死んだ初恋の人に、もうすぐ〝彼方〟で再会できると思ったら…… ケモミミ3歳児になって戻って来た。
「も…… もうすぐかな……」
昼からの眠気で、一眠りして目覚めてから息苦しい……
幼い時からの身体の感覚で……
なんとなく終わりが近いと感じる。
「にいちゃんに会えるかな?」
1年と少し前の年末年始に…… 私の好きな人が死んだ。
年齢的には、父娘ぐらいに離れていたその人は……
年末年始のコンビニで、強盗に刺されて死んだ。
初詣に参加する親子連れの子供をかばっての事だったらしいけど……
「死んでも強盗の手を放さないって…… カッコつけ過ぎだよ……」
強盗の包丁に刺されてから、強盗の手首を握り締めて放さずに死んでしまったと聞いた……
その話を聞いて……「にいちゃんは、やっぱり…… 私の好きなにいちゃんだった」
お祖父ちゃんの友達の息子さん、病弱な私と笑いながらアニメを見てくれたオジサンのにいちゃん。
子供が好きで生きるのに不器用だった……
「にいちゃんと同じ処に行けるかな?」
付けられた生命装置達を見ながら、薄れいく意識の中で呟くと……
「いくには、げんきになってからな」
ベッドに横たわる私を跨いで、ふさふさケモミミと尻尾が生えた幼女が言った。