私のひい婆ちゃんはエルフでお婆ちゃんは獣人にお母様はドワーフの前世はオッサンの幼女…… 遺伝子と意識を混ぜ合わせて最適化したら?
『最適なボディに再生完了しました』
「な……」
『な?』
「なんで! ち〇ち〇が!?」
『無いと、排尿と生殖に困るのでは?』
いや…… たしかに前世では排尿に使いましたよ…… けど、生殖はして……「じゃなくて! わたち、おんなのこ……」
トワール・サイハ…… もうちょっとで3さい。は、幼女だったんだけど!!
『おんなのこ…… とは、なんでしょうか?』
「はあ? せいべつ…… オスとメスのメスのほう」
『せいべつ…… とは?』
「えっ? せいめいがはんしょくするには、オスとメスがひつようでしょう?」
『マスター…… マスターは、雌雄が別れている生物だったのですね…… マスターの姿に近い私の創造者達には、雌雄の違いは無く同一でして…… 互いの胎内に繁殖していました』
宇宙船の製造者は、雌雄同体の人型種族だった様で……
前世の記憶に目覚めたせいで、私の身体も雌雄同体に最適化されて再生したらしい……
「う~ん……」
雌雄同体の人型種族がそうだったのか? 普通の時は…… かなり小さいし、た〇た〇も付いて無いので…… 大丈夫かな?
見た目的には、女性で通せそうだ。
成長したらわからないけど……
前世の自分と意識が融合?したからかな……
たぶん、私の好みが男性よりになった感じがする……
今生では、魔法があるし…… 超文明の宇宙船もある…… 前世の…… 男だった俺が好きだった物が揃っている!!!
「ひとのこのみも…… かわらないよね……」
私の恋愛対象は…… きっと女性だろうと感じた。
「そうだ! ナオミ! ナオミは? ナオミはだいじょぶなの!?」
『ナオミ…… マスターを傷付けた物質に乗っている者でしょうか? 処分しますか?』
「ちょっ!? だ、ダメぇ~! ナオミはおともだちだからダメなの!!!」
『だ、ダメ…… 処分しては、いけませんか?』
「いけません!!!」
馬車に同席していたナオミは、お婆様の遠縁に当たる山猫種族の獣人の女の子なんだけど……
両親が他界してしまい、大森林を根城に移動する部族の集落には、孤児になってしまった彼女には生き辛く……
とりあえずの私付きの侍女見習いとして、私の家に住み込みに来ていたのだ。
たぶん、歳の近い私の遊び友達として呼ばれたのかも知れない。
今生の私の初めてのお友達…… だから、絶対に守りたい!
『マスター、再生治療が完了しましたし…… どういたしますか?』
「いまのじかんは!? わたちがここにきて、なんじかんたったの?」
『超空間航行システムにより、我が艦内以外の時間は停止している状態ですので…… マスターのいた場所の時間は、マスターの転移後から経過していません』
なら!「ばちゃのちかくにもどちて! はやく!」
『了解しました。マスターと私以外は、時間を停止した状態でマスターを救出した現場に転移します』
私は再び、身体に浮遊感を感じた。
・
・
・
ベチャ…… 足に泥を踏んだ様な感じがしたので、足元を見たら……
「うっ!?」
私は、幼い足が転がる血溜まりに立っていた。
『マスターの破棄した下半身です』
うん、知ってる…… 血で赤に染まってるけど…… 今朝、大喜びで足に履いた靴がボロボロになってる。
私の下半身を潰して両断した馬車は、勢いのままに横滑りした様で…… 私の下半身は、大半がミンチになっていた。
『マスター、見えない様に回収してよろしいでしょうか?』
「おねがい……」
宇宙船のメインシステムさんが気を利かせてくれた様なので、任せると周囲の私の下半身の残骸が光って消えた。
「ナオミは?」
『あの物質の中に生物を感知しました』
ナオミは馬車の中にいる様なので、窓際に近付くと……
「あぶにゃい!?」
横転して破損したのだろう…… 停止した時間の状態の馬車の中で、ナオミが空中に浮いたまま木片と割れたガラスに囲まれていた。
〝損傷確率100%…… 死亡確率76%〟の文字がナオミに見えた。
最適化の影響なのか? なんとなく確率を操作できると感じたので、ナオミの損傷確率と死亡確率を0にして……
風…… いや、時間が停止しているなら…… 空間魔法かな?
この前来ていた…… ひい婆様の母のエルフ族長の奥様の【ティティラ】様が言った事を思い出す。
素養が高ければ、魔法は不思議と使い方が理解できると……
最適化された事で、エルフ族の魔法要素も高くなったみたい。
ガラスが砕け散った窓から、ナオミを安全に魔法で運び出した。
『マスター、彼女がメスですか?』
「やまねこのじゅうじんのね」
『獣人…… マスターの好みですか?』
「ナオミはすきだけど…… きゃわいくっていいこなら、しゅぞくはかんけいないかも?」
『ならば……』
ナオミに怪我が無いか?と確認していると、私の横に光の柱が現れた。
「この姿で…… どうでしょうか?」
「ちょっ…… だれ!?」
十代後半くらいの女性が…… 光の柱から全裸で現れた。