならないのですけど。


 *


 2004年には「過去の遺物」だと指摘されて「まだ使っている!」との反論も出たようです。


 2009年まではFDも生産されていて、FDDの出荷台数もゼロではなく、FDD用のインターフェースが残っているマザーボードも販売されてました。


 2009年3月には、FDの販売を終了するメーカーが出始め、同年9月にはFDDの生産終了のアナウンスも出ました(2010年に終了予定)。FDD用インターフェースがないマザーボードが目立ち始めたのもこの頃です。


 2011年3月にFDを生産する国内メーカーが無くなりました。


 2012年にはマザーボードからもFDD用インターフェースは無くなっていました。



  (終)

 ーーーーーー

 制 作・著 作

 まだみていな



 ***


 **


 *


 あ、うそ、うそ、FDの話はもう少し続きます。


 *


 **


 ***


 以下は調べた事実関係などです。


 過去の雑誌記事やネットのブログなど読み漁って理解したことに、幾らか憶測をお付けしてお送りします。基本、駄文なのでよろしくお願いします。


 *


 **


 *** 1980年代


 8インチFDDが健在で、日本だと1981年発売の if800 や1981年発表・・の MULTI16(発売は1982年)などで採用。

 雑誌広告を見ると、外付けのFDDユニットと各社パソコン用インターフェースカードと言った製品も複数見つかります。

 5.25インチFDDが普及し初めていて、1981年8月発売の IBM PC でも採用。

 それから、できたばかりの3.5インチFDを初めてパソコン用に採用したソード社の M23 mark I が1981年11月号の雑誌広告に登場しています。


 その一方で、1981年4月発売の MZ80B はカセットテープレコーダを標準搭載していたり。...、カセットテープのインターフェースではなくて、レコーダーが本体に組み込まれているのですよ!

 それからバブルカセットを装備した BUBCOM80 が1981年9月に販売されています。バブルとは? FM-8 ではないのか?

 HDDは既に製品として販売されていますが、日本のパソコン雑誌などでは存在感がなさげです。


 1983年3月発売の IBM PC/XT と1984年8月発売の PC/AT は、HDDを標準搭載したモデルがあり、この辺からHDDの利用が広がったようです。アメリカを始めとする世界ではね。


 日本でのHDDの普及はもう少し後で、むしろ1983年頃から(5.25インチの)FDDの利用が広がった感じです。


 1983年10月発売の PC9801F2 は2DDのドライブ、1984年11月発売の PC9801M2 は2HDのドライブを搭載したモデルでした。それから1985年7月の PC9801VM2 は2DDと2HDの両用ドライブです。


 これらがとても売れたのです。8ビットのマイコン時代とは違って実用になるパソコンとして。


 ソフトも沢山販売されました。


 雑誌広告によると、一太郎(1985年8月)、マルチプラン2.0(1986年2月)、ロータス123R2J(1986年9月)、dBASE2(1984年?)、ZsStaff(1985年)、ミュージくん(1988年)。

 それから、ロードランナ(1983年10月)、倉庫番2(1984年2月)、大戦略(1985年11月)。あとエロいの。

 それから、えーと、RED(1985年、赤い衝撃)、FINAL(?)、MIFES98(1985年)、VzEditor(1989年、ソースコード付属)。

 あとは、TurboPASCAL3.0(1985年8月)。BDS-Cとか、α-C、Lattice-C、MS-C。


 1984年10月発売の PC9801F3 や1985年2月発売の PC9801M3 はHDDを搭載したモデルでしたが、FDDのみのモデルに比べて40万円くらい高かったのです(20MB なのに!)。ちょっとお小遣いでは買えない感じですね。


 1987年には日本でもHDD(20MB)が10万円を切る価格となっていて、この頃からHDDの普及が始まったと考えられます。

 雑誌をチェックすると「特集ハードディスク」とか「失敗しないハードディスク選び」や「ハードディスク入門」などの記事が見つかります。


 この後、HDDの容量は 40MB、80MB、100MB、...と増加して行きます。ICMとか、緑電子とか、ロジテックとか。


 *


 余談になりますが。


 1987年の少し前には「ラムディスク」に辞書を転送して、カチカチという音無しでスムーズな変換速度で執筆するスタイルが流行していました(一部の人だけかも)。増設RAMボードとかEMSとかって話です。この時まではFD起動で特段の問題は無かったのです。


 HDDが安価になった1987年には、諸々のアプリを全てHDDにインストールして使う人が増えました。


 なのに、この時の一太郎 Ver2 はまだプロテクト付きで、アプリの起動時に一太郎のシステムFDが必要でした。当時の市販ソフトとしてはプロテクト付きは良くある話だったのですが。

 それで、一太郎を起動する毎に一太郎のFDを差し込むのは苦痛だと指摘する雑誌記事が出ています。


 そんな不便を避けるためか、1987年6月発売の一太郎 Ver3 ではコピープロテクト無しになりました! イイね!


 *


 更に余談を、...させて、...、ダメ? あ、はい(...、あとで加筆しよう)。


 *


 **


 *** 1990年代


 1990年を過ぎるとDOSVの襲撃を受けてAT互換機が増えて、数年も待たずに国内メーカもDOSV機を販売するようになり、やがてPC9801は劣勢になりました。98(キューハチ)は来世紀には生き残れない感じ。


 1991年にDOSV推進団体であるOADGが結成されて、1993年頃には東芝、富士通、エプソン、日立などからDOSV機が発売。海外メーカも日本市場に参入。


 コンパックとか来日して凄かった! ゲートウェイも来たけど直ぐに帰ったよ(怒)! HPとデルは今も元気?


 DOSVが来た後は、パソコンの主要パーツが個人向けに市販されるようになって、これらを自分で組み立てる「自作パソコン」が流行しました。DOSV雑誌も幾つか発刊。

 ケースと電源、そしてマザーボードを選びます。それからCPU・メモリ・HDD(OSも一緒に購入)。これでパソコン本体が一応できます(最初の頃はVGAカードやLANカードらも必要でしたが、後にはオンボード機能になってます)。キーボード・マウス・モニタは既存のを流用するかな。あ!FDDとCDドライブもよろしく。

 HDDはベアドライブで購入して自分で好きなようにするのです。内蔵しても外付けでも良い。HDDの接続用のIFカードで数万円プラスとか、ケースに入れて更に数万円プラスとか不要なのです。当時の雑誌を見るとワイワイと騒いでいる様子がとても楽しそうです。

 それで気が付くと2000年頃には、HDDは 20GB〜40GB で1万円になっているのです。さっきまで(読んでた雑誌では)20MB で10万円だったのに。10年で1000倍の容量、価格は10分の1。


 メーカー製のお高いパソコンを高級品と思って購入する人が多数派(個人の印象です)だったので、この頃が自作が楽しかった時期なのでしょうね。安価で高機能(大容量)になったパーツを順次交換していたら、余ったパーツでもう1台パソコンができてしまうのです。家計サイドからの異論は認めます。と言うか購入前に相談して! ショップで衝動買いしないで!

 自作ブームはマスコミでも紹介されてしばらく続いたようですけど。今も続いているかな?


 それから、Windowsの登場です。MS-DOSはFD1枚に収まる程度のシステムだったのですが、WindowsはHDDがあることが前提でした。

 1990年にWin3.0が、1992年にWin3.1が発売されました。それから1995年にWin95です。Win95はFD版だと21枚組、CD-ROM版はCD1枚とFD1枚で、HDDに 75MB の空き容量が必要。1998年にはWin98が発売されて、これがPC9801の最期かな、...。


 *


 HDDが普及して、ファイルはHDDに保存するようになっても、FD(とFDD)はOSやデバイスドライバのインストール用に使われていました。なのでパソコンにFDDが標準搭載されていた時代が続いたのかなと想像されます。

 それとFDは、パソコンを起動する最後の砦だと認識されていたようです。HDDからパソコンが起動できなくなった時に、システムFDで起動して、HDDを修復するのです。...、BIOSの書き換えにも必要って、普通の人はそんなことはしないよって指摘があって笑った。


 あとそれからファイルの移動用や保存用にもFDは使われてましたね。HDDは直ぐに一杯になるので古いファイルはFDに追い出してHDDの空き容量を確保するのです。論文などの大切なファイルは図表や元データ等をまとめて1枚のFDにバックアップします。バックアップは何時でも大事なことです。本当に本当に大事なことなのですよ (;_;)


 1995年頃からはCDドライブの搭載も標準的になってきていたようです。市販ソフトもFDでの販売は続けていたのでしょうが、FD版とCD-ROM版があったらCD-ROM版を選びますよね?


 OSのインストールも、2000年頃にはCDドライブからの起動ブートが出来るようになって、FDDは不要になりました。Win95のインストールにはFDが必要だったけれど、Win2000はCD-ROMだけでインストールできたのです。デバイスドライバもCD-ROMで配布されるか、ネットからダウンロード出来るように。


 1990年にCD-Rドライブ、1996年にCFカード、2000年にはSDカードが(途中でMOやスマートメディア、メモリスティックなども)、その前後にUSBメモリなども登場しました。2000年を過ぎた頃にはファイルの移動用ならFDよりもUSBメモリ等の方が便利になりました。


 このように敢えてあえてFDを使用する理由は無くなっていきます。ですが、人にあげるなら安価なFDという選択もあったようです。この頃ならFD1枚で50円くらい。USBメモリはそんなには安くないし。


 *


 あと1つ、FDにとって重要なことがあります。主にパソコンのハードウェアの話です。


 1997年頃(かそれより前)からインテル社が計画していたレガシーデバイスの追放です。この頃のパソコンにとって旧来のデバイスは低性能で扱い辛く(P&Pに未対応で)トラブル原因になっていて、課題となっていました。


 **


 少し時間が遡りますが。


 AT互換機の元となったパソコンはIBM社の1984年の PC/AT で、最初はAT互換機メーカーはIBM社の意向を重視していました。ですが1987年の PS/2 でIBM社は互換機メーカからの支持を失いました。当時のATバスと互換性がないMCAバスを採用した上に、仕様非公開で使用許諾ライセンスが必要だったことが原因とされているようです。


 しばらくは互換機メーカがパソコンの規格を主導していたようです。バスブリッジ方式を初めたのも互換機メーカーのコンパック社です(1986年9月発売)。更に1987年には従来のATバスをISAバスとして標準規格化します。IDE接続のHDDも採用(コナー社とコンパック社の共同開発)。CPUもインテル社のi386やi486ではなくAMD社やCyrix社のインテル互換CPUを採用することも。

 それから1992年のWindows3.1でGUIが重要視されて、VL-Busが出来てしまったり。


 それが1994年頃にはインテル社がパソコン規格を主導するようになりました。

 その経緯は調べきれなかったのですが、CPUの高速化と画面の高解像度化などが原因となって、高速なCPU・メモリとグラフィックたちと、従来のISAバスに接続する低速なデバイスとを分離するバスブリッジ方式(PCIバスとISAバスを分離)が主流となったことを背景に、CPUとチップセットによるPC規格の支配権をインテル社が獲得したのだろう、と大雑把にですが理解しました。


 CPUはペンティアム(Pentium)の時代で。PCIバスはインテル社(正確にはPCI SIG)が開発したバスで、1992年にPCI1.0が、1993年にPCI2.0が発表されました。


 チップセットはIBM社のパソコンを標準として、CPU周辺の主な機能を少数のチップに集積したもの。つまりマザーボードの骨格となるものです。1985年に Chips & Technologies 社が発売したのが最初で、すぐに複数のチップセットメーカーが追従。熾烈な競争をしながらAT互換機の性能向上と低価格化が進行。...、なのですが、新しいCPUペンティアムとPCIバスの正確な仕様を把握しているインテル社の純正チップセットは安定性などの理由で有利な立場に。1998年のi440BXが有名らしい。


 そんな感じで、インテル・インサイドとか、Wintelウインテルと言う時代だったようです。


 **


 ISAバスに接続する低速なデバイスとは、PS/2(キーボードとマウス)、シリアルポート、パラレルポート、それからFDDです(他にもありますが)。この4つはマザーボードか拡張カードに実装されていたのですが、1990年までにはスーパーI/Oと呼ばれるチップに統合されて、スーパーI/OチップがISAバスに接続されていました。


 ISAバスは元は PC/AT のATバスで、その仕組みの古さから、この頃のパソコンの邪魔になっていたのです。リソースの競合を自動設定できないとか。拡張カードを増設するとトラブルがでるとか。FDDはパソコンの起動時間を長くする要因だったそうです(要確認)。


 1998年にインテル社とマイクロソフト社が共同で発表した「PC 98 System Design Guide」ではISAバスに接続するデバイスは除去とされていて、1999年4月にインテル社が発表したチップセットi810ではISAバスのサポートは無くなって、PCIバスとLPCバスになりました。LPCバスはISAデバイスらの移行先となることも目的として開発されたそうです。


 ISAバスは、マザーボードのメーカーの判断で必要ならばPCIーISAブリッジを実装することに。メーカーにとっては無視できない程のISAデバイスが現存していたんでしょうね。このときには。


 スーパーI/OはLPCバスに接続するチップが開発されていて、これをマザーボードメーカの判断で実装する。


 1999年の「PC 99 System Design Guide」ではISA拡張スロットも除去とされ、2000年には「レガシーフリーPC」と称するパソコンも発売されました。FDDなどのレガシーデバイスは搭載しないのです。WindowsMeの頃です。評判の悪いOSだったらしいけど。


 このようにFDDはレガシーデバイスとして、(インテル社とマイクロソフト社が考える)パソコンの標準的なデバイスから外されて、あとはマザーボードメーカー(やパソコンメーカー)の判断次第となりました。


 **


 昔は、セントロニクスIFプリンターとかゲームPORTジョイスティックとか、色々な専用のIFがありましたね。オーディオならサウンドブラスタを入れたり。グラフィックならATIとか。SCSIならAdaptic。マウスにもバス・マウスとシリアル・マウスがあったり。...。


 今はUSBだけ。大抵は「USB-何とか」という変換ケーブルがあって用が足りる。便利、...だよね。


 *


 **


 *** 2000年以降


 パソコンにとってFDとFDDは必須なデバイスでも、有れば便利なデバイスでもなくなって、雑誌などを見ても存在感がありません。誰にも気にされることなく、やがて消えていくのです。中には報道発表されてしまうケースもありますが。


 *


 2004年9月、ITmedia の記事に「「過去の遺物」になるフロッピー」との記事が出現。FDDが搭載されていないパソコンも普通に見かけるように。


 2005年10月、「FD申請で割引開始/県建築住宅センター/確認業務合理化へ」(茨城県)。手数料が1000円割引! この時はまだFDは息をしていた? 群馬県でも専用ソフトの利用で確認申請や検査申請の作成手間を省けるとか。


 2008年頃、FDDは搭載されていないことが多い、FDDは付いていないのが普通、との言及あり。


 2009年頃、FDD用インターフェースがないマザーボードが出現(もっと前から無かったかも)。


 2009年3月末、三菱化学メディア社が3.5インチFDの販売を終了。同時期に日立マクセル社も終了。


 2009年7月、ティアック(TEAC)社が2010年4月にFDD生産終了予定と報道あるも、TEAC社はこれから決めるって。ワイ・イー・データ社も生産終了の方向で供給先と協議中。ソニー社は2010年3月までは生産を続けるって。アルプス電気は。


 2009年8月、財団法人日本建設情報総合センター(JACIC)の工事実績情報サービス(Construction Records Information Service、CORINS、コリンズ)への工事実績情報のフロッピーディスクによる登録が終了。


 2009年9月10日、ソニー社は9月末にFDDの生産を終了し、年度内に販売も終了するって。


 *


 2011年3月末、ソニー社がFDの生産を終了し、販売を終了。2010年4月23日に発表していた。


 2012年頃、マザーボードからFDD用インターフェースが無くなる。その後はUSB接続のデバイスとして使用。


 2016年7月13日、鳥取銀行、2017年3月31日に、フロッピーディスクでのデータ授受を取扱終了と発表。


 2019年8月、リーナス・トーバルズが Linux でのフロッピーディスクのサポート打ち切りを発表。


 2019年10月 防衛関連サイトの C4ISRNET が、アメリカ空軍の大統領による核兵器発射指令を実行するシステムである Strategic Automated Command and Control System(戦略自動指揮統制システム、SACCS)で使用していたFDDは廃止されたと報道。2019年6月に廃止されて「ソリッドステートのデジタルストレージ」(SDカードかな?)に変更されたらしい。SACCSでは1975年からIBM社の Series/1 と8インチFDを使用していた。2016年5月25日のアメリカ政府監査院(GAO)の報告書で、大陸間弾道ミサイル・核弾頭爆撃機・戦車支援用戦闘機などで8インチFDが使用されていると指摘されていた。


 *


 2020年8月、ボーイング747-400型機などのジャンボ機でFDが現用されているとの記事がでる。


 2020年11月、地銀でのフロッピーディスクの取り扱い終了が相次ぐ、との報道(日経新聞)


  ・佐賀銀行、2018年9月30日、FDを含む磁気メディアの取り扱いを停止

  ・中国銀行、2019年9月30日、FD、MO、CMTを終了

  ・東邦銀行、2020年3月31日、FD、MTを終了

  ・山形銀行、2021年3月末でFDの取り扱いを止める

  ・広島銀行、2021年3月末を以てFDの取扱いを終了


 2021年1月、ヤマハミュージックエンタテインメント、自動演奏ピアノ用フロッピーディスク商品販売終了。


 2021年5月19日、「デジタル社会形成基本法(令和3年5月19日法律第35号)」などの法律が成立。通称「デジタル改革関連6法」「 デジタル改革関連法」。フロッピーディスクでの提出(FD申請等)の見直しが始まる。


 2021年12月27日、警視庁は、目黒区役所から預かっていた区営住宅の申し込み者38人分の個人情報が入った「フロッピーディスク」2枚を紛失したと発表。個人情報は氏名・生年月日・性別。38人分ならFD1枚で十分だろうから正副の2枚かも。在庫があるならCD-Rなどより安いからか。


 2022年4月、4630万円誤給付金(山口県阿武町)


 2022年9月、3.5インチFDが「未来技術遺産」に登録。


 2022年12月、三菱UFJ銀行、2024年3月末でFDとMOの取扱終了。今後はDVDをだって。


 2023年12月、網走信用金庫、2025年3月31日でFD・DVD等全ての媒体と紙媒体を終了。紙も終了って本当?


 2024年8月14日、日本アイソトープ協会、RI廃棄物記録票のフロッピーディスクでの受付を2024年度で終了と発表。


 *


 **


 ***


 フロッピーディスク(FD)よ、おつかれさま!


 *


 **


 ***


 事実関係の調査のためにFD、FDD、HDDに関する雑誌広告をチェックした結果を書き出したので、ここに置いておきます。


 月刊アスキーの1981年12月号、1982年12月号、1984年12月号、1987年12月号です。


 ***


 1981年12月号


 FD単独の広告は無い。FDD(ドライブ単体)は幾つか。


 HDDはICM社の広告のみ(ウィンチェスタの 20MB)。


 ***


 1982年12月号


 HDDに比べてFDDの広告が多いですね。FDDはドライブ単体で販売しているものと、パソコン内蔵あるいはオプションで外付けするものがあります。FDD1台あたり8万円前後かな。HDDは高いです。


 FD

 ・マクセル、8インチ2D、5インチ2D

 ・富士フィルム、8インチ1S、2S、2D、5インチ1D、2D

 ・3M、8インチ、5インチ


 FDD(単体品)

 ・東京電子科学機材、LFD-550、5インチ2台、128,000円

 ・湘南電送機器、CF-80PC、2D、5インチ2台、167,000円

 ・東映無線、disk-80P、?2台、168,000

 ・アイテム、disk-80xs、5インチ1台、98,000円(2台で168000)

 ・工人舎、KD280D、5インチ2台、188,000円

 ・TEAC、FD-55シリーズ、5.25インチ、?

 ・システムズフォーミレート、8インチ1台、428000

 ・アイシー、FDS-82DS、8インチ2台、2D、438,000円

 ・ICM、FD-8900、8インチ2台、442,000円


 パソコン外付けFDD

 ・NEC、PC-6000、(PC-6031、5インチ1台、89,800円)

 ・タンディ、TRS80、5インチ1台、99,000円

 ・アップル、AppleII、(DiskII、200,000円)

 ・カシオ、FP1000、(FP1020、5インチ2台、2D、298,000)

 ・ソード、M23K、8インチ2台、648,000円(本体とモニタ込み)


 パソコン内蔵FDD(価格は本体も含む)

 ・NEC、N5200モデル05(8インチFDD1台内蔵)、698,000円

 ・三菱電機、MULTI16(5インチ1台内蔵)、73万円

 ・富士通、FM11 AD(FDD1台内蔵)、338,000円

 ・ソニー、SMD-70(3.5インチ2台内蔵)、近日発売

 ・沖電気、if800 model 30(8インチ2台内蔵)、1,238,000グリーンモニタ

 ・カシオ、FP5500 M10(5インチ1台内蔵)、498,000円


 HDD(単体品)

 ・システムズフォーミレート「ウィンチェスタのHDD」、BC-802(10MB、548,000円)

 ・ICM、(20MB、980,000円)

 ・パックス・エレクトロニカ・ジャパン、PHDシリーズ、5MB?で50万円


 ***


 1984年12月号


 FDの広告が増えました! PC98などのFDD搭載パソコンや外付けFDDは普通に存在。HDD内蔵モデルも増えた。


 FDは、

 ・住友スリーエム(3M)

 ・富士写真フィルム(FUJI FILM)

 ・日本マクセル(maxell)

 ・日本メモレックス(MEMOREX)

 ・TDK

 ・化成バーベイタム(Datalife)

 ・DENON


 FDDも同じくらいある。


 ソニー社のSMC777Cの広告で「ソニーが開発し、いま世界の主流になりつつある3.5インチ」って、そうだね!


 HDD(単体品)は、

 ・緑電子工業(20MB、368,000円)

 ・アイテム(20MB、368,000円)

 ・ICM(20MB、498,000円)

 ・加賀電子(?)


 ニュース欄で東芝がOEM用のHDD(80.6MBで65万円)を開発との記事あり。HDDが安くなりそうな気配。


 ***


 1987年12月号


 FDは、Datalife、maxell、FIJI FILMの3つ。


 FDDは、...沢山。


 HDD(単体品)の広告は10つに増え、低価格化が進む。HDDの広告は以下のもの。


 ・若松通商「シーゲートのST225N(内蔵キット)」(20MB、69,800円)

 ・ユーステック社「SNAPPER SP−520」(20MB、98,000円)

 ・テックパーツ社「TH−120(ST225NC使用)」(20MB、99,800円)

 ・ICM社「STRIDE MC−20」(20MB、125,000円)

 ・大新電機社「HDS−20(ST225使用)」(20MB、138,000円)

 ・ランドコンピュータ社「ディスクメイト LDM−520」(20MB、148,000円)

 ・緑電子社「DAX−H1」(20MB、149,000円)

 ・ロジテック社「LHD−32N」(20MB、158,000円)

 ・ウィンテク社「リファレンス R1」(20MB、165,000円)

 ・シーゲート社「ST225NC」(20MB、価格はお問合せ)


 若松通商がドライブにケーブル1本を付けて内蔵キットと称して販売しているのが興味深いです。値段も安い。ケースなどを抜いたら半額になるとは! いわゆる自作パソコンのノリですね。


 ドライブを提供しているシーゲート社の広告を見つけて、おお!と思った(語彙力)


 ***


 間違いの指摘とか疑問とか、ご意見・ご感想とかありましたら、どうぞ感想欄に!


 ***


2024.11.17 推敲。

2024.11.20 推敲と加筆。

2024.11.28 推敲。

2024.12.19 推敲と加筆。

2024.12.27 推敲と加筆。

2025.4.5 微推敲。

2025.7.12 微推敲。




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