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リックと黄金の神鳥  作者: sick
11/18

リックと黄金の神鳥Ⅹ

 解かれた封牢結界の中は知らない世界の知らない土地に連れて来られた母親と少女が身を寄せ合っていた。


「初めまして、私はリック」


 リックは次に後ろの二人を紹介する。


「この人は私のお父さんのシックと、この子は私の妹のエウリュアレ」


「ひ」


 リック達に怯える母親と少女。無理もない、リックとエイリーによる強制拉致のようなものだ。


 蒼い髪の男がその親子の様子を見てエウリュアレに言う。


「ん、食事にしよう。確か肉があったな」


「用意するです、お姉ちゃんも手伝うです」


 エウリュアレはそう言ってリックの手を引っ張って連れて行く。


 残った蒼い髪の男と、親子二人、蒼い髪の男は椅子を五脚用意し、そのうち一脚に座って親子に言う。


「二人は奴隷の民らしいが、これからは奴隷ではない、椅子に座ってみんなで食事をするんだ。手を洗いたければそこの蛇口を捻れば水が出る」


 そう言った蒼い髪の男が指を差した先に、蛇口がある。雨水を溜めてろ過したものだ。


「傷つけたり、虐げたり、蔑むことはしない、約束する」


 蒼い髪の男が親子二人を見つめて話し、母親はそれを聞いて頷いた。


「私の名前はルセナ、この子の名前はルフィナといいます」


 母親はそう言って少女ルフィナを椅子に座らせ、自分もまた椅子に座る。


 蒼い髪の男はルフィナが椅子に座る様子を見て、考えている。


「少し、お嬢ちゃんには椅子が大きかったか・・・まあ我慢してくれ」


 ルフィナはちょこんと椅子に座って不思議そうにしている。


「持ってきたです」


 エウリュアレが大きな肉の塊を運んで来る、リックがその後に続いて野菜を運ぶ。


「よし、やるか」


 蒼い髪の男はコンロを用意し、マッチを擦って火をつけ、コンロに火を入れる。


 リックはそれを見て運んだ野菜を洗う、エウリュアレは肉の塊をナイフで切り分けている。


 コンロの火が安定すると金網を敷き、蒼い髪の男はエウリュアレが切った肉を焼いていく、肉の焼ける油の匂いが空腹の親子の視線を奪う。


 焼けた肉を木皿の上に並べ、エウリュアレが親子二人の前に並べると塩やタレや香辛料を置く。


「どれも使っていいです、好きに選んで振りかけて食べるです」


「どんどん焼くからリックとエウリュアレも食べなさい」


 蒼い髪の男はそう言って、どんどん焼いていく。


 リックは洗い終わった野菜を切り、木皿に並べて蒼い髪の男に言う。


「野菜」


「おう」


 その日、皆が食べきれないほど肉を食べた。


 そうして母親ルセナと少女ルフィナは空いている部屋に案内され、隣り合ったふかふかなベッドで一晩を過ごす。


 早朝、少女が先に目覚めるとエウリュアレが皆の朝食の目玉焼きを焼いていた。


「おはようです、ルフィナ」


「お、おはようエウリュアレさん」


「エウでいいです」


 リックと蒼い髪の男が庭先で木剣を打ち合っている。どちらも戦闘経験が豊富なために見ていて面白い。


 ルフィナの後を追うようにルセナが目覚め、そうしてルフィナと二人でリックと蒼い髪の男の打ち合いを見ている。


 エウリュアレは皆の朝食を用意し、パンを運んでリックと蒼い髪の男に言う。


「おししょー、リック、朝食にするです」


 その言葉を聞いてもリックと蒼い髪の男の打ち合いは止まらない。


「ルセナ、ルフィナ、先に食べるです」


「でもあの二人が・・・・」


 ルセナはそう言うが、ルフィナは席に座って母親を見ている。


 エウリュアレはルフィナの目の前に切り分けたパンを置き、澄まし顔で言う。


「どっちかが負けてどっちかが勝つまで続くです、待ってるとせっかく作ったのに冷めるです」


 それを聞いて母親のルセナも席に着く、エウリュアレはルセナの目の前に切り分けたパンを置いた。


「いただきますです」


「い、いただきます」「です」


 ルセナはリックと蒼い髪の男とリックを気遣って遠慮しているが、ルフィナはエウリュアレの真似をして朝食を食べる。堪らなく美味しそうだ。


 エウリュアレはそれを見て笑顔でルフィナに聞く。


「美味しいです?」


「とっても美味しい!」


「簡単な朝食ですが喜んで貰えて良かったですぅ」


 蒼い髪の男が単純な力比べの鍔迫り合いでリックを弾き飛ばした。


 リックは反動を使って後方転回し、ゆっくりと立ち上がって相手の視線を誘導するような歩法を見せる。


 緩急のある立ち止まりから、ゆらっと動いて蒼い髪の男に対して鋭い木剣の突きを眼に向けて放つ。


 それをまともに受ければ失明するだろうが、蒼い髪の男は身を捩って避けきり両手上段から袈裟斬りに仕掛ける。


 リックは袈裟斬りを木剣の腹で受けるが、木剣ごと叩き折られて尚突進する。


 蒼い髪の男は突進を避けるために木剣を振った反動で後ろに下がり距離を作った。


 リックはその距離を詰め、蒼い髪の男の下半身に突進し、両足をとって馬乗りになった。


「お」


 にこにこしたリックが蒼い髪の男を見下ろす。


 仕方なく蒼い髪の男は自身の持つ木剣から、波動を繰り出した。


「【波動剣】」


 リックの周囲全方向を波動の剣が迫る。


「【封牢結界】」


 波動剣は全て封牢結界に弾かれてしまい、リックはその後に立ち上がって封牢結界の外に出てしまった。


 結界内に閉じ込められれば為す術がない。


 しばらくすると封牢結界が解かれ、蒼い髪の男はリックに言う。


「降参だ」


「私の勝ち」


 そう言ったリックは満足げにしている。


 蒼い髪の男はなるべく師としての威厳を保ちたいとは思っているが、リックの成長速度がそれを許さない。


 やれやれ、と立ち上がった蒼い髪の男はリックに言う。


「強くなったなリック、メシにしようか」


 そう言われてリックは嬉しそうにエウリュアレが用意した食卓につく。


「昼食はお父さん、夕食は私ね」


 リックがエウリュアレそう言って報告している。賭けていたようだ。


「リックさん、強いんですね」


 ルセナがそう言うと、リックは嬉しそうに頷いて言う。


「お父さんに教え込まれたからね」


「教えたのは俺なんだがな」


 蒼い髪の男はそう言って、食卓につく。


 リックと蒼い髪の男が朝食を食べ始めると、先程リックと蒼い髪の男が試合をしていた庭先の空間が歪む。


 スッ、と爪が空間を切り裂いてエイリーがそこから現れた。


「ただいまー!」


 エイリーが現れ、エイリーはルセナとルフィナを確認している。


 エウリュアレがエイリーの帰宅を確認すると、食卓を離れて何処かに行く。


「ふむ、そのまま二人に聞いて欲しいんだけど、一応これからのことを話そうか」


 そう言ったエイリーはリックと蒼い髪の男を見る。


 席を離れたエウリュアレが世界樹の実を籠に入れてたくさん持ってくる。そうしてエイリーの目の前に置いた。


「特異点の二人は管理者の監視下に置かれる。その上で何もなければこのまま平穏な暮らしが出来るけど、世界を滅亡させるようなことがあれば抹消、だって」


 エイリーは言い終わった後に世界樹の実を一口に一つ丸飲みする。他の世界では出来ていなかった贅沢な食べ方だ。


「ええと、それはつまり私達は・・・・」


 そう言ってルセナが反応に困っている。 


「つまり世界を滅ぼすような真似をしなければ問題ない、らしい」


 蒼い髪の男がそう言って説明する。


 そもそもルセナもルフィナも特異点については理解が及ばないところもある。


 蒼い髪の男の発言に対してルセナとルフィナはよく頷く、男性だからだろうか、それとも一家の長だからという奴隷の民として外せない要素だからだろうか、それは分からない。


 この場所に居る限りは暴力もなければ争いもないだろうが、信用を得られるのは食事しかない。


 エイリーはそれらを伺って、蒼い髪の男に目線を向けて言う。


「まあ、シックから説明してくれればボクもリックも楽だからそれで」


 リックも頷く、話そうとしてもルセナとルフィナに若干の抵抗を感じるからだ。


 蒼い髪の男は溜息を吐いて、頭を抱えて皆に言う。


「わかった、せっかくだからリックとエウリュアレも聞け、エイリーは自由行動」


 そう言った後に蒼い髪の男は食べ物を口に詰め込んで、何処かへ行ってすぐに黒板を抱えて戻ってくる。


「説明しよう」


 特異点についての授業が始まった。


「特異点とは、その世界の枠から外れた力を持つ存在のことだ。エイリーを例に挙げて説明してみよう」


 黒板にエイリーのような謎の鳥の絵が描かれる、絵心はない。


「エイリーは圧倒的な個の力、能力、そして無尽蔵の体力と回復力、おそらく寿命も尽きない存在だ」


 その説明を聞いてエイリーが照れている。その目の前に朝食を食べ終わったルフィナがエイリーを見上げている。その様子をエイリーはじっと見つめている。


「で、何故エイリーが特異点なのかというと、内なる野生の力が目覚めて、というわけではない」


 ルセナがそれをしっかり聞いている。エイリーはその様子を見てまたルフィナを見下ろしている。


 ルフィナは小さな手をエイリーにそっと伸ばす、4歳くらいの子だろうか。


「外の“何か”がエイリーをそうさせている。無尽の体力、力、能力、回復力、それら全てをエイリーは外から得ている。それがエイリーを特異点とする理由だ」


 リックがそれを聞いて手を挙げている。蒼い髪の男が発言を許可すると、リックは言う。


「外の力って?」


「答えは『わからない』だな、エイリーが何故そうなったのかも原因は分からない、これはおそらく世界の管理者にも謎のままだろう、今回のルセナさんとルフィナちゃんに関しても原因はおそらく不明だろう、ただ今回は出現まで予想出来ていたと見ていいのかもしれない」


 エイリーがルフィナに嘴を触らせると、ルフィナは飛び跳ねて喜んでいる。


「特異点に関する対応は二つ、保留か抹消、そのどちらかだな。保留は監視され、その世界を滅亡させるようなことが起きれば抹消に移行する。抹消はとにかく抹消だ、他の特異点とぶつけて抹消させたり、管理者自らが出てきて抹消したりもする」


 ルフィナが乗れるような位置までエイリーが体高を下げると、ルフィナは羽根を抜こうと引っ張って見たり羽の裏を捲ってみたりしている。エイリーは動じていない。


「今回、私とルフィナは保留の立場にあるというわけですね」


 ルセナがそう言い、青い髪の男は頷いて言う。


「特異点の能力は一長一短がある、一つだけ言えることはとにかく能力そのものが馬鹿げているってことだ」


 ルフィナがエイリーに跨り、エイリーに立ち上がれと指示をする。エイリーはゆっくりと立ち上がると、ルフィナにはそれが高かったようで少し物怖じしている。エイリーは騎乗する者に揺れを感じさせない。


「エイリーが特異点として認められ、今回のように異世界で特異点の捜索を任せられるのは今に始まったことではない。エイリーは管理者に協力的で倫理観に富み、それでいて義に厚く、世界そのものを壊すことは決してしない」


 蒼い髪の男はルセナとエイリーに乗っているルフィナを見やり、そうして言う。


「今回は保留、つまり何もしなければ問題はない。だからこそルセナさんとルフィナちゃんは特異の力について理解して制御していく必要がある」


 ルセナは不安そうな顔で頷いた。ルフィナはエイリーに乗っても揺れないことに感動している。


「まあ、部屋は空いているし自由にするといい、足りないものがあれば街に買い出しにいけばいいし、仕事がしたければ紹介する。何をするにも自由だ」


 蒼い髪の男はそう言ってエイリーを見やる。


「相変わらず子供には人気だな」


 声を掛けられたエイリーは自分の背に乗って高さに怖がるルフィナに対して手綱を咥えて握らせようとする。


 ルフィナは何のことだか分からずにずっと首を傾げている。


 リックが手綱を咥えて離せないエイリーの代わりに説明すると、ルフィナは快く手綱を握った。


 ゆっくりとエイリーが歩く、散歩のような速度で庭の内周をぐるりと回る。


 エイリーの背に乗ってルフィナは喜んでいる。その姿をルセナは心配そうに観ているが止めることはない。


 蒼い髪の男がそれらを観ていた庭先で、長帽子を被ったショコラが王都の務めの合間に蒼い髪の男に会いに来た。


「や、ショコラ」


「おはよう、シック」


 蒼い髪の男はショコラの顔を見て察する。どうやら案件の持ち込みの様だ。


「リック、黒化病を改善してくれてありがとう。期限付きではあるが苦しまずに済みそうだ」


「えへへ」


 ショコラがリックにお礼を言って、リックは照れている。解決する時間としてはこれまでにない早さではあった。エイリーが動いてくれたという点もかなり大きなことだ。


「シック、少し話そうか」


 エウリュアレが澄まし顔でショコラにお茶を出す、ショコラはそれに会釈をして椅子に座った。


「おや、見ない顔だが」


 ルセナとルフィナを見てそう言ったショコラに対して、蒼い髪の男は言う。


「ルセナさんと、ルフィナちゃんだ。リックが連れてきた、お客さんだな」


「ほほ、なるほど」


 ショコラは長帽子を上げて会釈をする。ルセナはそれを見て同じく会釈をする。


「それで、今日は?」


 蒼い髪の男がショコラの隣の椅子に座ってそう聞いた。


「黒化病がなくなったのは特に何の問題もない、皆が皆、不思議そうにしていた。“奇跡”だと有難がっていたよ」


「ふむ、それで?」


 ショコラは長帽子を下げ、落ち込んだように言う。


「我々冒険者は平穏な暮らしを望む、それだけで良かったのだが問題が増えてきて困る。やれ新しい国を作るだの、やれ街を作るだの、もっと楽な暮らしを、もっと安心できるように、という風にな」


「なるほど、厄介な病巣を一つ片づけたら荷物が増えたわけだ」


「それでだな、シック」


 顔を上げたショコラがエイリーを見つめながら蒼い髪の男に言う。


「どうすべきか、悩みに来た」


「そりゃ困った問題だな。特に俺は群れることはない人間だったが、群れないといけない冒険者は沢山居たからな」


「その懸念通り、今は派閥が出来つつある」


 ふむ、と蒼い髪の男は思索する。


「リックの件は伏せてるのか?」


「ああ、それはもちろん」


 蒼い髪の男とショコラはリックを見やる、話を聞いていたリックはそこまで大きな問題に感じていないようだ。


 それもそのはずだ、黒化病よりもこの話は至極簡単な話、リックとエイリーが解決したのだからそれよりも解決できそうな小さな問題のように見える。


「リックとエイリーに任せるか」


「えぇ」


 ショコラはそんなことを言い出した蒼い髪の男の顔を見る。どうやら真面目な話らしい、とショコラもそんな顔を見て呆れて溜息を吐く。


「エイリーの乗り手なら問題ないだろう」


 そう言った蒼い髪の男、呆れたショコラも頭を抱えて言う。


「巷では黄金の神鳥なんて呼ばれてるからな、しかしエイリーでも難しい問題はあるだろ?」


「まあ、リックがいるからな」


 義理の娘に対する溺愛ぶりにショコラは頭を抱える、まあしかしこの子であればとショコラはリックの顔を見た。


 エイリーはルフィナを背中に乗せて遊んでいる。


「派閥を迫られたら?」


 ショコラが蒼い髪の男にそう聞くと、蒼い髪の男は言う。


「加入すればいいさ。まあ俺とエウ、リックは中立を維持するだろうが」


「そうか」


 うむ、とショコラは頷いて出されたお茶を一飲みで飲み干し、そうして席を立った。


「それではまた近いうちに会おう。その時はリック、御礼をしなければな」


「いいよ、私はみんなを治したくてやったんだし」


 ショコラは長帽子を脱いでリックに挨拶をし、そうして杖を突いて帰って行った。


「派閥ね」


 蒼い髪の男がそう言ってお茶を飲む、そうして見ているリックの視線に気付いて言う。


「ああ、聖教派、魔術派、王国派とか推進派とか、そういう集まりの事だ」


「私は属さないかな」


 リックがそう呟いた、そういったところも蒼い髪の男は自分と似ていて笑っている。


「聖教派はマミさんとこ、王国派は俺とショコラも属するかもな、一応は部隊所属だしな」


「私はエイリー派です」


 エウリュアレはそう言ってお茶を飲んでお茶請けをルセナにも配り、自分でも食べている。


 ルセナは聞いていただけで特にこれといった考えはなさそうだ。


「私もエイリー派かな」


 リックもそう言う、エイリーはルフィナに取られてしまっているが特に問題はない。


「あ、あの、私はどうすれば・・・・・」


 ルセナはそう言ってお茶を両手に大事そうに抱えている。


「ふむ、何もしないというのも少し酷ではあるか」


 蒼い髪の男がそう言う、リックも一理あると考えているが言葉には出ない。


「私に策があるです」


 エウリュアレがそう言って自慢げだが、蒼い髪の男はあまりいい顔はしていない。


「で、策って?」


 リックがエウリュアレにそう聞くと、エウリュアレは自信ありげに言う。


「掃除、洗濯、食事、買い出し、うちでは分担制ですが大人数になってきたのでこれを機にルセナさんを雇うです」


「奴隷民だった頃に戻してどうする」


 蒼い髪の男はそう言ったが、ルセナはそれを聞いて小さく頷いた。


「なるほど、一から覚えるには拙いが経験があれば不自由しないし、何より雇えば給金を受け取っても問題なく自由に使える」


 リックがそう言ってエウリュアレと意気投合している。


 蒼い髪の男は頭を抱えてルセナに言う。


「ルセナさんがそれでいいなら・・・・給金は俺が出そう」


「宜しくお願いします」


 エウリュアレは早速ルセナに家事のあれやこれやを説明する。しばらくはエウリュアレがルセナと行動を共にするみたいだ。


「わたしは?」


 ルフィナがそこにエイリーに乗って現れた、彼女には騎乗の才がありそうだ。


「ルフィナは特異の力をコントロールできるようにならないとだ」


 エイリーがルフィナとリックにそう言う、そもそも特異の力がさっぱりリックには理解できない。


「どうすればいいの」


 そう言ったリックはルフィナの訓練に付き合うみたいだ。


「まずはどんな特異能力があるかどうかだね。大方、【創造】か【増幅】がどちらなのかは明白だけど」


 リックはそれを聞いてルフィナを見やる、ルフィナは首を傾げていた。




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